【映画】「おいハンサム‼」を観て名言を吐きたくなった話
『映画 おいハンサム!!』を鑑賞した。
※ネタバレに注意ください。
『ドラマ おいハンサム!!』は、2022年1月からフジテレビ系列で深夜ドラマとして放送されたTV番組である。続編は2024年4月から『ドラマ おいハンサム!!2』として放送済みだ。
『ドラマ おいハンサム!!2』の最終話の放送直後に、映画公開が告知されていたが、その『映画 おいハンサム!!』が、遂に6/21に公開されたのだ。
深夜ドラマからの映画化で制作費は多くはないと推察されるが、大方の予想に反して興行は好調のようだ。
6/21-6/23週末観客動員数ランキングでは、堂々の5位にランクインしている。上映館が限られた中での公開にしては、意外と健闘している方ではないか。
ファンとしては嬉しい限りだ。
『おいハンサム!!』は、コメディー・ホームドラマというジャンルに該当する作品だ。
物語は、伊藤家の人々を中心に身近なところでの出来事が語られてゆく。それが映画になったからと言って、いきなり海外ロケしたり爆発シーンが挿入されたりするような変貌はけっして遂げてない。
映画でも、安定の日常の物語が続くのだ。
ただし、登場人物のキャラがどれもこれも濃すぎるのだけが日常とは異なる部分だ。個性的な登場人物によるハチャメチャなエピソードが展開される。それが『映画 おいハンサム!!』を盛り上げている。
大爆笑ではないが、映画館で「アハハ」とか「ウフフ」って声が思わず漏れてしまうような映画だ。
三姉妹は、それぞれに恋や仕事をこじらせ悩み続けている。それを見守る父は要所要所で家族会議を招集して名言(迷言?)を吐き、母は飄々とした態度で娘たちの悩みを受け流す。
脇を固める登場人物のキャラも強烈だ。長女の元カレは偏屈男だし、次女はバツイチで好きになった男は既婚者、三女の今彼はクズ男だ。
その他、自己中でハイテンションの近所のおばさんとか、やたら一人芝居が入る胸の尖った三女の会社の同僚女とか枚挙に暇がない。
考えてみれば、登場人物は変なヤツばっかりだ。この映画には、まっとうな人間は一人も登場しないのだろうか 笑
各演者も芝居ではなく、本当に素で演じているのではないかと勘違いしてしまうほど役にピッタリはまっている。絶妙の配役であるのは間違いない。
それぞれの出演者が、きっと楽しく演じているんだろうなと思わせてくれる映画だ。
また、普通の人が「えっ?それをあえて言語化しちゃう?」と思うような細かいこだわりを語るのもこの映画の魅力の1つだ。
例えば、「パジャマの上って使わないよね。パジャマの下だけ売って欲しい運動協会の話」とか、「スーパーのレジ係との会話で毎日相手の話に合わせていたら、独身なのにいつの間にか家族がたくさんいる設定になっていた話」とか、そんな類の話だ。
「〇〇をしてくれてありがとうございます」の話も秀逸だ。これは、やってもらう前にこれを言ったら相手が断りづらくなり、思わずやってしまう技で、伊藤家で大流行りとなっている。
使い方の例としては、お皿を洗って欲しい時に「お皿を洗ってくれてありがとうございます」と言って、お皿を洗ってもらうとかだ。
これは、トイレに「きれいに使っていただいてありがとうございます」の張り紙がしてあるのと同じような効果を狙った話ではある。
ドタバタ劇とこんな小ネタを挟みながら物語は進んでいくので、「これは単なるコメディーなのか」と油断してしまいがちだ。
しかし油断していると、突然痛い目を見ることになってしまうだろう。
それは、最後に伊藤家の父役・吉田鋼太郎がハンサムな顔して名言を吐くからだ。
ハンサムな顔とは、「いい顔して」の伊藤家用語である。
「お父さん、またハンサムな顔して言ってるよ」
「ハンサムだね」
「うんハンサム」
と、娘たちが口々に言う。
父役・吉田鋼太郎の名言とは、例えば以下のような言葉だ。
「正しく生きようなんて考えなくていい。正しさとはなんだ。正しく生きようなんて思うな。普通に生きろ。それだけでいい」
最初は、「バカボンのパパのような恰好して何言ってんだか」とバカにして聞いていたが、そのうち言葉の魔力に引き込まれて、いろいろ考えさせられてしまった。
『映画 おいハンサム!!』は、コメディーにしてシリアスな映画であり、見る者を虜にする中毒性がある。
そしてラストシーンで、父役・吉田鋼太郎が娘たちに向かって以下の言葉を叫び伏線を回収するのだ。
「〇〇(伏字)になってくれてありがとうございます」
※〇〇:都合により伏字
娘たちの目に涙が浮かぶ。愛を感じる言葉だ。
ズルい。そして、なかなかによくできた映画ストーリーだ、
映画を観終わったあとは、自分も思わず名言を吐きたくなってしまったので、独りごちてみる。
「『スキ』を押してくれてありがとうございます」
お後がよろしいようで・・・テケテンテケテンテン 笑
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