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ぱぺちゃに服を作った

11月のある日、私はとうとうぱぺっとチャーム硲道夫を入手してしまいました。

統一感のないディスプレイスペースに座るぱぺちお
遠くを見つめるぱぺちお 眼鏡の反射が良い

かわいい。めちゃくちゃかわいい。良すぎる。
たとえ定価の2.5倍の値段でも入手してしまう可愛さです。再販しろ。

ずっと欲しいとは思っていたが、約2週間後に行われるTHE IDOLM@STER SideM 7th STAGE ~GROW&GLOW~ SUNLIGHT SIGN@L、通称ななす横浜公演に現地参加するのにぱぺちゃがいたら楽しいだろうな〜〜!!と思って入手してしまいました。
ここで、ぱぺちゃを眺めるうちにふと思ったのです。

せっかく7th横浜に連れて行くなら、それに合った服を着せたい…………

デフォルトで着ている服は「グローリーモノクローム」という今は亡きライブオンステージの共通衣装で、3rd LIVEで着用されていたりしたものです。
これも非常に良い衣装だが、横浜に行くのにもっと着てほしい衣装がありました。
それがこれ、ファーストグロースです。

サイスタのテーマカラーの青緑が綺麗な衣装。

この衣装はサイスタ1周年に際して公開されたもので、10月の愛知公演でもキャストさんが着用していました。“7thの衣装”というわけです。
これを着せたい……

……作るか。

服を作る

とは言えど、私は普段全く裁縫をしません。裁縫ができないわけではないが、だんだん縫うのがめんどくさくなってきて雑になった末に酷い完成品を作るタイプの人間です。具体的には部屋のカーテンにまち針が刺さっているような人間。
とりあえずなるべく縫う箇所は少ないほうがいいので、アイロンプリントで衣装デザインの絵を写した布で、ワンピースタイプの服を作ることにしました。
作り方としては以下の方の記事を参考にしました。

型紙をつくる

このインターネットにはぱぺちゃに自作と思しき服を着せている写真は沢山あるのに、何故か型紙は無かった。なんで?!なので型紙作りから始めます。先が長すぎて不安になってきた。

まずは採寸です。柔らかい裁縫用のメジャーでざっくり測りました。

なぜか絵にしてある採寸結果

この情報を元に型紙を作っていきます。Google先生の画像検索で出てくるワンピースの型紙を見ながら見よう見まねでとりあえず描いてみた。

最初に描いた型紙

これをいらない布で試作してサイズ感を見ることにします。

試作①

手元にあった端処理不要な布が深緑のフェルトだったので、その生地で作ったらクリスマスツリーの妖精みたいになってしまった。

一応、服としての形は成しているがまだ試作品1号なので問題だらけ…。襟ぐりが広く、逆に裾の広がりが足りなかったので寸胴なラインになってしまった。もっとAラインにしたい。あと、脇部分がなんかよくない。袖の長さが足りないのと、なぜかギチっとしてしまった。

このように型紙の作成と試作を繰り返すこと4回……

大量の型紙と試作品
ver2の試作品は捨ててしまったようだ

最終的に脇がどう頑張っても気に食わないため、袖は別で作ることにした。縫う場所が増えてしまったが、頑張るしかない。

ついでに試作中にアイロンプリントも試してみたが、問題なさそうだった。これでアイロンプリントが出来なかったり、プリント後の布での裁縫が無理そうだったりしたら計画がすべてボツになるところだったのでよかった。

最初に採寸をしてから型紙が決まるまで、3日もかかった。(作業時間は約12時間)
世の中の型紙を作っている人はすごい。

本番!実作!

ここまで試作を繰り返して来たので経験値も溜まってきていい感じだ。いざ、本番!
せっかくなので丁寧に手順を紹介しようと思う。でも先に紹介した参考記事の劣化版なので、作り方が知りたい人は参考記事を見たほうがいいです。

使うもの

道具
・基本の裁縫用具(針,布切り鋏,糸切り鋏など)
・アイロン
・プリンター

材料
・白くて綿100%の布
・衣装に合った色の縫い糸
・アイロンプリントシート
・アイロン補修テープ
・マジックテープ
・ネームテープ
・ほつれ止め液

今回使ったものたち

材料はだいたい100均(ダイソー)で手に入りました。糸と布は家にあったやつ。でも100均でも売ってました。

布については大抵のアイロンプリントシートが綿100%で凹凸の少ない白い布を推奨しているのでそれに準じたものがよいです。アイロンプリントシートを使用すると厚みが増すので、薄めの生地でもあからさまにペラペラになったりしないと思う。
私は家に綿100%ツイル生地(白)があったのでそれを使用したら、中厚手の生地だったので布地が何重にもなっている箇所に針を通すのに苦労しました。バカだ。
上で100均で全部買えると書いたんですが、布だけはちょうど良いものが100均で売られているとは限らないので手芸用品店とかにも行った方がいいかもしれない。

あとはアイロンプリントシートですが、私は今回100均と文具メーカーの両方を使ってみました。
まず、100均のものはプリンターのインクが染料・顔料の両方ともにOKですが、A-oneをはじめとした文具メーカーのものは染料インクのみで、顔料インクには使えない場合が多いです。なので、家のプリンターが顔料インクなら100均一択かなと思います。

左がダイソー、右がA-one

印刷・転写について100均のほうは、布に対して割と厚めにプリントが乗ったのでツルツルで光沢のある質感になりました。発色は問題なし。
A-oneのほうは、100均に比べて薄めのプリントだったので、布の質感が生きている感じがしました。発色は印刷時には問題なかったのですが、布に写したらなんだか黄ばんでしまいました……。(許せないほどではないですが)

右のA-oneのは少しボロってしまった

プリントした布に改めてアイロンをかけた時にも差がありました。100均のものは、印刷面にアイロンを当てた時には問題無かったですが、印刷面を下にして裏面にアイロンを当てた時に印刷した部分がアイロン台にぺたっとくっつくことがかなりありました。でも印刷が剥がれることは無かったので、くっついてしまったらそっと剥がせばおおむね問題ないです!
A-oneのほうは100均のようにアイロン台にくっついたりはしませんでしたが、印刷面にアイロンを直接当てて滑らせるようにアイロンを動かすと印刷がぼろっと剥がれかけてしまいました。なので、印刷面にアイロンをかけたい時には上からプレスするようにアイロンをかける必要があります。

という感じで、結果として個人的には100均のほうが使い勝手がよかったです。4倍くらい値段が違うのでとりあえずまずは100均でいいと思います。

作っていく

(1)型紙と図柄を印刷して切り取る
まずは型紙をA4のコピー用紙に印刷します。型紙は無くても作れるけどあったほうが後で便利なので印刷しておいた。
図柄はアイロンプリントシートに印刷します。A4なら1枚、ハガキサイズなら2枚使います。自宅のプリンターは左右反転機能が無かったので、事前に左右反転した画像を用意して印刷しました。
アイロンプリントシートは紙に比べるとお高いので、先に紙と型紙で思い通りに印刷できるか確認するとよいです。勝手にフチをつけたり、拡大してきたりするので。

印刷できたら型紙はピッタリサイズで切り、アイロンプリントシートは余白をつけて単純な形になるように切ります。単純な形のほうが、後々剥離紙が剥がしやすいからです。

印刷した型紙とアイロンプリントシートを切っているところ

(2)アイロンプリントを布に転写する
アイロンプリントの仕方は各シートに使い方があると思うのでそれに従ってください!

布に転写した

(3)布を切る
図柄は縫い代込みになっているので外側にそって切ります。

切った

(4)ほつれ止め液を塗る
布の裏面、端部分にほつれ止め液を塗ります。私が作った時には少し丸まりはしましたが、滲んだりシミになったりはしなかったので使って大丈夫だと思います。作ってみた感じ、アイロンプリントをするとほつれづらくなるようなので、ほつれ止め液だけで端処理終了です。

ほつれ止め液を塗った

ほつれ止め液が乾くまで待ちます。

(5)襟ぐりに切り込みを入れる
表の図柄を見ながら、襟ぐり部分に切り込みを入れます。切り込みを入れると襟の曲線が綺麗に折り込めるようになります。

切り込み入れた

(6)裏に型紙を写す
裏面にも縫う目安ラインがあったほうが作りやすいので、表面を参照しながら型紙を使ってラインを書きます。裏面のラインは無くても作れるので、書かなくてもよいです。
余談ですが、チャコペンが書きづらすぎてキレてフリクションペンで書いていました。でも後から考えると、洗濯は出来ない(しないほうがよい)けどアイロンはかけられるのでフリクションペンをチャコペン代わりにするのは意外と合っていたなと気づいた。

型紙を写した

(7)袖を作る
まず、絵柄が向かい合うように半分に折って、袖の下側を縫いました。

袖の下を縫った
(写真が逆さ…)

次に、袖の先を折り返し……あっ!!縫った後だと折り返しづらい!!!!!でも先に折り返すと二重になった布を縫わなくちゃならないし、端まで縫うのが難しくなってしまうのでしょうがないか……

頑張って折り返した

頑張って折り返した部分にアイロン補修テープを挟んでアイロンをかけ、くっつけます。

なんとかなった

こんな調子で作っていきます。
その後、アイロンをかけて袖の縫い代部分を開きます。

開いた 絵柄が見えて楽しい

頑張って裏返したら袖は完成です。

袖だ〜〜〜!!!!!!!!

(8)襟ぐりの処理
切り込みを入れておいた襟ぐりを折り返してアイロン補修テープで止めます。前身頃と後身頃2枚の計3枚の襟ぐりの処理をします。

襟ぐり処理済み

(9)脇を縫う
前身頃と後身頃を合わせて、脇を縫っていきます。適宜まち針を使ってもよいですが、アイロンプリントの印刷部分はあからさまに針を刺したことがわかるので、刺す場所には注意です。

片側縫った

まずは片側。

できた

両方縫いました。

ついでに脇部分の縫い代も開いておきました。
この辺りで表面に返すと、既にだいぶ服になってきて嬉しい。

(10)袖をつける
ここが一番大変だった……
作ってる最中は余裕がなく、途中の写真がない。さらにこれ以降ラストスパートがかかってしまって写真を撮らずにガンガン製作してしまいました。なのでこのパート以降、後から完成品をそれっぽく撮った写真でお送りします。
ここでは以下のページの「袖を中に入れる」から先の工程をやりました。

裏返しの胴体部分に、さっき表にした袖を肩線の目安ラインを合わせて入れます。

こう…サンドイッチ状態にするんじゃ…

そして袖のアウトライン?外側?を縫っていきます。うまく説明できない。袖を閉じてしまわないように、ちゃんと空洞ができるように外周を縫います。この袖付けは立体的に縫わなくてはいけない上に、襟ぐり近く肩の一番上のところは布が3重になって針が通しづらく、人差し指に針をぶっ刺してしまいました。通話中だったのに思いっきり「痛ッッ!!!!!」って言ってしまった。

両方縫うとこんな感じ
うらがしてみるともうほぼ90%服です
やった〜〜

(11)裾の処理
襟ぐりと同じ要領で、切り込みを入れてから裾を折り返してアイロン補修テープで止めます。
脇のところは布が重なり過ぎて止まらなかったので、少しだけカットしたりしました。

裾部分

(12)両端の処理
マジで写真が無い。そのうえ、上からマジックテープを貼ったり縫ったりしているので、後からそれっぽい写真も撮れない。計画性がゴミ。

それはそれとして、後身頃の右と左の両端を折り返してアイロンでネームテープを上から貼って止めます。この工程、参考にしたミリぬいワンピの方がやっていたのでそのままやったが、別にアイロン補修テープでつけるだけでもいいかもしれない。わからない。
ただ、片方は折り返した端部分にマジックテープをつけることになるので、ネームテープで表面を均一にしておいたほうが後々幸せかもしれない。

ネームテープを端に貼っている

画像では縫い目がありますが、この段階では縫っていなかったんです…!!!わかりづらすぎる。

(13)マジックテープをつける
後身頃は生地が1㎝重なるように作ってあるので、それぞれにマジックテープをつけます。図柄はどちらが上でも大丈夫なようにつくったので、その時のノリで右側を下、左側を上にしました。つまり、右側の端は表面に、左側の端は裏面にマジックテープを貼ります。
粘着テープが付いているので、まずはそのまま貼ります。ただ、下になる側(表面に貼ってるほう!)のマジックテープはどうしても剥がれやすいので、縫いつけておきます。
ここも布が2重+ネームテープ+マジックテープと、死ぬほど針が通らなくて最終的に腰骨で押して針を通していました。何してんの?

マジックテープがついている

完成!!!!!

できた!!

完成しました!!やった〜〜〜〜!!!!かわいい!!!!!!ファーストグロースを着てる!!!!!!!!イェ〜〜〜〜〜〜!!!

ぐるっと一周する動画も撮りました。よかったら見てね!頑張ったので!

ただ素人が雑に型紙を作って、慣れない裁縫をしたので粗はめちゃくちゃある。

本当は見ないでほしい粗も大公開

袖付けが本来縫う予定だったラインを縫えていない……あとなんか袖が狭い!もっと袖がデカいほうが良かったな。

おわり

慣れないことをしたのでめちゃめちゃ疲れた。もうしばらくは裁縫しません。
この記事を最後まで見てくださったお礼(?)に、使った型紙と図柄を置いておこうと思います。使用は自己責任でお願いします。

型紙

A4サイズの紙に印刷することを想定しています。薄い線が製作のときに縫ったりする完成時のサイズで、太めの黒い線は縫い代込みのサイズです。印刷時は下の3㎝の目盛が大体3㎝になっていればOKです。

型紙

図柄

アイロンプリントシートに印刷するやつです。
ハガキサイズに印刷することを想定しています。型紙と同じように薄い線が完成サイズ、太めの黒い線が縫い代込みサイズです。印刷時は下の3㎝の目盛が大体3㎝になっていればOKです。

前身頃と袖(反転済)
後ろ身頃(反転済)

じゃあ…

10日後に!!!横浜アリーナで!!!

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