指切り
ずっと一緒に居ようね、なんて指切りをしたあの日が遠く感じる。
いつだって人の心は分からなくて、だからこそ人は言葉を送り合うんだなんて事を真剣に思っていた。
何度言ったか分からない程の「好き」という言葉は彼女にどれくらい伝わっているんだろうか。
そんな事を考えているうちに自分の心までもが分からなくなった。
あの指切りも、好きも、大好きも、全部が本当じゃ無いみたいに思えて、疑って、そんな自分に嫌気がさして、勝手に1人で泣いた。
喉に何だか違和感がある。
今日食べた魚の骨がきっと刺さっているんだろう。
喉に刺さった針の数を数えてみた。
千と一本。