ぽっかり
大学生になってからずっと地元の映画館でアルバイトをしている。
時給は最低賃金。
きっかけは映画が好きだからとかではなくて何となく、格好良さそうだったから。
最低賃金でしかもそんな理由でこんなにも続いているのはやめる勇気が無いのもあるけれどもまた新しくアルバイトを始めて仕事を覚えるのが面倒だからとかそんな理由。
もう4年目にもなるとかなりベテランにもなってある程度の事は周りよりも出来るようになって、ある程度の信頼もあるとは思っている。
けれども私がどれだけ頑張っても、どれだけ真面目に働いても、新人の子達とか、仕事があまりできない人たちと同じ賃金なんだと思うとなんだか悲しくなる時がある。
ただつい先日、久しぶりに給料明細を見たら3ヶ月前くらいから時給が5円だけだけど上がっていた。
やる業務が増えたからなのだけれどもその時は金額よりも賃金が上がったという事実が嬉しかった。
だけどたった5円。
私の約4年間は、私の価値は穴の空いた硬貨1枚分しか無いんだと言われた様な気もした。
ぽっかりと穴の空いた私の心にピッタリかもしれない。