結束バンド「WeWill」Zepp Sapporo勝手に感想
2024年10月19日。楽しみにしていた日がついにやってきました。ただでさえ狭き門の抽選を1次で突破し、なんとチケット整理番号は200番台。これまでの人生で最高の舞台が整いました。
当日の北海道・札幌は肌寒い雨でしたが、近くの喫茶店で時間を潰し(意外にもお客さんは少なかった、落ち着ける良い喫茶店でした)、入場前の整列中も、寒い中でしたが心は静かにその時を待っていました。
この記事では、ネタバレは極力少なく、結束バンドのライブから感じたことを書いていきたいと思います。セトリとかMCとかは他の人に任せます。
ライブの双方向性
よく、お客さんなしにライブは成り立たないと仰るアーティストがいますよね?あれ、ピンとこなかったんです。歌えば、みんな好きだから盛り上がるよね。たしかに、コロナ禍の観客のいなかったライブが難しいのはわかるし、バンドがヘラヘラしながら失敗を重ねれば、双方向的に盛り下がり、その場には変な空気が漂う。理屈ではわかっても、やはりピンとこなかった。
前方でライブを鑑賞できて、結束バンドの音を浴びて。パフォーマンスを存分に目にして。その意味がよーーーやくわかりました。
間違いなく、あの「ライブ」という現場は双方向性で動いています。長谷川育美さんとバンドメンバーのパフォーマンスがはじまった1曲目、会場が熱気と歓声で徐々にアツくなり始め、数曲の後に感情の沸点に達する。
ぼっち・ざ・ろっく!アニメ本編でもギターと孤独と青い星→あのバンドの流れで表現されていましたが、バンドはやっぱりお客さんの歓声なしに成り立たない。文字通り観客がライブの生死を握っているわけです。
そのことが、よーーーくわかりました。有り体にいえば「ライブは生き物」です。演奏が鼓膜を揺らし、鼓動のように体に響く。歌声が我々を魅了し、熱気をどんどんどんどん上げていく。それに応じてバンドも音をかき鳴らし、声を張り上げ、ヒートアップしていく。2時間近いライブでしたが、最後のほうがバンド・観客ともにみんな元気でしたね。まさにあの現場はゆめうつつというか、この世とあの世の境目にいるようで、踊らにゃ損損声出さにゃ損、です。
長谷川さんの存在
いろいろな声があるとは思いますが、長谷川育美さんの歌に対するカリスマ性と徹底的な「結束バンドへの貢献性(喜多ちゃんになりきったかと思えば、クレバーに熱く場を盛り上げることにも徹せられる)」、歌声の綺麗さもあいまって、器用さが注目される声優さんだと思いますが、非常に努力家なんだなと思いました。過去のインタビュー記事などでも本人が仰られていた「負けず嫌いを心に生きてきた」というのは、あのライブにもそのまんま発揮されていたと思います。
ギターヒーローがここに
ぼっち・ざ・ろっく!アニメと連動した企画「ギターヒーローへの道」は成功のうちに終了しましたが、その後も青山吉能さんは練習を続けてらっしゃるようで、昨年の夏には音楽の甲子園とも言える「閃光ライオット」で愛用のギターとともにオープニングアクトを務められました。
そういう時間の連続性を観客の多くも共有しているわけで、青山さんの演奏にはハラハラしつつも、どこまで上達するんだろう、どこまでエキサイトさせてくれるんだろうと、そこにある音の緊張感と臨場感といいますか、見ていて非常に感慨深さと感動がありました。青山さんの演奏は、ギターヒーローへの道というフィルターを通してみると、一音一音へのありがたみがやっぱり違うんですよね。
目の前にいたのは、間違いなくギターヒーローでした。
やっぱりこの二人にどうしても肩入れしてしまいますね・・・すみません。
どの曲も最高だった
結束バンドの中でも「ドッペルゲンガー」が曲としては一番好きなのですが、このツアーでは札幌でしか演奏されない「青い春と西の空」は思い出が自分の中で更新されたし、「夢を束ねて」のぼっちちゃんの独白のような歌詞がライブを経て心を掴んできました。このバンドの曲は星、とかきらめき、とか儚さと力強さが共存している歌詞が多いのも、やはり聴くと沁みますね。アコギではじまる「秒針少女」も捨てがたい。ベース音が好きな「星座になれたら」・・・もう挙げればキリがありません。
最後の曲が終わって会場を後にする時、ぼっち参戦では有りましたが多幸感とフワフワ感、そして祈りを受け取ったような感覚に包まれていました。実際耳が詰まって難聴気味だったんですが(翌日には治った)、それも含め体全体で感じられた素晴らしいライブでした。36歳になって、ニブチンのオッサンになって。こんなに興奮させられるとは、期待をはるかに超えてきた2時間でした。
とりとめもなくなってしまいましたが・・・
何にしたって、新しい発見があるというのがとても楽しいです。今後も応援していきたいと思います。