地理と世界史の雑学2
SDGsが叫ばれだしてから長い年月が過ぎましたが、SDGsが正確に理解されているかどうかを怪しいと感じることがあります。
The Sustainable Development Goals
日本語には次のように訳されています。
持続可能な開発目標
しかし、英語を意訳すると、
持続可能な開発(を継続して実現するための)目標
となるでしょうか。
持続可能な開発(が目指す)目標
となるかもしれません。
いずれにしても、個別の目標をみていくと、かなりの矛盾や対立があることがわかります。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
13.海の豊かさを守ろう
14.陸の豊かさも守ろう
貧困をなくすために森林(自然林)を農地にすれば食糧の増産ができますが陸の豊かさは損なわれます。自然破壊も起こります。
逆に、農地拡大を防止すれば自然破壊は抑えられますが貧困や飢餓を改善することが難しくなります。休耕地を再開発すればよいというのは、すでに豊かになってる先進国の論理でしかありません。
貧困をなくすために漁獲量を増やせば多くの人に食糧を供給できますが海の豊かさは損なわれます。海洋資源の枯渇も起こりえます。
逆に、漁獲量を制限すれば海の生物の生息数は維持できるかもしれませんが、漁業で生計を立てている人々の収入が増えず、十分な海洋食糧の確保もままならず、貧困や飢餓を改善することが難しくなります。養殖を拡大すればよいというのも豊かで資金力がある先進国の論理でしかありません。
個別目標の日本語への訳した方にも疑問が残ります。
12.つくる責任、つかう責任
英語では Responsible Production and Consumption ですが、直訳すると、責任ある生産と消費(責任ある生産と責任ある消費)になります。
国連のホームページには、今の人口のままでは、地球が3つ必要だと書いています。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
人口を3分の1に減らせということでしょうか。いったいどうやすれば実現できるのでしょうか。
イメージ操作をしているのではないかという印象さえ受けます。
しかし、SDGsは開発目標なのだと考えればすべてが腑に落ちます。
つまり、SDGsの究極の目標は、破綻しかけている「開発の持続可能性を維持すること」なのです。
環境保全や、資源枯渇防止や、貧困の撲滅が、最終目標ではないのです。
開発し続けれれるようにすることが最終目標なのです。
環境保全に留意することで、開発をし続けることを可能にする
資源枯渇に留意することで、開発をし続けることを可能にする
貧困対策に留意することで、開発をし続けることを可能にする
飢餓対策に留意することで、開発をし続けることを可能にする
など
そう読み解くことで、17の全ての目標が整合的になってきます。
では、なぜ開発し続けられなければならないのでしょうか。
みなさんが考えてみてください。
答えをここで書いてしまうと、炎上する危険性がありますので、今回はここまでにしておきます。