時事問題(アサド政権崩壊)
国際情勢に動きがありました。
シリアのアサド政権崩壊です。反政府勢力が実権を奪取しました。
シリアの首都ダマスカスは大混乱状態になっています。政府系組織からの略奪が横行している様子です。金目のものはすべて略奪の対象になっているようです。民衆が喜んでいるのはアサド政権が倒れたことなのか、略奪し放題なことなのか、分からないような状態に見えます。
シリア政府を支援していたのはロシアとイランで、シリア反政府勢力を支援していたのはアメリカです。
この他にイスラミック・ステート(IS)やクルド人武装勢力がシリア国内で軍事行動を起こし、シリア国内は政治的な軍事的な混乱が続いていました。
トルコやイランなども関与したことでカオスのようになっていました。
アサド大統領はすでにシリア国外に脱出した模様です。向かった先は現時点では不明ですがロシアかロシアの息がかかった地域が有力視されています。
国外脱出を余儀なくされたアサド一族ですが、シリア国内の混乱は今後も続くでしょうから、国外で亡命政府を樹立する可能性は残ります。ロシアやイランなどはそれを支援することでしょう。そしてアサド政権の復活を画策することでしょう。
ロシアにとって最も困った事態は、シリア国内にあるロシア軍の基地がどうなるかという点でしょう。この軍事拠点を失えばロシアは中東における軍事的なプレゼンスを大きく損なうことになります。それはアメリカと親アメリカ勢力の望むところはあります。
シリアを支援していたイランは、レバノンのヒズボラやガザ地区のハマスも支援していました。イスラエルの大規模軍事侵攻によりヒズボラやハマスが弱体化したことと、ウクライナ戦争によりロシアがシリア支援に手が回らなくなっていたことが、今回の事態の伏線とみてよいでしょう。
新年1月にトランプ共和党政権にアメリカ政治の実権を渡すことになるバイデン民主党政権が、やり残した国際事案の解決を急いだとも考えられます。
バイデン政権がやり残した案件には、ウクライナ戦争の解決もあります。
国際政治経済の専門家の中で噂されているのは、ウクライナは「朝鮮戦争」型での解決になるとの見方です。
国際紛争(国際戦争)の解決の仕方には大きく分けて3つあります。
・終戦にする
・停戦にする
・休戦にする
このうち最後の休戦にする案です。
戦闘だけを休止にし領土境界線は確定させず暫定のままにする方法です。お互いに領土を主張し合う状態が続くことになります。いつまた戦闘が再開されるかわかりません。
ロシアとウクライナの間で終戦にするための条件には隔たりが大きく、また停戦とするとなると両国の世論や武装勢力(ウクライナ国内の親ロシア勢力など)が納得しないでしょうから、戦闘だけをいったん休止することに暫定的ながら合意するという方法です。
ウクライナもロシアも長引く戦争で激しく疲弊していますから、この案をしぶしぶながら受け入れる可能性はあります。トランプが軍事支援を止めればウクライナはそうせざるをえません。シリアにおける親ロシアのアサド政権の崩壊とロシア軍基地存続危機からロシアも受け入れる可能性が出てきました。そこを狙った動きが水面下で行われていた可能性もあります。
ウクライナ問題の行方の方向性が決まるのはトランプ政権が正式に発足する新年1月以降になる可能性が高いとみられていますがどうなるでしょうか。