見出し画像

グドルンさんのお誕生日に

2025年1月2日
ロゴタイプ、書体デザイナー、カリグラファーの立野竜一さんが2025年1月2日Instagramでグドルン・ツァップ・フォン・ヘッセさんに捧げたカリグラフィー作品を発信されていました。
本当に信じられないくらい美しいです。

1月2日はグドルンさんのお誕生日です。そこで、私もグドルンさんについてnoteに記そうと思い立ちました。
グドルンさんはWikipediaで紹介があります。

Gudrun Zapf von Hesse (2 January 1918 – 13 December 2019) was a German book-binder, calligrapher and typographer.

グドルンさんはご夫婦である、著名なヘルマン・ツァップさんと同様、カリグラファーやタイプデザイナーとして知られていますが、製本家としてキャリアをスタートしています。そのことを最初に教えてくださったのが立野さんでした。2016年だったか、カリグラファーの方々と、ドイツ在住、世界のタイプディレクター、小林章さんがグドルンさんをお訪ねする時に、「製本について質問を考えて」と宿題をいただいたのでした。
私はまずはグドルンさんのWikipediaをみて、グドルンさんの製本の先生がOtto Dorfnerとあり、こちらもWikiで翻訳してみますと、バウハウスで製本を指導していた先生とわかりました。
バウハウスで製本自体を指導していたことも驚きでしたが、グドルンさんにいくつかした質問の中に、オットー・ドルフナーさんのことを聞いてもらう他、元スタッフでドイツに住んでいた人や現在でもドイツにいる人がいたので、彼女達にも質問を考えるのを手伝ってもらいました。
その後、グドルンさんの製本作品を所蔵の嘉瑞工房・高岡昌生先生や、小林章さんに直接見せていたくなどときめく時間を重ねておりました。

作品集に掲載のご本を直接見せてもらいました。グドルンさんが染めたクライスタパピアで、背中は羊皮紙にタイトルが金箔押されていました。本文も写真を撮らせてもらえばよかったです…。

2018年に小林章さんのブログを読んでいますと、グドルンさんの展示に行ったご様子が書かれていました。

私はこの記事をみて、製本のお道具や、製本の構造について、写真だけだとわからないところがあり、小林さんにメールしまして、グドルンさんに聞いていただけたら、と相談しました。また、展示があれば、もし事前にわかれば、観に行ってみたいのでなんとか半年以上前にわかる手立てがないか、夢みがちに相談してみたのでした。
すると、小林さんからの返事は、
「グドルンに直接作品を見せてもらえないか交渉したところ『急いできて』とのことです。」とお返事が来ました。
展示に行くだけでも大変なことでありましたのに、まさか、ご本人に会いにいくことになろうとは、ただただ驚きましたが、
本当にたくさんのことをなんとかして、4ヶ月後にドイツにお訪ねすることが叶いました。2019年1月末のことでした。
もう6年前になってしまうのですね。この時の濃密な様子もまたいつか、書き記せたらとも思います。
そしてこの年の12月に、グドルンさんは旅立たれました。102歳を目前としていました。
諸先輩方の当時の悲しみの深さは、お声がけ出来ない程でした。
私はグドルンさんにお会いすることがかなったものとして、
何が出来るだろう、といつも考えています。

年のはじめ、ご挨拶もなく、いきなりはじまってしまいました。
本年も何卒宜しくお願いします。








いいなと思ったら応援しよう!