LINE APIでできること~連携機能の仕組みや低コストでの開発法を徹底解説~
こんにちは!
株式会社ネッコスの代表、井口です。
突然ですが、皆さんのスマートフォンにLINEアプリは入っていますか?
LINE(ライン)の国内利用者数は、2020年5月時点で8,400万人。
国内利用者数No.1のSNSであるLINEを活用すれば、より多くの人にリーチできるというわけです。
そんなLINEが提供するAPIを活用して、チャットボットやアプリなど新たなサービスを提供したいと考える方も多いでしょう。
実際に私が代表を務める株式会社ネッコスでも、LINE APIを活用したカスタマーサポートツール『tunakan(ツナカン)(https://tunakan.jp/top.html)の開発実績があります。
開発に至った経緯は複雑ですが、一言で言えば「シェア率と需要の高さ」でしょうか…
今回は、そんなLINE APIでできることや、LINE APIの活用方法などを紹介していきたいと思います。
◆LINE APIの基礎情報
そもそも大・大・大前提の話ですが、API(エーピーアイ)とは、ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に向けて公開することにより、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにしてくれるものです。
LINEが提供するAPIと連携すれば、Web開発が楽になるだけでなく、あらゆる機能がそのまま活用できたりします。
LINEでできることと言えば、メッセージ送信・チャットが代表的ですが、他にも以下のような機能が開発可能になります。
次の見出しでは、上記で挙げた開発可能な機能についてもう少し詳しく取り上げ、どんなAPIや機能が提供されているのか、それらでどんなことができるのかを説明していきたいと思います。
◆ LINEが提供するAPI・機能とできること
・LINEログイン
LINEが提供しているLINEログイン機能を使えば、ユーザーが自分のLINEアカウントを使ってウェブアプリやネイティブアプリ内で簡単にアカウントを作成出来るようになります。以後、LINEアカウントを利用して簡単にログインが可能になります。
LINEログインは、ウェブアプリ、iOSアプリ、Androidアプリ、Unityゲームに組み込むことができます。(iOSやAndroid、Unityゲーム、FlutterアプリにLINEログインを組み込むSDK(LINE SDK for iOS/Android/Unity/Flutter)を提供)
・Social API v2.1
Social APIを使うと、LINEプラットフォーム上のデータにアクセスし、LINEユーザーのプロフィール(LINEユーザーID、表示名、プロフィール画像、ステータスメッセージなど)を取得することができます。
・LINE Messaging API
LINEが提供するAPIや機能の中で一番多く活用されているのが、この『LINE Messaging API』です。このAPIでできることは、ボットを作成し、応答メッセージの送受信を行ったり、LINE Beaconを使用して、ユーザーがビーコンの電波の受信圏に入ったときにLINE公式アカウントがユーザーとどう対話するか設定することが可能です。詳しくは、この後の見出しで説明します。
・LINE Front-end Framework(LIFF)
LINE Front-end Frameworkは、ウェブアプリのプラットフォームのことで、このプラットフォームで動作するウェブアプリのことを、LIFFアプリと呼んでいます。LIFFアプリでは、LINEのユーザーIDなどをLINEプラットフォームから取得し、取得したユーザー情報を活用した機能を提供したり、ユーザーの代わりにメッセージ送信を行ったりすることが可能です。
・LINE Things
LINE Thingsとは、LINEを通してチャネルとBluetooth® Low Energy対応デバイスを連携、操作を可能にするIoTプラットフォームのことです。
LINE Thingsでできることは、LINEでデバイスを連携することと、ユーザーが操作せずともLINEからデバイスに対して事前に登録した手順に沿って自動的に通信を行うことです。
・Clova Extensions Kit
Clovaとは、LINEが開発しサービス提供しているAIプラットフォームのことです。Custom Extension(スキル)を作成することで、Clovaを通じて対話が可能になります。
・LINE Social Plugins
LINE Social Pluginsでは、LINEへのシェアや友だち追加などを、LINEで送るボタンや友だち追加ボタン、いいねボタンなどのボタン一つで可能にします。
・LINE Notify
LINE Notifyは、LINEを通してWebサービスからの通知を送信できる機能です。Webサービスと連携することにより、LINEが提供する公式アカウント「LINE Notify」から通知が届きます。複数のサービスと連携が可能で、グループでも通知を受信することができます。連携可能なサービスで代表的なところでは、IFTTT(イフト)、Github(ギットハブ)、Mackerel(マカレル)など。
・LINE Pay
誰しもが知っているLINE Pay。LINE Payを使った決済の仕組みをアプリケーションに導入することができます。
◆LINE Messaging APIでできること
上記で簡単にご紹介したとおり、LINEが提供しているAPIや機能はとてもたくさんあります。
そんな中でも、やはりMessaging APIを活用したチャットボット開発は認知度も高く、活用事例も一番多くあります。
Messaging APIを使うことでチャットが自動化できるため、ユーザーの反応やストーリーに合わせて色々なパターンでの返答を行ったり、タイミングに合わせたメッセージ配信ができるようになります。
Messaging APIを活用して実現できることは主に以下のような機能です。
Messaging APIを使うと、1to1トークだけでなく、ユーザー全員にメッセージを一括配信することもできるため、複数のユーザーに一斉にメッセージを届けたいという企業アカウントで多く活用されています。また、Messaging APIの活用によりユーザーやコンテンツ内容に合わせた自由な表示が可能になります。
このメッセージタイプの豊富さはMessaging APIの武器の1つです。上から簡単に説明していきます。
・テキストメッセージ
これは説明するまでもありませんが、シンプルなテキストによるメッセージを送信できます。文字コードを使えば、テキストメッセージにLINEの絵文字も入れることができます。
・スタンプメッセージ
送りたいスタンプのパッケージIDとスタンプIDをメッセージオブジェクトに含めまることで、相手にスタンプを送信することができます。
・画像/動画/音声メッセージ
以下の情報をメッセージオブジェクトに含めることで、画像・動画・音声を相手に送信することができます。
・位置情報メッセージ
タイトルと住所、緯度と経度の座標の情報をメッセージオブ弱とに含めることにより、相手に自分の位置情報などを送信することができます。
・イメージマップメッセージ
イメージアップメッセージとは、複数タップできる箇所がある画像メッセージのことです。
ユーザーが好きなタップ領域をタップすることにより、あらかじめ指定しておいたウェブページにアクセスしたり、ユーザーからメッセージを送信したりすることが可能です。画像の上で動画を再生したり、動画再生後にリンク先を設定したラベルを表示したりすることができるため、視認性に優れ、ユーザーのタップ率も高いです。
・テンプレートメッセージ
テンプレートメッセージでは、ボタン、確認、カルーセル、画像カルーセルといったレイアウトを用いて、ユーザーによりリッチなUIを提供できます。
ボタンが2つ含まれたメッセージや複数のカラムオブジェクトをユーザーがスクロールして閲覧することのできるメッセージを送りたいときも、テンプレートメッセージを用いれば簡単に実現できます。
・Flex Message
Flexは、CSS Flexible Box(CSS Flexbox)の基礎知識を使って、レイアウトを自由にカスタマイズできるメッセージのことです。
・LIFF
Messaging APIが提供できる機能ではありませんが、LIFFは自分で構築した独自Webアプリを画面切り替えなしでトーク画面に表示できる機能があります。
・メッセージタイプ共通機能
メッセージタイプに共通する機能としては、クイックリプライ機能があります。
クイックリプライ機能は、どのメッセージタイプでも利用可能で、クイックリプライボタンを設定したメッセージを送信すると、メッセージのほかに、トーク画面の下部にそれらのボタンが表示されます。ユーザーはボタンをタップするだけで、ボットからのメッセージに簡単に返信できます。
◆ LINE APIを使った開発は意外とハードルが高い
これまでの説明通り、LINEが提供するAPIや機能はとても充実しており、できることはたくさんあります。
ですが、しっかりしたものを作ろうとした時は、やはり開発のハードルも考えなくてはなりません。
・開発コストがかかる
例えば、
この場合は、開発に2000万円も費用がかかります(極端な例ですがw)
・開発期間がかかる
当然のことながら、労働人口不足が騒がれる中でエンジニアが足りず、人員を確保するのにも一苦労の世の中。
スタートアップや新規事業を行いたくても、構築に6ヶ月や1年かかってしまうことは珍しくありません。
◆ LINE APIを活用したサービスを低コストで展開する方法
そこで弊社では、LINE APIを用いた大規模ツール開発の実績を元に、LINEメッセージAPIをさらにコンポーネント化し、汎用性の高いAPIを作成し「クラウドAPIサービス」を開放しています!
また、様々な連携を利用シーンに応じて組み込めるようにしています。
開放させていただいているAPIを活用いただくことで、たった数行のコードからコミュニケーションが構築でき、従量課金制のため非常にリーズナブルで多様なチャンネルとの連携も容易です。
機能の組み合わせをし、自由な開発もできる上、開発コストと期間が大幅カットできます!
LINE APIを活用したサービスを展開したいものの、開発工数や開発費用が割けない!!!!!
そんな時、今から連携用のAPIを作るのではなく、すでにある連携用のAPIシステムを用いて開発が出来れば、スマートかつ低コストで開発が可能です。
◆まとめ
LINEが提供するAPIや機能は大変豊富で充実したものが多いため、これを用いることにより様々なサービスを生み出すことができます。
ただし、開発にはコストも期間もかかる上、一から開発を始めるのにはサーバー設計などの手間もかかります。
弊社がクラウドLINE APIサービスを開放している理由は、自社だけで独占したり完結させたりさせず、共に売上を伸ばす仕組みをどんどん開発していきたいからです。
今は、会社が違ってもプロダクト単位で集まりサービスを作り上げたりすることも多い時代。
そういった開発が少しでも楽になるサービスを提供することで、労働人口減少問題にも貢献できればと考えています。
何度も同じ仕組みを構築することがないように、作ったAPIは、汎用性を考え随時開放していきます。
各APIは汎用的であっても組み合わせて利用することで、独自の課題解決ができるようにカスタマイズできることを目指しています。
低予算でLINE APIを活用した開発をしたい!または、興味があるという方は、相談だけでも構いませんので、ぜひお気軽にお問い合わせいただければ幸いです!