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僕,ライターになりたいんです

僕「ゲーム系のライターになろうと思うんだけど」
母「……ライターって何? 食べていけるの?」
僕「……う、うん。どうなんだろ。たぶん大丈夫じゃない?」
母「止めておいたほうがいいよ」

 親御さんからすれば、ライターとは具体的にどんな仕事なのか、その実態はなかなか掴みづらいと思います。ライターの種類にもよりますしね。在宅をメインにしている人もいれば,取材をメインに活動している人もいます。ゲーム,音楽,映画,ファッション,旅行,グルメなど,ジャンルも様々。

またライターと言えば、そのほとんどがフリーランス。企業に所属している人もいるでしょうが、数としては少ないです。フリーランス=収入が不安定という認識が一般的ですし、それは間違っていない。大切な息子(娘)がそんな世界に飛び込もうとしているとしれば、心配になるのも当然です。

うちの両親も同じ心境だったんだと思います。ただ、僕はどうしてもライターになってゲームの記事を書きたいという思いがあったので、両親を説得して専門学校(バンタン)に行きました。幸いなことにうちの両親は話が分かるほうで、ライターに対して懐疑的な面はあったものの、否定はしなかったので、意外に早く賛同を得られました。

そもそもなぜ,僕はそれほどまでにゲームを専門に扱うライターになりたいと思ったのか。理由はシンプル。ゲームが他の人よりも圧倒的に好きで、プレイするだけでは飽き足らず、その魅力を伝える側になりたいと思ったから。

僕の場合は,単純にゲームが好きというよりもゲーム業界にも興味があった。クリエイターのインタビューも積極的に読んでいたので,ゲームへの思いが人一倍強かったんです。いちゲームファンのままでいたくない。自分もゲーム業界に関わりたいと思ったんです。チャンスがあれば飛び込んでみたい世界。

ゲームに関わる仕事と言えばゲームメーカーやデベロッパーに就職するという選択もありますが,僕は記事を書く方に行きました。

僕は一度ハマったら,他のことが頭に入り込む余地がないくらい没頭しちゃう性格なので,当時はライターのことで頭がいっぱいでした。もう,思考は常に「ライター! ライター! 俺はライターになる!!」。まだなってないのに,友達に「おれ今度ライターとして記事書くから!」って宣言しちゃったくらい。なれなかったら嘘になっちゃいますよね。

あと,どうせライターになるのなら,大手のファミ通で記事を書きたいという思いが強かったです。ゲーム小僧のバイブルと言えばやっぱりファミ通だし、ファミ通で記事を書くことにステータスを感じる部分もあったんだと思います。「おれ,ファミ通で記事書いてるんだぜ!」って。結局,ファミ通紙面で記事を書くことはなかったわけですが。

実は専門学校に入る前に、一度ライターの面接を受けたことがあります。こちらはファミ通ではなく電撃プレイステーションでした。

電撃の奥付で「ライター募集」の告知を見て,「キタ!」。もう即決。
さっそく電撃に課題のゲーム原稿を送付。取り上げたタイトルは「バイオハザード4」だったと思います。軽いインプレッション。結果は、書類審査をパス。面接までこぎつけることが出来ました。でもその面接が問題だった。

もともとの緊張しいな性格が災いしてか,ほとんど喋れなかったんです。あと他の人はスーツでビシッと決めていたのに対し,僕は思いっきり私服でした。「やっちまった」と思いましたよ。もう完全にピエロ。

「僕,電撃の紙質が好きで……」なんて内容とはまったく関係ないことばっかり喋ってた気がします。今思うとめちゃ恥ずかしい。結局仕事をもらうこはできなかったのですが,でも自分的には面接まで進んだことがある種の自信に繋がったんですね。原稿の審査をパスしたというのが。

そこで,どうせだったら専門学校に行き,ちゃんとライターとしての知識と技術を勉強してトライしたいと思ったのです。

すぐさま願書を書き,2007年に専門学校に入りました。このとき25歳。そこからライターのタマゴとしての2年が始まります……。【専門学校編へ続く】

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