【歌詞】#12 声 -オト-【制作秘話】
作詞・作曲:ミスミトウリ
音が鳴る 音が鳴る
深く満ちる箱の中で
君が歌うその声が
響くセカイは愛しい
凛とした瞳に似つかわしくないほど
絹溶かす声色で
名前を呼ばれた
艶めく唇が紅に瞬くたび
息ひそめて
僕に降り注ぐ夢語りよ
白い喉元は硝子細工のようで
壊れそうに鳴らすほど
鮮やかに君は輝いた
奇麗な音が咲く 音が咲く
誰も導かれるセカイで
君が歌うその理由が
僕でありますように
清らな情熱は君の心に有るはずで
どんなに辛くても
僕だけは分かりたいのにさ
細い手首で強く握り返して
誰かの想いを知っては
君は微笑む
愛しい声がする 声がする
優しく君が呼ぶ声が
僕が泣くその理由に
気づきもしないままで
悠か永遠なんて在るはずないけど
いつまでも傍に居たいと願った
ほら、音が鳴る 音が鳴る
深く満ちる箱の中で
君が歌うその声が
響くセカイは愛しい
今、音も無く 音も無く
優しく結末は近づく
君が泣くその理由を
知ることもできないままで
君の声で、知りたいのに
音楽業界や音楽ファンに間では、会場(特にライブハウス)のことを「箱」と言います。ファンにとっては神聖な姿にも見える「箱」で歌う推しを描きました。匿名投稿祭に参加した楽曲で、作者を知らないからこそ「音楽」をしっかり聴いてもらえるのでは?という発想から、普段は聴いてもらえないだろうな~と思って避けていた曲調で仕上げました。
2022.7.31 公開 (2022.7.28 無色透名祭で初公開)