「風の女神(その序)」曲からストーリー【うたすと2?】
こちらはまだ10/10からの開催ですが昨日発表になった曲をモチーフに小説、短歌俳句、その他文筆系の作品を発表する企画です。
曲はこちらです。(あと2曲ありますがそれは最後に)
俺の名は神代(かみしろ)ジュウゴ。
表向きは溜まっていた非番の夏休みでひとりっきりのバイクのツーリングを装ってこの駅に来た。
駅とは言ってもここは北海道、他例にもれずここも既に廃駅になっている。
ドラマのモデルになったこともあり駅舎は残されているが2年後には全線廃止予定らしい。
すずらんのブーケを用意した。
せっかく夏休みを合わせたのだ。この駅で花束を渡してあとは二人でツーリングしたかった。
昔からの鉄道マニアとドラマオタクがそうさせてしまったのだ。
彼女は根っからのバイクマニア。
趣味バイク、特技バイク、休みの日はバイク・・・
天性の仕事だと思う。
「神奈川県警交通部第三交通機動隊小隊長、階級警部補」
それが彼女の肩書だ。
どうやら俺は昔からバンカラ風の女性に惚れてしまうようだ。
高校の頃はあざみという同級生を好きになったが彼女には大事な女友達がいて相手にしてもらえなかった。
「そう言えばあざみもバイクに乗ってたなあ。」
示し合わせた時間を1時間はとうに過ぎてる。
「チハヤのやつ遅っせえなー。まさかあいつに限って事故ってんじゃねえだろうな?」
「いやいやあいつのことだ。アクロバチックな変な走りをして管轄外のこの地で職質でも受けているに違いない。」
そこへチハヤから電話が入った。
「すまーん!急に非番が取り消しになったー。管内の土星(つちほし)幼稚園で急きょ町内一周の親子マラソン大会が開かれることになってその警護と先導だ!」
結果、そのマラソン大会は危険ということで中止になったようだが非番の取り消しはそのままらしい。
親たちは今頃宴会の真っ最中か?
「ツーリングを示し合わせて、それも北海道の夜空を見ながらなんて何かお前考えていただろ!えっー、どうなんだあー?!正直に白状しろ!この私にプロポーズでもしようと思ってたのかーー?まあそんなことはあるまいと思うが。」
「な、なにを言ってるんだ。そんなことあるはずないだろ。その前にそのタメ口を何とかしろといつも言ってるだろ!同期とは言え俺の方が年も階級も上だぞ!」
彼女のことは警察学校時代から見てきた。
はっきり言って一目惚れだ。部署は同じになることは無かったが時間が合えば昼飯を一緒に食ったりする仲ではある。
夕食を一度誘ったことがあるが3つ星レストランをせっかく予約したのにTシャツとジーパンでやってきて入店を拒否られた。
「仕方がない。駅の写真でも撮って帰るか。やっと来れた聖地だ。」
「いつかスズランの花束を渡してやるから待ってろ!あんにゃろー!」
スズランには毒もあると言うがまさにあいつにはドンピシャの花だ。
俺の好きなアマリリスなんぞは似合わない。
ヘルメットをかぶる時、駅長の声と蒸気機関車の音が聴こえた気がする。
星が綺麗だ。
「あしもーい。あしもーい。」
(ブシュー)
(つづく)
※つづきがあるのかどうかわかりませんが・・・
この話はNHK朝ドラ「すずらん」と読売テレビ青山豪昌原作「名探偵コナン」をモチーフにしています。
チハヤキャラだけで書こうと思っていたのですが発表された曲が「スズランの花束」だったので急きょ舞台を架空の駅「明日萌(あしもい)駅」にしました。
結局パロディで申し訳ないです。
早いのだけが取り柄ということでお許しを。
期間がまだ先の企画なので続きはゆっくり考えます(笑)
パロディが企画に不都合であれば削除します。
ちなみに高校時代に惚れていた「あざみ」はこちらの女性です。
俳優(声優)田中敦子さんへの追悼も込めて。
「うたすと2」課題曲あと2曲はこちらです。
ではまた。
みなさんにいいことがありますように。