メンタルヘルスについて
身近にメンタルをやられてしまった人っていませんか?
いますよね?
そんな人見たことない、って人はあまりいないと思います。
ちょっと人よりストレスがかかると、やられてもおかしくない。そんな認識ではないでしょうか。
でも、昔からそんな普通に、周りにいましたか?
メンタルをやられるって、そんなに普通にありえることでしたか?
私は、社会人としてはまだまだ若輩者の8年目ですが、だから知らなかっただけ、ではないような気がしています。
十数年前、高校生くらいの時からでしょうか。
周囲にメンタル不調で休む人が増えたこと、うつ病を公表する人が増えたこと。
進学校だったこともあり、うちの高校がヤバいのかと思っていましたが、どうもそれだけではないように思えてきました。
そこでこの記事を書こうと、思い立って情報を集めようとしたところ、大変興味深い記事を見つけました。
うつ病は日本でどのように広まってきたのか
『うつの医療人類学』 北中淳子教授インタビュー https://wedge.ismedia.jp/articles/-/10223?layout=b
ものすごーくざっくり書くと、
・精神医学には、「こころの病」的な見方の精神分析派と「脳の疾患」的な見方のバイオロジカル派の大きく2つの派がある
・日本はドイツの流れをくみ、元々はバイオロジカル派が強かった
・北米ではむしろ精神分析派が強かったが、70年代に薬物によって幻覚等を引き起こせると気付き、バイオロジカル派が押してきた
・しかし現在ではゲノム研究が進み、単一の遺伝子により精神病が発病するわけではなく、環境との相互作用が強いことがわかっている
・一方日本では、製薬会社が「うつは心の風邪」というキャッチフレーズで抗うつ薬を売り込み、大成功
・さらに2000年の電通事件で、過労うつや過労自殺に関して国や企業の責任が問われたことで、労働政策の改定なども行われうつ病のストレス言説が広まった
と、いうことらしいです。
つまり、ストレスとうつの因果関係は明確になっているわけではなくて、割と最近広まった噂レベルの言説だと。これは結構衝撃的でした。
一方で、メンタル不調を公表する人が増えた気がするのも気のせいではなかったようだとわかり、納得です。
それで結局、日本の今の方向性は正しいのでしょうか?
過労→ストレス→うつ
と因果関係を決めつけて過労を防ぐべく労働時間をひたすら削るというのは…間違っていませんか?
労働時間が減ればストレスは減るのか?
ストレスが減ればうつは無くなるのか?
メンタル不調をストレスの尺度にして良いのか?
もちろんどれも違うと思うから疑問形で書くわけですが。
このあたりをちゃんと考えなくては何も解決しないのではないかと、私は思います。
とはいえ、極端に寝る時間を削るような労働時間がストレスになるのは明らかですし、極端に寝る時間が削られれば何らかの疾患に繋がるのもまぁ明らかでしょうから、そのひどい労働時間が減った功績は大きいと思います。
つまり、次のレベルに来たのです。
「あのくらいの残業で文句言うのおかしくない?」
「俺の方が残業時間長いのにあいつがストレスチェックに引っ掛かるなんておかしい」
とかって文句が出てくるくらい、明らかにおかしな労働時間ではなくなったわけです。
今の問題は時間じゃないのです。明らかにおかしい労働時間というわけでもないのにストレスが溜まる仕事や働き方がおかしいのです。
今やるべき働き方改革って本当はそういうとこの改善じゃないですか?
今の仕事や職場がどうしてストレスなのか。どうしたら快適で幸せになるのか。
それを、考えていく時が来たのではないでしょうか。
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