【第1審】学生2人へのセクハラ、アカハラに対する停職処分が高裁で認められた例(平成26年2月25日甲府地裁)
概要
公立大学である被告に教授として雇用されていた原告が、女子学生2名に対するセクハラ行為及びアカハラ行為を理由に被告がした停職1か月の懲戒処分は無効であると主張して、本件処分が無効であることの確認、未払賃金の支払及び名誉棄損の不法行為に基づく損害賠償を求めた。
結論
一部認容、一部棄却
判旨
元教授が,本件科目の授業において,女子学生による体調不良を理由とする帰宅の申出を認めず,パイプ椅子に座らせて授業見学をさせたことにつき,女子学生がどの程度の深刻さをもって体調不良を訴えたのか必ずしも明らかではなく,帰宅の申出を断って授業見学をさせたことが直ちにアカハラ行為に該当するとはいい難いし,女子学生の携帯電話及び実家に電話をかけ,本件科目の単位が取得できず,卒業ができなくなる旨述べたことについても,当該行為のみをもって,セクハラ又はアカハラに該当するとはいい難いこと等から本件処分は無効であり,大学は,元教授に対し,本件処分期間中の賃金の支払義務を負うものというべきである。
本件処分は無効であるから,本件処分を大学のホームページにて公表したことにつき,不法行為が認められ,元教授の精神的苦痛に対する慰謝料の額は,50万円の限度で認めるのが相当であるが,元教授の氏名は公表されておらず,すでに大学を定年退職しており,諸般の事情を考慮すると,ホームページに謝罪文等を掲載する必要があるとまでは認められない。
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