【控訴審】学生2人へのセクハラ、アカハラに対する停職処分が高裁で認められた例(平成27年3月4日東京高裁)
概要
被告(控訴人)に初等教育学科教授として雇用されていた原告(被控訴人)が、女子学生2名に対するセクハラ、アカハラ等を理由に被告からされた停職1か月の懲戒処分が無効であると主張して、被告に対し、本件処分が無効であることの確認、停職期間中の未払賃金及び遅延損害金の支払を求めるとともに、本件処分等により名誉を毀損されたとして、不法行為に基づき慰謝料及び遅延損害金の支払並びに被告のホームページへの謝罪文等の掲載を求めた事案の控訴審。
結論
取消
判旨
2人の学生に対し,それぞれ体調不良中の下校を認めず家庭訪問なしには単位認定しないこと,または不正確に欠席日数を算定したうえでデートをしなければ単位認定をしないとした行為等は,アカハラまたはセクハラ行為に該当するといえるところ,これら行為が就業規則のハラスメント防止行為規定に抵触し同規則所定の懲戒事由に該当するため1か月の停職処分とされたことは,2人の学生が精神的苦痛を被り,心理的に本件科目の授業に出られなくなるなどの被害が生じていることや,当該行為以前にも大学からすでに生徒への対応について厳重注意を受けていたことからすれば,当該処分が社会通念上相当性を欠くものとは認められず,処分に裁量権の逸脱,濫用があったとはいえない。
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