自衛官に対する懲戒処分に違法性はないとされた例（平成26年9月11日東京地裁）

概要

防衛省陸上自衛隊1等陸尉である原告が、霞ヶ浦駐屯地業務隊長から停職6日間の懲戒処分を受けたものの、原告は、同懲戒処分に違法があるとして同懲戒処分の取消しを求めるとともに、同懲戒処分が違法であること及び同懲戒処分の前後において防衛省職員による違法な公権力の行使があったことを理由として、国家賠償法1条1項に基づき、被告に対し、慰謝料等の支払を求めた。

結論

棄却

判旨

国が，自衛官の無断押印行為を本件別表「1　職務に関する違反」の「（2）上官等に対する反抗不服従等」ウの「重大な場合・・重処分（減給を除く。）」に該当すると判断したことについて，国の事実誤認ないし事実に対する評価の誤りは認められず，また，国が停職の重処分の下限である「停職6日」が相当であると判断したことについても，自衛官の無断押印行為の悪質性にかんがみれば，裁量権の濫用，逸脱があるとは認められないから，本件処分は適法であり、また本件処分の前後に行われたと自衛官が主張する総務課長のパワハラ行為や募集課長の人格攻撃等の行為，また，違法な配転命令等について，いずれも自衛官主張の事実を認めることができず，国家賠償法1条1項の違法な公権力の行使とは認められない。