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yuyashiokawa
【第1審】パワハラ・セクハラを理由した損害賠償請求が否定された事例(令和2年4月15日徳島地裁)
概要
刑務所職員である原告が、
(1)高松刑務所処遇部処遇部門に勤務していた際に同僚の職員及び上司からパワハラやセクハラを受けた
(2)被告国は原告がこれらの事実を申告したにもかかわらず原告の心情に配慮した適切な措置を採らなかった
(3)被告は原告の公務災害認定請求に対する判断を不当に遅延した
などと主張して、被告に対し、上記(1)及び(3)につき、国家賠償法1条1項に基づき、上記(2)につき、国家賠償法1条1項又は債務不履行に基づき、損害及び遅延損害金の支払を求めた。
結論
棄却
要旨
原告が主張するパワハラ行為及びセクハラ行為を理由とする国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求のうち、慰謝料請求にかかる部分については、消滅時効期間が進行し、3年を経過した時点において消滅時効期間が経過したものと解するのが相当であり、また原告のいう上記と異なるパワハラ行為についても、原告に対する本件配置換え等については、社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を逸脱もしくは濫用した違法なものとは認められないから、国家賠償法1条1項に基づく請求又は被告の職場環境調整義務違反に基づく請求は、その余について判断するまでもなく、いずれも理由がなく、また公務災害の認定請求に対する判断の遅延を理由とする原告の同法上の請求にも理由がないなどとして、原告の請求をいずれも棄却した。