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令和4年7月版、厚生労働省職業安定局から出されている職業紹介事業の業務運営要領によれば、職業紹介責任者の要件は以下のとおり。

職業紹介責任者に関する要件
職業紹介責任者は、次のいずれにも該当し、欠格事由に該当せず、また業務を適正に遂行する能力を有する者であること。
イ 法第32条の14の規定により、未成年者ではなく、法第32条第1号、第2号及び第4号から第9号までに掲げる欠格事由のいずれにも該当しないこと。
ロ (1)のロからリのいずれにも該当すること。
ハ 次のいずれにも該当し、労働関係法令に関する知識及び職業紹介事業に関連する経験を有する者であること。
  (イ)職業安定法施行規則第24条の6第2項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が
    定める講習を定める告示(平成29年厚生労働省告示第233号)第2項に定め
    る職業紹介責任者講習を修了(許可の場合は申請の受理の日、許可の有効
    期間の更新の場合は許可の有効期間が満了する日の前5年以内の修了に限
    る。)した者であること。
  (ロ) 民法第4条に規定する成年に達した後3年以上の職業経験を有する者であ
    ること。
  (ハ) 精神の機能の障害により職業紹介責任者の業務を適正に行うに当たって必
    要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者でないこと。

令和4年7月版職業紹介事業の業務運営要領

ロ (1)のロからリのいずれにも該当すること。
をうけて、

ロ 貸金業法(昭和58年法律第32号)第2条第1項に規定する貸金業を営む者にあっては同法第3条の登録、質屋営業法(昭和25年法律第158号)第1条に規定する質屋営業を営む者にあっては同法第2条の許可を、それぞれ受け、適正に業務を運営している者であること。 ハ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。以下「風営適正化法」という。)第2条第1項に規定する風俗営業、同条第5項に規定する性風俗関連 特殊営業、同条第13項に規定する接客業務受託営業その他職業紹介事業との関係において不 適当な営業の名義人又は実質的な営業を行う者でないこと。
ニ 外国人にあっては、原則として、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以 下「入管法」という。)別表第一の一の表及び二の表並びに別表第二のいずれかの在留資格 を有する者であること。
ホ 住所及び居所が一定しないなど生活根拠が不安定な者でないこと。
ヘ 不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること。
ト 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること。
チ 虚偽の事実を告げ、若しくは不正な方法で許可申請を行った者又は許可の審査に
 必要な調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者でないこと。
リ 国外にわたる職業紹介を行う場合にあっては、相手先国の労働市場の状況及び法
 制度について把握し、並びに求人者及び求職者と的確な意思の疎通を図るに足る
 能力を有する者であ ること。

令和4年7月版職業紹介事業の業務運営要領

となっている。

ここで、在留外国人を紹介責任者にするための要件の1つとして、
ニ 外国人にあっては、原則として、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以 下「入管法」という。)別表第一の一の表及び二の表並びに別表第二のいずれかの在留資格 を有する者であること。
が条件だ。

では別表第一の一の表及び二の表並びに別表第二とは、どの在留資格になるのか?
確認してみる。

左側の入管法
(●)別表第1の1「外交〜報道」
(●)別表第1の2「高度専門職〜技能実習」

(●)右側上別表2「永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者」

(×)別表第1の5「特定活動」
(×)別表第1の3,4「文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在」


ここで気になったのが、(●)に該当する在留資格者でも紹介責任者になる要件を満たしているといえるが、別表2の身分に基づく在留資格なら争いはないが、別表1の1,2は、日本国内においてその業務を行うことによって認められた在留資格であるのに紹介責任者になることができる? これはどうなんだろうか?

大阪労働局と東京労働局管轄内の事業所(2社は別会社)からほぼ同時に類似のご依頼をいただき、それぞれの需給調整事業部に確認したところ、異なる回答がでてきた。

では、ここで改めて職業紹介責任者の役割を確認したい。

職業紹介責任者は職業紹介に関し、以下の事項について統括管理することになっています(法第32条の14)。
a 求人者又は求職者から申出を受けた苦情の処理に当たること。
b 求人者の情報(職業紹介に係るものに限る)及び求職者の個人情報の管理に関すること(指針第4参照)。
c 求人及び求職の申込みの受理、求人者及び求職者に対する助言及び指導その他有料の職業紹介事業の業務の運営及び改善に関すること。
d 職業安定機関との連絡調整に関すること。

職業紹介責任者に常勤性が求められるのも、適宜、苦情処理にあたったり、個人情報の管理や求人・求職者対応をする役割を担うためだろう。となれば、なおさら身分に基づく在留資格以外はどうなのかなと、感じてしまう。

ということで、本省に問い合わせてみた。
結論はこうだ。
要領記載のとおりでかまわない。
つまり、出入国管理及び難民認定法別表第一の一の表及び二の表並びに別表第二のいずれかの在留資格 を有する者であればよい、ということだ。





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