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廃炉用手先カメラは、宇宙用とは設計コンセプトが異なる(MGy:吸収線量)


 報道によると、廃炉用に用いられるカメラは、JAXAの協力のもとに宇宙用カメラ技術をもとに開発されたらしい。
 留意すべきは、宇宙用搭載カメラと廃炉用カメラとは放射線環境が全く異なる。
 通常、宇宙用カメラの耐放射線設計は、トータル・ドーズと呼ばれる、浴びた放射線量の総量(射線吸収量)に対して故障しないことが主要な設計要求である。
 しかし、原子炉内の燃料デブリの放出する放射線には、総放射線量(蓄積量)ともう一つ、高エネルギの放射線によるシングル・イベントが故障の原因となる可能性が大きいのである。
 砂粒に交じって、小石大の石がカメラのレンズ部を通して入って来るのである。
 これは宇宙環境にもあるが、稀な事象であるので、一時的故障を引き起こすことがある。
 このような考察ももちろんなされた上での廃炉作業であろうから、今後の作業も見守って行きたい。 

廃炉用カメラ

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