My Chemical Romance(マイ・ケミカル・ロマンス)、PUNKSPRING2023でこの曲も演ってくれたら嬉しい10選
2022年よりライブ活動を再開したMy Chemical Romance(マイ・ケミカル・ロマンス)。
再開を熱望し、駆け付けた世界中の多くのファンからセットリスト、ライブ動画がリアルタイムで共有されるのを、SNS、動画投稿サイトにて心弾ませながら見る日々を送る中、PUNKSPRING2023への出演を前に、当日に向けた自分の心の準備がてら、個人的願望としての「今のマイケミライブで定番の曲に加えてこれが見られたら嬉しい10曲」について記しました。
「さすがにHelenaやI'm not okay、welcome to the black parade、NaNaNaはやるやろ… あ、Give 'Em Hell, Kid、The Kids From Yesterdayもいつもやってるし、まぁやってくれるよな…あ、あの曲やってくれたらやばいな…」という、常日頃行っているセトリの空想の際に生じた副産物のような、とりとめのないもので大変恐縮ですが、メンバーと同じくらいの熱量でセトリの選曲に余念がない大ファンの方や、動作サイト・ストリーミングサービスでいわゆる代表曲は知っているものの、そのほかの曲についてはこれからチェックしていく、といったような方々含め、マイケミのライブ、曲についての楽しみ方の一つとして、もし、少しでも参考になるところがあれば幸いです。
1曲目:Bury Me in Black
・収録アルバム:なし(しいていえば Three Cheers for Sweet Revenge 日本盤のボーナストラック)
・再結成後 演奏された主なライブ:Corona Capital festival 2022
ジェラルドのボーカル、フランクのシャウトのどちらも原曲からさらに獰猛さが増していてひたすら荒々しくなっているため、ライブではテンションが一気に頂点まで上がること間違いなし。やるとしたらライブ序盤が予想されます。2分41秒という短い曲の中にエネルギーが凝縮されており、レア曲
キター!、と感動して我を失っているとあっという間に終わってしまうことには注意が必要かもしれません。
再結成後のライブでは、この曲を含めジェラルドが様々なボーカルエフェクターを使用して自分の声にディストーションやファズをかけたり、残響をノイズまみれにしたりするプレイが要所要所でうかがえますが、この曲でも存分に活用されており、崩壊しながら進み、破綻に向かって立ち止まることができない様を表現するのに大いに貢献しているので、今までとは違うやり方で自分の声を操る術を会得した彼のパフォーマンスにも注目したいところです。
2曲目:Headfirst For Halos
・収録アルバム:I Brought You My Bullets, You Brought Me Your Love
・再結成後 演奏された主なライブ:The Eden Project, England 2022/05/17
突き抜けるようなギターソロから始まる、どこまでも明るいトーンで展開するアップテンポな楽曲で、ツアー再開後比較的初期に演奏されたとき、あまりのサプライズぶりに度肝を抜かれたファンがSNSで狂喜乱舞する様子が記憶に残っています。
曲終盤、切実に祈るように、かつヤケクソになっているように、リフレインする ”Think happy thoughts” の一節をライブで一緒に歌うことが叶ったら、日々無理やり己を鼓舞してやり過ごしている自分が祝福されたように感じられて、耐え切れず感極まってしまうかもしれません。
余談ですが、2004年?にリリースされたというシングル盤は、amazonで見かけたとき5万円でした。現物が手に入ることはもうない気がしますが、天使が悪魔や芋虫と対峙するコミック調のかわいいイラストが描かれたジャケットはとても気に入ってるので、いつの日かストリーミングサービスにリリースされて、高画質なジャケ画像だけでも拝みたいな~、と思っています。
3曲目:This Is The Best Day Ever
・収録アルバム:I Brought You My Bullets, You Brought Me Your Love
・再結成後 演奏された主なライブ:Bridgestone Arena, Nashville 2022/08/23
一音一音ヘヴィに叩きつけるようなイントロから、はじけ飛ぶように展開するギャップがツボすぎる曲。ファンの方が投稿されたライブ映像を拝見しましたが、リズムに合わせてステップを踏み、ぴょこぴょこ跳ねるジェラルドのチアリーダー姿も印象的でした(今回の来日では、どのような出で立ちで現れるのだろうか?)。
マイキーがこの曲のベースでみせる、ごりごりとした歪で重厚な音色と、性急なハイハットのコンビネーションにゾクゾクしながら、「史上最高の日」というタイトルからはおよそ想像ができない不穏さを堪能したいですね。
4曲目:It’s Not A Fashion Statement, It’s A Deathwish
・収録アルバム:Three Cheers for Sweet Revenge
・再結成後 演奏された主なライブ: Stadium MK, England 2022/05/19
ドラマチックな展開に疾走感が相まって、コーラスワークは美しく、ギターは常にとげとげしい、アルバム Three Cheers for Sweet Revenge を象徴するような曲で、ファンの人気もリリース当初から非常に高かった記憶がありますが、近年ライブでは滅多にお目にかかれなかった激レア曲。
もしライブで見ることができた暁には、レイとフランクのギターに交互に目配せして、それぞれが微妙に違うフレーズを弾いて曲に神経症的な「ズレ」感をもたせているところからの、ユニゾンして一気に解放させる気持ちよさを味わい尽くすため、左右に目と耳をブンブン振っているうちに終わっていることが今から予想されます。
5曲目:This Is How I Disappear
・収録アルバム:The Black Parade
・再結成後 演奏された主なライブ:Outer Fields, New Zealand 2023/03/11
サマソニ2009では1曲目に演奏されたこともある(あの時は原曲以上にテンポが速く、とにかくエネルギッシュなオーラを放ち続けながら、フェスティバルのヘッドライナーが求められているスタジアムサイズのロック、とでもいうべき役割を全うしていて本当に素晴らしかった)個人的にも思い入れの強い曲です。もしやっていただけるのであれば、レイトロが鬼の形相で奏でるギターストロークに合わせて高まりながら、一瞬の刹那の後に爆発するイントロのリフにあわせて意識が飛ぶくらいのヘドバンで応えようと思っています。
ライブでは、サビの最後のフレーズ ”And live my life alone forever now” で「知るか!俺はどうせずっと独りなんだ!」と逆切れしたような歌い方になるときに、自分の中の何かが代弁されたような、何とも言えない解放感を覚えてしまいますね。
6曲目:House of Wolves
・収録アルバム:The Black Parade
・再結成後 演奏された主なライブ:Firefly Music Festival 2022
「あれ?結構やってね?」と感じる方も多いと思いますが、定番かと思いきや、最近のセトリに出てこないためやるかどうか不安になってきた、というのが選考理由です。
ライブでは、わおーん、というジェラルドの遠吠えからはじまることもあるこの曲、そこからドラムのタム回しが聞こえてきたら狼確定です(?)。
2番が終わった後のボーカルとバンドの掛け合いは必見かつ、もしこの曲の演奏順がバンドもオーディエンスも十分に温まりきったライブ中盤であれば、ヒートアップに拍車がかかって、この日有数のスリリングな瞬間がお目にかかれるのではないでしょうか。
この曲のハイライトはそこにとどまらず、曲終盤にレイトロが奏でるチョーキングを多用したギターソロにもある、と思っています。狼の群れが炎の中を猛スピードで駆け抜け眼前に迫りくるような、圧巻のプレイを幸運にも目の当たりにすることができれば、きっと次の日にはギターが弾きたい、ギターが欲しい、という気持ちにさせてくれること間違いなしかと。
7曲目:SING
・収録アルバム:Danger Days: The True Lives of the Fabulous Killjoys
・再結成後 演奏された主なライブ:Inglewood, California 2022/10/17
再結成後のツアーでは今まで書いた曲全部やる、という意気込みが感じられるセトリに大興奮しながら追いかけていましたが、なかなか演奏されなかったこの曲もついにライブでお披露目に至りました。原曲リリース後のツアーではコーラス隊を引き連れて演奏したりもしていたので、今のラインナップでは難しいだろう、とも思っていましたが、しかし!
声を挙げること、誰かのために歌うこと、というこの曲の主題を自ら体現した(※ 詳細につきましては、是非 #SingItForJapan で検索してみてください)彼らが、この曲を日本で再び演奏することをほのかに期待しつつ、今回がその時でなかったとしても、お互い長い人生、まだ機会がある、というスタンスで、これから(!)を楽しみにしていくことができれば、と思います。
8曲目:Summertime
・収録アルバム:Danger Days: The True Lives of the Fabulous Killjoys
・再結成後 演奏された主なライブ: Progresja, Poland 2022/06/09
暖かいキーボードの音色に包まれながら、淡々とやるせなさやもどかしさが昇華されていく(あるいは、どうでもよくなっていく、という側面も表現されているのかもしれないと思うと、恐ろしさも感じ、その表現力に感服してしまいます)ミディアムテンポの美メロを誇るこの曲は、他のアーティストを例えに出すことが適切かどうかはわかりませんが、The CureやNew Orderの楽曲にも感じる、「大切なものがなくなってしまうかもしれないときのあの感じ」というか、「きらきらとした雰囲気の中に居座る喪失感や不安」オーラを放っていて、聴くたびに自分の様々な記憶や感情が呼び起こされて、気持ちがあちこちにとっ散らかってしまってどうにも客観的にコメントすることができません。
”You can runaway with me,Anytime you want” というフレーズに、「逃げたければいつでもできる、やめたければいつでもできる。マイケミは本当に優しいなぁ」と自己解釈しながら頑張れていた時期もあったため、個人的な思い入れはとても強いです。もしやったらガッツポか泣くかするような気がしています。
9曲目:Boy Divison
・収録アルバム:なし(シングル集Conventional Weaponsの第1弾としてリリース)
・再結成後 演奏された主なライブ:Corona Capital festival 2022
日本でのライブは2011年02月が最新(あと少しで更新されますね!)のため、この曲をはじめ Conventional Weapons 以降にリリースされた曲はすべて初見となってしまうのですが、その中でも別格で見たい、というレベルで個人的に超好きな曲です。
ツアー再開当初は「新しい定番曲、誕生!」と喜んだのもつかの間、次第にやらないパターンのセトリが増え始めてきたこともあり、演奏する可能性は高いが決して油断はできない、という位置づけの曲だと認識しています。
見所は曲中盤の ”we got the bomb, we got the bomb (let's go!)” におけるジェラルドとフランク(そしてオーディエンス)の掛け合い、ライブ動画を拝見する限りでは、フランクのシャウトは過去最高に仕上がっているように感じており、彼の人間離れした壮絶な絶叫に頭から喰いちぎられるような感覚を、この曲で是非とも味わいたいところです。
10曲目:The World Is Ugly
・収録アルバム:なし(シングル集Conventional Weaponsの第3弾としてリリース)
・再結成後 演奏された主なライブ:Prudential Center Newark, New Jersey 2022/09/20
このバンドは落ち着いた展開の曲を書かせると、歌メロがこの上なく綺麗(一回聴けば次にはもう口ずさめるくらいキャッチーでもある)で、歌詞はどこまでもロマンチックになるところが本当に素敵です。あれだけ激しい曲が書けるだけでも唯一無二の存在なのですが…
アレンジも、奇をてらうことなく素朴なところがむしろメロディの美しさを引き立てている、いつの時代に誰がやっても通用すると思わせる名曲だと思います。
もしライブで見ることが叶えば、今にも泣き出しそうな表情で声を振り絞るジェラルドの歌いっぷりに浸りつつ、伸びやかな歌声の中に垣間見えるゆらぎに呼応するかのように、感情が揺さぶられたあとそのまま消えてなくなってしまいそうな気さえします(あれ?俺消えるのか…)。
おわりに
ツアー再開後、曲目はライブのたびに大きく変化しているため、一部の曲を除いては演奏するかしないか、の予想が全く立てられない状況にあり、そのことがインターネットを通じたファン同士の情報共有、SNSを通じた交流につながり、それぞれの場所、地域にて「自分のところに来るときはどうなっているのか?」という期待を増幅させているように見受けられます。インターネット、スマートフォン、ひいてはSNSを使っていて、こんなに健全に楽しめるのはいつ以来だったか、とさえ感じるほどでした。
私個人にとっても、再結成してほしい、という願いが叶い、2011年以来、12年ぶりの来日公演となるため、無事開催を心から願いつつ、当日はありったけの思いをぶつけるつもりでいます。
マイケミを愛する方々、そしてパンクスプリングを楽しまれる方々すべてにとって、最高の一日となりますように。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
※文中のライブ日程に関しましてはsetlist.fm( https://www.setlist.fm/ )を参照しました。
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