シェア
Mist
2017年12月14日 22:56
恋はたやすい。夢の中なら。この頃ずっと悪い夢ばかり見ていた私だが、ゆうべは特にいやな夢だった。初恋のあの娘があらわれたのだ。私は簡単にあの娘を手に入れた。それはかつてのあの娘ともどこかちがって、そうして今のあの娘ともちがう、私の思い出の中にだけいる架空の少女みたいだった。あの娘の容姿をかぶせただけの着ぐるみの少女。だから手に入れたところで私のむなしさはぬぐえなかった。私は知っていたから。恋はそん