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カクヨム レビューリスト 2023.10.03

隙間時間に読んだカクヨムの短編などへのレビューをただ貼るだけ。


花よめ物語

作者 小柴

蕾は花開く。手折れそうに見えても、陽光が射したなら。 

実直に育った令嬢が転機を経て淑女たる自己に目覚めていく様が描かれています。

ただ憧れていた人々との突然の触れ合いの中で育んできた素養を発揮する女の子は、儚げではあっても確かな芯を感じさせます。アーサー王伝説を下地とした王宮と策謀の背景が物語に厚みを与えてはいますが、その片隅にいたはずの一人の女性の物語として仕上がっています。

霧縛りの職工

花よめ物語2

作者 小柴

いざ、誇りと謀略の円卓へ。

騎士の花よめとして迎えられた淑女は、宮廷の末席へ着きます。そこには前作ではあくまでも自身から離れた背景として存在していた計略が大小様々に渦巻いています。

主人公の立ち位置が変わったため作風としては少し違う印象を持ちますが、恩人とも言える王妃の窮地に、自身を照らす騎士の死地に、出来ることをと必死になる確かな成長を遂げた姿が描かれています。

霧縛りの職工

吸わないんですか?

作者 奈名瀬

煙で測る、二人の距離。

近づけない時があるからこそ、近づく意図が際立つ事もある。

霧縛りの職工

晩夏九相

作者 十余一

残るもの、残らないもの。 

凝縮された短編の中で、ありふれた夏の一幕を通して見る語り手の一文が印象的です。

霧縛りの職工

化けて粧して万聖節

作者 十余一

大衆に紛れる死化粧。 

ハロウィンですから。女子は綺麗に着飾りたいものです。

霧縛りの職工


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