王様になれ
the pillowsの30th anniversary企画『王様になれ』を観に行ってきました。
と言っても、9/21のシネマート心斎橋での舞台挨拶付き上映回も行ったので2回目の鑑賞です。
主人公や周りの人物の取り巻く状況が近からず遠からず自分にも当てはまり、主人公の祐介くんにも、ゆかりちゃんにも感情移入できた。仕事を始めたころ、慣れてきた頃、ベテランと呼ばれる様になってきた頃、その時々の自分自身と重なる部分があった。劇中の嫌な人の嫌な部分も「あ、こんな事を言った事あるなー」となんとも言えない気持ちにもなった。
実在のミュージシャン以外は特別な力を持った特別な人は誰も出てこない。出てくるのは自分であり、隣人だ。
祐介くんがほとんどの場面で上手く物事が進まずもどかしかったり悩んだり苦しんでいる。ゆかりちゃんと一緒にいる時の楽しいんだけどもう少し近づきたい感じ。ライブを観てる時だけ笑顔で自然体な表情をしている。
まるで自分じゃないか。
自分の過去を振り返った時、ほとんどの時間でピロウズの音が近くにあった。だからどんな場面でもふさわしいピロウズの歌がある。思い出ともリンクする。アルバムを聴けばその当時の事を思い出す。西暦とか元号で言うよりピロウズのアルバムで言ってもらったほうが思い出しやすい。
もちろんピロウズしか聴いてないわけではなく、他にも大事なアーティストは少なからずいる。でもその中でピロウズが1番フィットする理由がこの映画にある気がする。
1回目に観た時は「ハイブリッドレインボウ」が流れるシーンで1番グッと来た。2回目の今回は「この世の果てまで」が流れるシーンが1番グッときたポイントだった。
この映画の企画が発表されてすごく楽しみにしていた。3月に行われたクラブチッタ川崎での撮影にエキストラで参加した。架空の30周のアコースティックイベントの客席に映ってた(自分でしかわからない程度にぼやけていたけど・・・)なにしろ参加できた事はいい思い出だ。
よく「ピロウズファンにも観て欲しい」「誰にでも当てはまる映画」と言われているが、正直あまりピンと来ない。ピロウズに出会うのが必然なら、この映画に出会うのも必然だからだ。ピロウズじゃない出演アーティストのファンの人がこの映画を観てピロウズに出会ったのなら、その人なりの距離感でピロウズの音楽を受け止めればいいと思う。
昔、怒髪天の増子さんが「ピロウズを好きになると言う事は山中さわおを好きになると言う事だ」と言っていたが、まさにその通りだと思う。