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#49 【実話】大学卒業後、就職浪人から公務員試験を突破した話

今日も記事をご覧の皆さん、ご愛読ありがとうございます。

今回は公務員試験経験に関する記事となります。

僕が公務員を志したきっかけは、東日本大震災でした。

それまでの公務員のイメージは、

安定・定時上がり・高い人気の3点セット。

大学の友人も公務員志望が多かったです。

僕は僕で大学卒業後の進路を考えていたのですが、

・単位数がギリギリで、余裕のある就職活動ができない。
・就職活動をしてまで働く企業を見つけたいと思わない。
・自分の将来を考える時間が足りない。
・アルバイト(塾講師)が忙しい。

等々の気持ちを抱えており、両親と相談した結果、就職浪人しても良いとの結論に至りました。

卒業式を数日後に控えた2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。

未曾有の災害に見舞われ、本来行われるはずの大学の卒業式も中止となり、

これから日本はどうなるのだろうと不安な気持ちを抱いたことを今でもよく覚えています。

そんな中、テレビ中継で被災地の様子が映し出されます。

そこに映っていたのは、

救援活動を必死に行なっている自治体職員の姿でした。

“これが市役所職員の実態か。困った人を助ける素晴らしい仕事じゃないか。”

と僕のイメージは一変しました。

当面の目標を公務員試験の合格に定めた訳ですが、

実際の生活はというと、

・アルバイト(塾講師)で新たに受け持つことになったクラスの面倒を見ることで手一杯
・特に予備校に通う金もなくフラフラする。
・カフェに行ってのんびり本を読み、授業の準備をする生活が楽しすぎる。

とまあこんな感じでした。

当初の予定でも就職浪人は2年間と定めていたので、浪人1年目は刺激的すぎる大学4年間とアルバイトを両立していたストレスから解放されたい気持ちの方が強かったです。

とにかく体も気持ちも楽になりたかった。

そう思っていた日々が続きます。

ところがふと気が付きます。

“本当にこのままで良いのだろうか。自分は公務員試験を受験する立場の人間だ。このままで本当に合格できるのか。”

浪人1年目の冬でした。

そして抱いた不安な気持ちは日増しに強くなっていきます。

一つの結論を出しました。

“アルバイトを辞めて、受験勉強に専念しよう。”

そう思い、勤務先の社員さん(ここでは校長先生とします。)に相談を持ちかけました。

すると、

『あまりにも突然のことで非常にびっくりした。みそのさんがそんな気持ちを抱えていたのに、全く気が付けずに本当に申し訳なかった。僕もみそのさんに頼り過ぎていた部分があったし、これからはみそのさんの人生のためにもできることを協力するよ。だから、結果が出るまで共に頑張ろう。』

僕の心は決まりました。

これからはアルバイトと受験勉強を両立する。必ず、校長先生の気持ちに応える結果を出して見せる。

そう思い、公務員試験の通信教材を申し込み、準備は整いました。

さあ、あとは必死にやるのみです。

まずは出願する自治体の選定です。

地方公務員の試験は大きくA日程(初夏)、B日程(真夏)、C日程(初秋)と3つの日程があります。

まずはA日程の試験を申し込み、その結果次第で次の試験をどうするか検討することとしました。

A日程は概ね地方都市の人気自治体で、高倍率が必至です。なのでほぼほぼ記念受験と位置付けていました。

続いて職種です。

私立文系大学卒業の僕は基本的には一般行政職となりますが、大学で社会福祉学を専攻していたこともあり、福祉職で受験をすることとしました。

A日程は例年6月第4週の日曜日。

試験勉強は春先からコツコツ続けていたので、5月の連休で一気に仕上げようと試みます。

連日カフェに篭り、1日最低6時間は勉強していました。

公務員試験の出題範囲は多岐に及ぶため、本当に色々なことを学び、試験問題に挑戦していた人生最後の時だったと思います。

公務員試験の筆記試験は大体6割から7割程度の点数が求められます。

僕は一つの仮説を立てます。

『ほぼほぼ文系の人が受験するだろうから、数的処理はできない人も多いだろう。本番は解けそうな問題に集中して、捨て問を作るのもありだな。』

迎えたA日程の筆記試験。

結果はパスでした。

『おおお!!』

と声にならない叫び。

しかしそこからが大変でした。試験勉強に明け暮れていた結果、面接対策がおろそかになっていたのです。

面接の結果は当然のごとく不合格。

この瞬間から次の出願先の候補を検討します。

日程的に余裕があったのは、C日程(初秋)でした。

C日程は地元自治体の募集があり、出願先を地元か地元外でどうするか悩みます。

結論は地元外の自治体を受験することとしました。

理由は、実家と地元を離れて自立した生活を送りたいと考えていたことが決め手でした。

その一方で親元を離れる寂しさも全くない訳ではありませんでした。

だけどそれ以上に、自分の将来に向けた希望的観測が、僕の心を突き動かしていました。

まだ見ぬ世界をこの目で見てみたい。

そんな気持ちでした。

筆記試験を突破したのち、

二次試験でグループディスカッション・作文・面接試験をこなし、一通りの試験行程は終わりました。

あとは結果を待つのみです。

面接から1ヶ月経過しても通知はなかなかやって来ません。

『これはダメかもな。次の目標を立て直しする必要があるかもしれない。』

そう思い、地元の本屋へ向かい資格試験の本を手にして帰宅したところ、

母が『郵便が届いているよ』と嬉しそうに封筒を持ってきました。

封筒の厚さから数枚書類が入ってそうな気配を感じます。

家族みんなが見守る中、開封したところ、

結果は合格でした。

僕の家族や友達、周りで支えてくれた全ての人たちに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

たかだか一つの試験ですが、自分を信じて努力を重ねて結果を出せたことは、

その後の人生に大きな自信になっています。

一つ残念なことといえば、公務員として良い仕事を果たせたかどうかは疑問符がつくことです。

ですが、目標に向かって努力して達成できたことについては何にも代え難い貴重な経験になりました。

あの時僕が下した決断は決して間違いではなかった。

その後の人生で証明していくつもりです。

地方公務員の生活は決して楽ではありませんが、誇りと責任を持って務めることができる仕事です。

これから公務員になりたい人にとって、もしくは逆境から挑戦をしたい人にとって今回の記事が役に立つことを祈っています。

それではまた。

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