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感想書き散らかし:「マックイーン:モードの反逆児」
マックイーン:モードの反逆児
アマプラで観ましたのです。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07W3Q6H5G/ref=atv_dp_share_cu_r
リー・アレキサンダー・マックイーン。
リーさんっていうの知らなかった。同僚や友人はみんな、リーと呼んでたね。
自殺を肯定するような言い方なので誤解されたくないのだけど、あれほど自分の中に表現したいものがあって、表現し続けた人っていうのは、作品=自分自身であって、だから人生から「引退」せざるを得なかったのかなと思った。
直接的には多忙な日々やショーへの期待によるプレッシャーが原因だったのだろうけど。
命と才能がトレードオフなんて、そんな単純な話じゃない(と思いたい。じゃないと平凡なわたしは何百年生きることになるんだ)けど。
自分の中のものを出し切ったら、さらにタイミング悪く些細なきっかけがあったら、引退してしまうのかなって。
自殺はイヤです。どんな形でも人がいなくなるのはつらいもの、それを自らというのは残る人に深い傷を与えると思うので。わたしは。
彼が表現し続けたのは自身の中にある、世界への怒り。そしてその怒りを纏ってランウェイを歩く(歩くどころじゃないよね、自由に動かして表現させていた。こんなことある??)モデルにはものすごい強さを感じる。優雅なピースでさえも、どこか「は?なに?で?」的な反骨精神を感じる。だけどエレガンスもあるのはジバンシイにいた経験が生きているのかな。モデルさんが「マックイーンの服を着ると、女性らしい気持ちと『ナメんなよ』って気持ちになる」と笑っていた。着る人がそう感じるなら間違いないな。女性らしさと怒りを纏わせることで女性を守りたいというリーの気持ち、伝わっている。両方を纏った女性の強さと美しさはとんでもなかった。
スカルのモチーフは、最後のショーの招待状に用いられたそうで、つまり彼の作品(=人生)の最後を表していたのかな。これだけのものを作ってきた僕の本質はこれだ、とか、人間はここに還るんだよ、とか。
ところで英国のキャサリン妃はロイヤルウエディングのドレスや先日のチャールズ国王の戴冠式でのガウンにも、マックイーンのものを選んで身につけられたということ。英国のブランドだからということと共に、彼女も国を導く者としてエレガンスと強さを纏いたかったのかな、と思ったのでした。どちらもとっても素敵だった…!!