母、さいごの梅味噌。
梅の時期も終わりに近づいたころ、梅味噌を仕込みました。
病院で寝たきりの母が元気だったころ、いつ仕込んだものか分からない梅味噌が冷蔵庫の奥にしまってあったことをふと思い出して。
シワがれた梅が浮かび、サラサラの液体となったまま放置されていた梅味噌。長いこと心のカゼを患っていた母は容体が少しずつ悪化し、薬の副作用が原因で入退院を繰り返すようになり、ついには寝たきりに。慣れない介護で余裕もないまま、味噌梅の存在をすっかり忘れていました。
「まだ食べられるのかなぁ?」と、恐るおそる味見をしてみると、特に傷んだ様子もなし。すっかり年季の入ったヴィンテージものの梅味噌を使った大根の和えものが、もう二度と口にできない母の最後の味かと思うと、なかなか口に運べませんでした。
スーパーで購入した梅はすでに赤みがかった実もあったものの、彼らをレスキューできた気分。
ヘソの部分を竹串で落とし、ささっと水洗いしてひなたぼっこ中です。
キッチンペーパーで水気を拭き取り
・梅
・味噌(ダシ入りじゃない)
・サトウキビ糖(グラニュー糖でも三温糖でも好みでOK)
の順に2、3回重ねて出来上がり。
ネットで調べたところ、割合は1:1:1とか色々ありましたが、私は梅1:味噌1:サトウキビ糖0.6 のヘルシー仕様に。
1、2週間ほど経って液状になってきたら全体をかき混ぜ、さらに1ヶ月ほどしたら完成予定。我が家の梅はそのまま漬かっていたけど、ネットで調べてみると、梅の種を取り出しミキサーで細かくして味噌に混ぜる。とあるレシピが応用効きそうなので、そのやり方でいこうかと。
右が仕込んだ梅味噌、左は1か月前に仕込んだ梅酢。
料理好きな母は保存瓶をいくつも持っていましたが、寝たきりとなった母のために父が用意した平屋へ引っ越す際、部屋数も半分以下になるので、この2つの瓶以外は処分してしまいました。
今更だけど、母の味を受け継いでおけばよかった。
「まだまだ私が作れるから大丈夫よ」と台所で見せてくれた母の笑顔が、昨日のように浮かんできます。