「負動産の窓口」で土地を手放せた話 その2~希望者現る~
猛暑の中根性で動画を撮影してきました。この日はその後温泉へ。
宿で見返したらまあへたっぴだけど、字幕とか入れればどうにかなりそうでした。どうにかならなくてももう一度行くのは嫌なのでこれでなんとかしようと決意します。
無料の動画編集アプリをダウンロードしてスマホでぽちぽちと分からないままに文字を入れてみました。温泉、食事、寝る、のはずが、合間に「動画」が入ることになってしまいましたが、こんなもんか…という体裁のものが一応出来上がりました。
動画を撮る数日前、お手紙作戦がだめだったので近くの大きな団地にお手紙いれさせてもらって家庭菜園したい人を探せないかなあとか、周辺の工務店みたいな会社が資材置き場に使ってくれないかな、連絡してもらってみようかな、などと今思えば無駄な会話を姉としました。
LINEで動画を先生に送ったところ、なぜか絶賛に近いお褒めの言葉をいただき「これが…?」という気分に。嬉しさのあまりありがとうスタンプを送ってしまいましたが、弁護士事務所とスタンプでやり取りする、これが令和なのだと思いなおしました。
しかし電柱の住所表記が見え、あまりにも具体的な情報が入りすぎているとの荒井先生のご指摘もありました。見学希望の人は本人確認をしてもらうので、そういう人だけに見せるつもりだったのですが、確かに掲示板に載せないと訴求効果は薄そう。しかし載せるにはちょっと詳しすぎる。というかこういうご指摘してもらわないと、うっかりした動画を出してしまいそうなのでやっぱり依頼してよかったです(繰り返し)
ということでまた編集アプリを駆使して、私道から入るところからスタートし、途中をカットした短いバージョンを作ってそれをまずは掲示板に載せてもらう相談をしました。
YouTube動画初心者、みたいなところで少し勉強したところサムネイル画像があるといいねと書いてあり、あー、あの、静止画の表紙みたいなやつか…と思い、どこを切りとるか悩みましたが私道入り口にしました。土地自体はあまりにも草が生えてて、となりのお芋のツルがびにょーんってのびていてあまり見栄えがよろしくなかったのです。何十年も放っておいてこうなったら見栄えがどうとかって、まあほんとに人って勝手だな…と我ながら思いました。
ちなみにマイクのおかげか、蝉の大合唱にも負けず音声はわりとちゃんと入っていました。やっぱり道具、大事。
このやり取りをしているのとほぼ同時に、動画をアップする直前の7月29日、初めてのお問合せが!30日の朝に敏腕松岡さんから「お問い合わせがありました」という連絡がありました。希望者を募っているはずなのに、希望者が現れた、ということにものすごく驚いてしまい「嬉しいです」よりも「びっくり!」なんて返事を松岡さんにしていました。
同じ県内だけれど少し距離のあるご自宅から車で来て家庭菜園をしたいとのこと。見学もご希望だったので、あっついけどよければどうぞとお知らせし、2日に見学に行きますとのお返事でした。おお、すぐ見に行ってくれるのね、と感激しました。
お問い合わせがあると専用のスプレッドシートが共有され、お問い合わせがくるたびにここに追加されていくとのこと。ちょっとわくわくしてこの頃は毎朝スプレッドシートを覗いていました。
作り直した動画のチェックをしてもらい、7月31日にショート動画を掲示板に掲載してもらいました。詳細版は見学希望者に見せ、それを参考に現地まで自力で行ってもらいます。
こんな経験滅多にないので、特段土地など欲しくないだろう友人にも動画を見てもらいました。「初めてにしては案外いい出来じゃない?」なんて言ってもらって、暑い中行った成果を実感しました。それから「荒れてるって言ってたけど、あんまりそんな風に見えない」という感想も。ごみがありますというのも撮影して説明はしましたが、あまりしっかりデメリットを言えなかったかもしれない…ので、本当に面談まで進んだ時には正直に言わねばならないポイントだな、と心に刻みました。
2024年8月になりました。暑さのために亡くなる人がいる中、実家近所の老人たちが次々と体調を崩していきます。あの人もあの人も入院しちゃって、と母から聞くたびに恐ろしくなりました。実家の草むしりに来てくれてありとあらゆるものを抜いてしまうおばあさんがいたのですが、そのおばあさんもついに暑さに負けたのか全く姿を現さなくなりました。
そんな中、3日に叔母の老人ホーム入居契約が無事完了。姉が保証人で私は第二の緊急連絡先という程度の身分ですが、持ち物などの説明は一緒に聞いた方がよかろうということで参加しました。叔母には「よく見ておくのよ」と言われましたが、多分私が叔母の年齢まで生きたとして、今のような介護サービスが存在するとは到底思えず生返事。
見学の時聞いていた必要な物品以外にも用意するものがある、と判明。1時間以上かかった契約のあと叔母を自宅に送り届け、姉と二人で小さなニトリにいき、物の大きさを見ながらその場でネット注文。ゴミ箱、洗濯かご2個、小さめのハンガーラック、トイレスリッパなどなど、案外こまごまと用意するものがありました。入居日は11日に決まりましたが、私はその日は旅行に出てしまっているので申し訳なく、物の手配だけはなんとか協力したいと思い、100均ショップで便利グッズを買ったり、卓上カレンダーを追加して荷物を作り、ホームへ発送したりしました。しかし一番大変なのはやはり当日なので、姉には申し訳なかったです。
ホームあれこれの前日、2日に1人目の希望者、①様が見学に行ってくれました。いや暑かったでしょうに。行ったよ、の証拠と場所を大きく間違えていないかどうかの確認のために、希望者は写真や動画を負動産の窓口に送ることになっているようでその画像もLINEで送られてきました。うんうん、このあたり。なんせ境界が分からないのでアレですけど、おおむね私の認識と間違いないよ~。よかった~たどり着けたんですね。
野菜を作りたいそうで、周辺の方の野菜の出来がよかったので気に入って下さった様子。えっ1人目で決まるのかな!そんなことってあるのかな!と本当にびっくり。荒井先生立ち合いのもと、Zoom面談に進むことになりました。今度は希望者、荒井先生、こちら2人の予定を合わせるので大変ですが、そこは敏腕松岡さんがしゃしゃっと調整してくれて、6日の夜にやりましょう!と決まりました。これ自分で調整するのメンドクサイから、やっぱり頼んでよかったです。安くはないが、頼む価値はこういうところの作業も頼めるところなんだよな、なんて思ったりしました。
私は6日から毎年恒例の長々夏休み旅行でしたが、この日の夜はビジネスホテル泊。旅館のように18時から食事です~と言われることもないのでどうにでもなります。19時からのZoomがセットされ、家人に「この日は夕飯を早く済ませたい」旨を主張しておきました。でも旅行中でもこの用件が進むのがすごく嬉しいです。
母には希望者がいたよ!畑やりたいんだって!と言うと「えーー!」と両手を震わせて驚いていました。面談はもう暑くて(といってもエアコンのきいた部屋にいるけれど)夏バテしてて変な話しちゃうといけないから私は出ない、先生によろしく、と言っていました。母も本当に驚いたようですが、野菜いいのが出来るから畑になったらいいね、と嬉しそうでした。
6日、家人が「ホテルのそばにあるこの地元料理の店に行くんだ!」と張り切っていましたがなんと臨時休業~。旅先でスシローの夕飯となり、ま、これはこれで早く食べられるからいいやってことで早々にホテルに戻りました。日本、どこにいても暑い。家人が映りこまない角度を探してスマホをセットし、待機。ここでふと気づきました。
荒井先生、事前に「こんなことに注意してね」みたいなことは私たちには言ってこないんだな…、まさに生のリアクションを見ましょうってことなのかな…と。どんなふうに話が進むのか全然分からないまま、時間になって初めまして~でスタート。
最初に先生から、今日は失礼なことも伺うと思うのですが私は依頼を受けてそのためにおりますので、みたいな説明が希望者の方に向けてありました。
そのあとは先生が希望者に見学していかがでしたか?とか、畑にするには道具とか経験もいると思いますがいかがですかとか、車で来ますか、どれくらい時間かかりますか?あんまり通えない距離でまた放置になってもねえ、って言う感じでほんとに根掘り葉掘り聞いてくれました。
①様がガラスの破片みたいなゴミもありましたけど、片付けられると思いますとおっしゃっていました。私は小さいドラム缶みたいなのが気になっていたのですが、ガラスは気づかなかったので、え…マジ…?案外ゴミあるのかも…と若干不安になりました。
私と姉は希望者がいる!ということで舞い上がってしまいありがとーございますを繰り返してしまったのですが、途中で先生がまあまだほかに希望者もいらっしゃるので決まりってことではないんですが、希望者様の方でもよくよく考えていただいて、また見学に行かれてもいいですし、と冷静さを取り戻させてくれました。
3者面談のあと、荒井先生と我々だけで感想を語り合います。私たちが気づかなかった相手の様子なども先生が見てくれていて「まあ、でも畑はやってくれそうだから話を進めていきましょうか。だめならまだほかに希望者もでてきていますし」と今までになく明るい感じでこの日は終了しました。
実はこの面談があった6日までに、8月1日に1人、5日に1人と連絡してきた方がいたのでちょっと気持ちに余裕が出てきていました。①様からはこのあと税金についての問い合わせがあったりしたのですが、それと同時進行で見学に行く方もいらして、その結果ちょっとゴミが多くて大変そうと断られるということもありました。見学した人が「ガラスが」とおっしゃっていたので、私が見たくないものを見なかっただけで、いろいろゴミはある土地のようです。がーん。そういえば不法投棄は犯罪ですっていう警察の看板も雑木林付近にあったから、捨てやすいところとして目をつけられているのかも。
また、最初の問い合わせ後にさらなる補足情報を負動産の窓口から求めてもお返事がはっきりしない人もいるのか、その後見学まで至らない方ももちろんいました。
4人目の方は自宅のすぐご近所で見学に行ってくれたのですが、ゴミが多くて自力で片付けて畑にするのは無理そうとのことでした。ただこの方は8月終わりになってからもう一度見に行って家に近いのがやっぱりよかった、再度検討したい、という連絡をしてきてくれました。
荒井先生が冷やかしもありますのでね~とおっしゃっていたように、そんな感じの問い合わせもあったので、これを個人で対応するなんてちょっと想像したくないです…。
さて案外希望者が次々と登場してくる中、希望者①様は面談で話した結果やはり取得希望というありがたい話でした。面談までの間に見学希望の方もいたのでその方たちのお返事を待って、①様との交渉を進めるということになりました。
しかしどの見学者も「ごみが…」とおっしゃり、うーん、かなり不法投棄された感じが否めないです。この先これがどう影響するか心配になってきました。