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相続土地国庫帰属制度で土地を手放したかった話 その6

 前回の記事を書いてから、半年経ちました~。あんなに暑かったのにもう寒い寒いと言う季節です。
 こちらが手放せた土地になります…と料理番組のように差し替えられたら面白いのですが、な、なーんと11月、使って下さる方に土地を譲渡することできたのです!持ち主が変わった登記を見たときの喜びと安堵たるや…。とても幸運だったと思います。

 結局、「負動産の窓口」弁護士の荒井達也先生にお願いして、掲示板でほしい人を募ってもらって引き取ってくれる方を見つけることができました。と、この1行にものすごいいろんなことがみっちり詰まっているのですが、リアルタイムでいろいろ書いてしまうと交渉に支障がでるかなあとか先生に迷惑がかかるかもしれないなあとか思って、書くのを止めていました。
 先日「成功者インタビュー」というのを受けたときに先生に明かされて困るほどの手の内はないので、と言っていただいたので記憶をたどって続きを書くことにしました。ただやっぱり鮮度はおちてしまうし記憶違いのところは出てきてしまいそうですが、「あーあの土地どーにもならないんだよねえ」と絶望している人を少しでも励ますことができたら幸いです。

 インタビューの時に先生に負動産の窓口をもっと広めるにはどうしたらよいでしょうねえ、と聞かれ、くだらないアイディアしかでなかったんですが「負動産」が流行語大賞を取るような存在になれたらいいですよねえ。

 「私のいらない負動産は、きっと誰かの富動産(ただし格安に限る)」
なんちて。→なんか気に入ったのでマガジンタイトルにしました。

  2024年5月終わりに荒井先生とZoomで初回相談をしたとき「負動産については今後も相談は無料ですので予約取っていただければいつでもどうぞ」と言われてびっくりしました。次回からお金かかると思ってた~。誰もが気軽に相談できて、この社会問題を解決に向かわせることができたら、という先生の考えがこれに現れている気がしました。
 6月の始めに母初めてのZoom。なにかご質問ありますか?に対して「ワタクシからは…ありません!」と力強く答える母。あ、そう。
 もし松コース、10年保証をお願いしたとしてその間に先生になにかあったら、と伺うとそのときはその分をお返しするという形かなと思いますとのこと。なるほど。不慮の事態になったらそうするしかないか。そうならないことを祈るだけです。

  このあたりから依頼者用の個別LINEがスタート。姉も入ってグループLINEで弁護士先生とやり取り…摩訶不思議な気がしますがこれが令和なんだな…と昭和生まれの姉妹、世代間ギャップを感じます。
 でもLINEの方が話が早かったり、ファイルや画像の共有も簡単だったりするので理にかなっています。ここからの流出を気にする人には多分メールとかでやってくれそうですが、流出どころか全世界どなたでも引き取ってくれる人がいたらありがたいという気持ちなので、LINEで突き進むことになりました。
 
 この頃、クーリングオフ体験記で書いた、叔母の「屋根が~」の事件が発生しています。土地を手放す一大プロジェクトが始まるというのに。忙しいなあ。
https://note.com/mission1000/n/nd1bb60228dab
 
 荒井先生からは契約申込書の案が来まして、姉と見たところ私道部分が明記されていなかったのでそれを入れてほしいとか、姉を代理人にしてほしいとか、こまごましたところをお願いしました。修正には快く応じてくださり、契約申込書が完成。母に送付してもらい、届く頃先生から母に電話で本人確認となりました。
 実家では固定電話に電話帳登録していないものには出ないことにしているので、先回りして先生の番号を登録という作業もありましたが、無事母と先生の電話がつながりました。ハンコを押した申込書返送とほぼ同時に今後の進め方の相談のために無料相談を申し込んでくださいと連絡が。これが6月19日でした。写真を撮りにいったのが5月19日だったのでここまで1ヵ月。

 無料相談、この頃はまだ選択肢がわりとありましたがどんどん荒井先生が忙しくなって仕事が終わった後の時間帯が取りづらくなっていきました。まず先生の空きを見て、そこに我々が合わせて行くという形で素早く予約していくテクニックを最終的に身につけました(笑)テレワークの日の昼休み、ちょっと早退して17時くらいから、あるいは帰ってから19時スタートなどいろんな時間帯でZoomで打ち合わせをしました。
 
 6月21日にZoom。周辺はどんな感じだったか、連絡が取れそうな感じかなど聞かれました。畑をやっているところもあったので、もしかしたら連絡とれるかも、ということでまずは周辺の持ち主にお手紙を出してもらうことになりました。登記簿の住所に送るので、住所変更をちゃんとしていないと届きそうにないですが、まずはここから。

 打ち合わせ後、地図に「畑になっていたところ」をマーカーした画像を急ぎ作り、LINEで共有。その部分を含め、うちの前の通路に接しているところすべて、ひろーくお手紙を出すことになりました。

当たって砕けろ精神でいっぱい発送してもらいました
ちなみに407は野性味あふれる雑木林となっております

 このあたり、敏腕松岡さんが素早いお返事を下さって安心です。先生の多忙さに「この人倒れないだろうか」と思っていましたが、敏腕が登場して信頼度が増しました。
 お手紙の内容は
・先生の簡単な自己紹介、事務所紹介
・所有者が処分したいと思っていること
・(できないけど)国庫帰属制度を考えていること
・取得希望者がいれば無償譲渡をしようとしていること
・調査のため土地への立ち入りで人が来ること
・もしご希望なら先着順でお譲りします
というものでした。

 これを6月24日ごろ出してもらいました。お返事がきてほしいような、でも放置していたことを文句言われたらいやだなと言う気持ちとごちゃまぜでしたがとにかく待つ!
 
 と、同時に叔母の老人ホームプロジェクト、まずはカタログ請求からスタート。「みんなの介護」サイトで叔母の自宅付近のホームを選びました。本人に言う前にこっちが知識を入れておかねば。本人はそんな気はさらさらないので、説得前の準備にも時間をかけることになりました…。

 そういえば、家人が不動産会社勤務です。何か役に立つことを知っていないかと思い、こういう土地ってさあ…と聞いてみても「売れるところしかやらない」ので負動産にはなんの役にも…いや運転手やって現地に連れて行ってくれたのでその点は大変助かりました。
 もし周辺の不動産屋さんに売りたいって頼んだらどうなる?と聞いてみたら
・これは売れませんよ~欲しいって人を連れて来てくれたら仲介します→ましな方
・そうですか、では広告出しましょう。毎月いくらかかります→カモへの第一歩
・売るにはきれいにしたほうがいいですよ、ついては1㎡1万円で…→カモへの第二歩
・境界はっきりさせないと売れないですよ、測量しましょう、ついてはウン十万です→カモへの第三歩
と言われました。そらそうだ…。
 父が亡くなるちょっと前に「F市とT市、好きにしていいか」とかるーく聞いたら「あなたのご主人に頼み、売れたら売ってもいい」と言ったことを思い出しました。「売れたら」ということは売れないだろうなあと思うような土地に既になっちゃってたんですね。それ以上具体的な話はもうできなかったんでした。ということで売却は最初から選択肢にありませんでした。そういうカモにはなりたくないですので…。まだ成功報酬をうたっている先生のカモになったほうがマシだ、と思ったりしました。

 荒井先生のやっていることは不動産業界にいるものとしてはどう思う?と尋ねると「えーそんなの、お金にならないでしょう~」との答え。「他に訴訟とかやってたらそれで利益でるのかもしんないけど、詐欺じゃないならやっぱり弁護士としての社会的使命を持ってやっているってことじゃないかなあ」でした。詐欺…。クーリングオフやったばかりなのでどきっとしましたが、弁護士登録があるか調べたし、事務所も姉のだんなさんに見に行ってもらったり、姉が事務所のあるマンションの管理会社に電話して「荒井先生には事務所として借りていただいてます」という確認もしてくれたので、社会的使命を持ってやっている、奇特な弁護士という結論に達しました。これからお世話になるというのにいろいろ失礼なことをしましたが、YouTubeがどうにもこうにも昭和の人間には怪しさを増す要素になっており、自力で調べられることだけは調べました。

 ちなみに弁護士登録があるかどうかはここで調べられます。

 <追記>
 成功者インタビューやセミナーなどで荒井先生が「私は私が弁護士ってことはよく分かってるんですが、ご依頼される前に「この人ほんとに弁護士なのかな」「存在してるのかな」ってご心配される方がいて…どうしたら信じてもらえるんでしょうね」と話していました。やっていることが今までほとんど聞いたことがない内容なので、うちみたいに「ほんとなのか?」と思う人はいるようです。
 群馬県弁護士会のホームページで先生の名前を検索すると今までやったお仕事なども出てくるので見てほしい…とおっしゃっていました。今はほんとに思いがけない方法の詐欺やなりすましがあるのでけっこうな額を払うとなると心配になっちゃいますよね。依頼した私からすると、いまんとこ本物ってことで大丈夫です(すっごい失礼)


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