「負動産の窓口」で土地を手放せた話 その5~ついに名義変更完了の日が!~
Zoom相談の翌日、9月25日に早速土地贈与契約書のたたき台が荒井先生から送られてきました。同時にこの契約書の内容を説明する動画も来たので、お勉強することになります。
がんばれ、(多分)もうちょっとだ。自らを励ます!
打ち合わせを申し込んでくださいねということで、10月3日に予約をしました。10月…、春から始めてこれが早いのか遅いのか全然分かりませんがようやくここまでこぎつけました。
この日の打ち合わせは譲渡契約書の内容の確認と「この他に想像できる、引き渡した後にこの土地で起こりうる懸念される事」を絞り出す作業でした。
「この契約書案を見せると、これ私なら絶対ハンコ押したくないですっていう依頼者さんが言うくらいの内容ですね」と荒井先生がにやにやしながらおっしゃいましたが、まさにこれにハンコ押すってどんな…何が起きてもこっちは責任とりませんよって書いてあるので、ご自分であらゆることに対処できるという自信のある人しか怖くて押せない…ような内容です。
うーん、うーん、場所分かりません、前に野菜盗まれたことがあります、などなど、そういうこともありましたがお含みおきくださいね、みたいな絞り出しをしました。これが案外面白かったです。
そういえば昔こういうことがあったと母が言っていました、というとそこから先生が「じゃこういうことを足しましょう」とひねり出していくのです。え、そういう風に書くの?という面白さがありました。
こういうものは一晩寝かせるとまたアイディアが浮かぶ、特に朝がいいと言われているので一晩寝かせてさらに絞り出してくださいとのご指示。でもよかったですよね!不動産取引にも慣れていらっしゃるし、お仕事で宅建の資格も持っていた方だし安心です、登記完了までもう少し、がんばりましょう!と明るい雰囲気で終了しました。
10月4日にもともと姉と会ってランチをすることにしていたのでこのランチタイムを利用して「絞り出し」しました。銀座の風景を見ながら、すてきなランチを食べながらやることではないような。しかしもうちょっとなのですから、ぎゅーぎゅー絞り出します。
結果、専用の駐車場がないし、通路が狭いからでっかい車が入らないよとか、お手紙を近隣の持ち主に出したけどほとんど反応なしでしたとか、雑木林があるので鳥とか虫とか来るかもしれないからよろしくね、みたいなことを付け加えてもらいました。知っていたけど言わなかったこと、というのが一番よろしくないので、知っていること、覚えている限りのことを絞り出しました。
要望がすべて含まれた契約書が出来上がり、②様にも見てもらって内容OKとなりました。あれをOKする時点でもはや豪傑としか言いようがないね…と姉と話しました。
このあと司法書士の先生からメールが姉にきて、こういう書類が必要ですが自分で揃えますか、みたいな確認がありました。自分たちでコンビニで取得できるものは自分たちで、父の生まれたときからの戸籍は今は昔より楽に取得できるようになっていましたが、これは頼もう、ということになりました。 (我が家は私道の相続登記がもれていたので同時にやることとなり、父の書類も必要でした)
司法書士からは大変丁寧な指示付きの書類が届きましたので、いざ、やるぞ!と実家に集合しました。
この書類には、荒井先生と作った土地の贈与契約書も入っていました。別に来るのかなと思ったのでやれうれしや。助かりました。
印がついているところにひたすら実印を押しまくり。私が昔やりそこねた私道の分割協議書も作成され、姉と私もそれに押捺。母は「えー、まだあるのぉ」って感じでしたが、私たちはもうこれこそ失敗しないぞ!の勢いで押しました。
発見した緑の登記識別情報通知、自分たちが取得した書類を加え、司法書士よ、あとはお願い!と契約書を返送しました。
この頃、私は実家の草むしりや長年叔母がためこんだ植木鉢などを片付ける「お片付けプロジェクト」に取り掛かっていました。たとえ住んでいたとしても放置して荒れていればT市のようにゴミが捨てられるかもしれないという恐怖が私を動かしていました。実際、コンビニの袋や割りばしがブロック塀の間から捨てられていたので、T市のごみも最初はこういう小さい物から始まったのかも…と思いました。
雑草をどうにかしないと植木屋さんも呼べないくらい荒れていたし、今までは叔母が「それは抜くな、触るな」というのでできなかった、死にかけた紫陽花や紫式部を刈り取りたい。できたら根っこも抜いて平らにして、防犯砂利を敷きたい!せっかく叔母が老人ホームに入ったんだから!だって、隣にはまだ母が住んでいるんだから!と、そんなことを考えていたら「戸籍謄本」なのに「戸籍抄本」をとってしまいました。
すぐコンビニに走りましたが、最後にこんなミスをするとは、と草むしりによる筋肉痛の腕をさするしかありませんでした。
司法書士の先生から書類が揃いましたので申請します、と連絡がきたのが11月初め。わあ~うまく行きますように~と願いながらいろんな植物の根っこや、植木鉢と戦いながら日々が過ぎていきました。
そして11月27日。司法書士の先生から登記完了謄本が来ましたよ!と敏腕松岡さんから謄本のPDFがきました。ほぼ同時に司法書士の先生からも姉にデータが届いていました。
わあ~…よかった~…この数日、母は検査入院しているけど、とにかくよかった~と喜びを噛みしめました。
最後の打ち合わせを、ということでソッコー姉が予約をいれ、翌日、11月28日に荒井先生とニッコニコでZoom面談となりました。ヤッター!先生も今までになく嬉しそうなお顔で、こっちも嬉しくなりました。
よかったですねーと喜びを分かち合います。長かったと思いますがお疲れさまでした~なんて言っていただき、お話は先生へのお支払いの内容へ。
もし我が家が国庫帰属制度を利用できていたとしたら、負担金は244,000円という計算になるそうです。ま、私道があったのでできなかったのですが。これよりも(弁護士費用は別にして)お得に処分できました、ということで追加報酬が計上されていました。
処分費用については通信費程度の数千円が計上されていました。24万が2千円で済んだということですね。お手紙出してもらったりした通信費だね、と思いました。
ただ登記費用って土地を得る方が出すのが一般的らしいのですが、今回交渉条件で譲る方の我が家がもったので、それも処分費用に含まれるんじゃないかなあ、そうなるともうちょっと安くできるのかも…という考えもよぎりましたが、なんせ私道部分の相続登記をしてなかったのは我が家だし、放っておかないできれいな状態を維持していれば、ゴミのために「登記費用を持ってくれれば…」っていう話にはならなかったと思うので、これは処分費用って言うより我が家の事情によるものだな、と思って素直におっしゃる額の追加報酬をお支払いすることにしました。
引き取る方から条件を提示、というのはよくあるのか、ないのか分かりませんが気になる方は依頼する前に念のためこのような場合の追加報酬の計算はどうなりますかって、聞いておいてもいいかもしれないです。
結局もろもろ全部で100万を越す金額となりましたが、自分一人でやったらまたどんな損失があったか分からないし、結果的に良い方を見つけることができたので「これで片付いてよかった」という安堵の方が大きいです。それと、この金額には10年保証が含まれ、なにかあったときは頼れる先があるというのが、母にとっても私たちにとっても、安心です。この10年という期間の根拠も、先生の考えを最初に聞いておけたので納得することができました。
いやーよかったよかった、じゃ振り込むので領収書下さい、って話して終わるのかと思ったら成功者インタビューを依頼されました。
エッ。
いろいろご苦労もあったと思うのでその経験を、と言われましたが解決するとあっという間に忘れてしまう性格。「そんなに長かったでしたっけ?大変でしたっけ?」みたいな反応をしてしまいましたが、お受けすることにして、無事終了となりました。
私はずっと負担に思っていた土地が手放せて、あーよかったーという気持ちです。
姉の方は手放してから案外自分にとってあの土地って重荷だったんだな、っていうことに気づいたそうです。青空晴れ晴れといった感じだそうです。母は「あああ~…よかった~…」と言っていました。無事検査入院からも戻ってきて、実家にまた集まってケーキでお祝いしました。
負動産で困っている方や迷っている方に向けた、負動産の窓口に頼んだらこういう過程となりました、という経験談です。他にも頼む先はあるかもしれないし、自力でがんばれる方もいると思います。そんなやる気も起きないくらいどうしようもないところなんだよ~って方もいると思います。
私も燃えカスのようなやる気しかありませんでしたが、なんとか点火しながら完了にたどり着くことができました。とても幸運だったと思います。その幸運って、負動産においては誰にでも引き寄せられるものなんじゃないでしょうか。そう思わされるミッションでした。
なにか行動すると不思議と何かが動いて変わっていくので「うちのなんか、無理だ」と思わずにとりあえず問い合わせだけでもやってみてほしいな、という気持ちでこれを書き残しておきます。
<追記>
インタビューはふざけた成りで受けたので、公開されるかどうかはまだ分かりません(笑)
最終的には掲示板を見て21人の問い合わせがありました。①様がとん挫したときに別の掲示板にも掲載するか検討しましたが、問い合わせがぽつぽつ来ていたこともあって、無料の負動産の窓口掲示板だけに掲載しました。
依頼したのは松コース、一番高いものですが、譲渡後10年間になにかトラブルがあればそのときは報酬なしで荒井先生に対応をお願いできるというものです。ですので、最後の打ち合わせでは「先生、弁護士やめないでくださいね」って念押ししました(笑)