Treasure☆のお話(アーカイブ)
2021.12.24 02:33に公開された、所属サークルのブログを転載しました。
結構まとまりなく長文を書いてしまったので、読みづらいかもしれません。ご容赦ください。
前提事項1
2021年11月28日、「アイドルマスター シンデレラガールズ」は10周年を迎えました。いよいよMOIW当時のASに並んだと思うと、物凄いキャリアを持つコンテンツになったことを実感します。
さすがに私はサービスイン当時のことは知らないのですが、2015年、アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」から知った自分はどうやらシンデレラガールズの歴史の半分以上に浸かっているということに気づき誇りのようなものを感じ始めました。デレアニ放送当時中学生だった私はいまや大学生になりました。時の流れは残酷です。
またそれに合わせて、「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! Celebration Land」が、11月27日・28日、幕張イベントホールにて開かれました。
前提事項2
第2回ボイスアイドルオーディションが2021年春に行われました。過程は省きますが、結果は浅利七海さんが1位をとりました。応援すると決めた2019年頃の私にとっては、その独特な口調から、声がついたら絶対可能性が広がるんだよなという思いで投票していた、沢山いるうちの1人のアイドルでした。ただ、2020年はあまりにも報われなかったので、ボイス実装が決定してめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。
前提事項3
幕張ではシンデレラガールズのライブが多く開催されてきましたが、幕張イベントホールといえば、2017年、「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5th LIVE TOUR Serendipity Parade!!!」の幕張公演が行われた会場に他なりません。
初ライブが5th静岡だった私は、そのほかの公演の雰囲気も味わってみたいと当時から思っていたため、特別な日に特別な場所でライブをするということで、絶対に行っておきたいと思っておりました。(余談ですが、5thの時にはセンター交代制が取られ、15人前後のメンバーの中から6の地方公演すべてにおいてセンターが異なっておりましたが、幕張公演では、おなじみ島村卯月役・大橋彩香さんがセンターでした。懐かしいね。)
そんなライブの2日目に浅利七海ちゃんの出演が発表されまして、私は無事現地チケットを取ることができました。
前提事実終わり
Treasure☆という楽曲
アイドルマスターシンデレラガールズには「Treasure☆」という曲があります。
2017年3月22日発売
作詞:デレパジ
作曲・編曲:滝澤俊輔(TRYTONELABO)
まず滝澤さんは置いておいて、デレパジの説明をしておきます。
この曲が作られた当時、「デレラジ」と「CINDERELLA PARTY!」(デレパ)というふたつのラジオがあり、前者のパーソナリティが「大橋彩香・福原綾香・佳村はるか」、後者が「原紗友里・青木瑠璃子」でした(ちなみに、「デレラジ」においては2017年をもって固定のパーソナリティはいなくなりました。現在でも「デレラジ☆」として毎週月曜日から放送中です。)この5人が相談し、共同で作詞した作品なのです。
とはいえ、ニコニコ大百科によると、「福原綾香が曲全体のプロットを任され」ていたようで、この曲の基礎的なところは彼女によって作られたようです。
ここで、DAY2のMCにおいて、「ふーりん(福原綾香)がデレラジのイベントで『歌います!』と言わなかったら、このコンテンツは歌わないコンテンツになっていたかもしれない」という話がありました。シンデレラガールズがここまで続いたのも、彼女のおかげと言っても過言ではないと思います。そんな彼女が、単体で曲を出しまくっていたデレパに対抗意識を燃やして、「ラジオ曲」という可能性を1から作り出したのがきっかけなのです。やるからには彼女が中心になって進めていったのでしょう。
そして作編曲がTRYTONELABO所属の滝澤さん。音大生の頃から牧野由依さんと親交がある、失恋するといい曲が書ける、でお馴染みの彼ですが、近年では7th大阪・24magicにてCINDERELLA BANDのキーボード、バンマスを担当したことで知名度が上がったのではないでしょうか。そんな滝澤さんの担当曲がこちら(Wikipediaより)。
いい曲しかないやん。
アニメ化以前からシンデレラに携わり、そしてアニメの時期はアニメの名曲を多数生み出しコンテンツを牽引。近年でも「Sing the Prologue♪」、「EVERLASTING」の作曲に関わるなど、シンデレラガールズになくてはならない存在です。
シンデレラガールズの持つ雰囲気、エッセンスを含みつつ、作詞からの要望、「とにかく壮大にしてほしい」というものに対してその想像の何倍もお金がかかっていると言われています。特にイントロのハープ奏者がとんでもないらしいです。興味ある方は調べてください。
何が言いたかったかと言うと、
「Treasure☆」は決してネタで作られた曲ではないってことです。
出航、そしてその航路
さて、Treasure☆含めデレパ発の曲はそれなりに出ているのですが、その披露の機会はデレパの公録イベントに留まっていました。ラジオ発の曲である「Treasure☆」を正式な周年ライブでやるということは、ある種のブレイクスルーと言っていいでしょう。5thSSAでオリメン5人で初披露された際、そのお金がかかった壮大なオーケストラの音に戦慄したPもいたとかいなかったとか。そして6thで、まさかのオリメン0、「HappyHappyTwin」・「セクシーギルティ」での披露。賛否あったでしょうが、それこそ福原綾香さんが「Treasure☆の輪が広まってくれて嬉しい」みたいなことを言っていたような気がします。この時、(あぁ、Treasure☆は誰が歌ってもいいんだ)みたいな雰囲気が出来上がった気がします。
浅利七海ちゃんの話に戻ります。
七海のボイス実装
広がる可能性
アイドルマスターシンデレラガールズにおいて、ボイスが実装されるということはそのアイドルの可能性が広がるということです。
・デレステでの出番が格段に増える
・CDが出る、ジャケ写が描き下ろされるようになる
・ライブに出れる
・演じる声優から、そのアイドルのファンが獲得できる
・なんならアイドルを通して声優を好きになる
などなど。
色々な妄想をしながら4ヶ月ほど経過した時、それは訪れました。
お魚が好きなお魚系アイドル。お魚が好きといっても、見ることだけではなく食べることも好きなので、命をいただくという行為自体にもしっかり感謝した上、お魚を自分で処理できたりと、ある意味リアリストな一面もあると思います。Cool属性ですし。ダウナー感のある声が強調されると思っていましたが、実際に聞いた声は違いました。
彼女は14歳にしてはぬいぐるみのサバオリくんを抱えていたり、モバマスの怪奇公演にて妹役を演じていたり、「L.M.B.G.」という小学生多めの多人数ユニットにギロ担当として加入してコミュニケーションを沢山とっていたからか、そういった可愛さがより前面に出ていました。
唯一の懸念事項、ダ行が言えずラ行になってしまうという非現実的な個性も、dとlの間でなんならちょっとl寄りになってる〜位の絶妙なバランスを、CV.井上ほの花さんは表現してくださいました。くっそ可愛かった。無事解釈違いと騒ぐことも無く、そりゃあもう溺愛してしまいました。
交わる2つの航路
そして、去年と同じように、「Let's Sail Away!!!」という、VIA2期組の曲が程なくして実装されました。
一旦Treasure☆の話に戻ります。
Treasure☆の曲の構成は以下のようになっています。なお、A,Bは集団としてください。
1.Aがお宝を探しに出航
2.困難に巻き込まれる
3.ダメかもしれない
4.Bに助けられる
5.みんなの絆で乗り越えられそう
6.新たな地図、それぞれの思いを抱え離散
7.怪物に襲われるBをAが発見する
8.12時の方角に「ガラスの靴・鮮やかなジュエル」が
9.みんなに見せてあげよう
といった流れのハッピーエンドです。
ここで、8の12時、というワードに一旦注目してみましょう。シンデレラガールズは、おとぎ話のシンデレラと同様、12時というワードが割と大事な要素になっています。
(Shine!!)
(輝く世界の魔法)
など。
知らない方はいないと思いますが、シンデレラの魔法は、12時を過ぎると消えてしまいます。だからこそそれを乗り越えるような描写が数多くシンデレラガールズには出てくるわけで、さらにいえばアンコールの演出も、12時から時計の針が進んで…といった、どちらかと言えば12時を打ち破るような表現が多かった気がします。この12時そのものにポジティブな「まっすぐ」「前進」という意味をはっきりと持たせたのは紛れもなくTreasure☆が元祖だと私は思っています。
「12時の方角」とは、クロックポジションと呼ばれる方位を提示する手法です。船舶の航行においてその名残が残っており、正面を12時の方向とし、それか何時方向かを示すことで、左右の向きを間違えないようにしているとの事です。
そして、この要素が再登場したのが「Let's Sail Away!!!」だとも思っています。
VIA1期による「Brand new!」は、その名の通り「新しさ」を前面に出した曲だと思います。結果1位の辻野あかりは「新アイドル」として、数年ぶりに登場したアイドル、続いて2位の砂塚あきらはSNS、配信など#最先端 なアイドル、3位の桐生つかさはJKで社長でアイドル、新しい。みたいな感じでテーマが決まったんじゃないですかね。分かんないですけど。
対して「Let's Sail Away!!!」は、「未知への出航」をテーマに作られました。
さて、ボイス実装時のカード、かがやく新世界 浅利七海のセリフが上記です。かなりこの辺りも参考にして作られた歌詞ではないかと私は考えています。
もちろん七海だけの曲ではありません。
1位の浅利七海の「海が大好き」という要素、2位のお嬢様、西園寺琴歌の持つ「未知への興味」、そして3位の趣味:諜報、八神マキノの「知的好奇心・探究心」をうまく合体させることに成功し、この曲が形になったんじゃないかなと思いました。この3人が上位3人だったからこそ、昨年に負けず劣らず最高の楽曲ができてしまいました。
(Jet to the Future)
って感じですかね。アイドルたちのひたむきな強さを感じることが出来て大好きです。
辿るルートは違えど、この発想、Treasure☆に似ているなと何となく思っていた方も少なくなかったのではないでしょうか。それが私です。
Let's Sail Away!!!を初めて聞いた時の僕の感情がこちらです。
先述のとおり、デレパの公録イベントにおいてTreasure☆はほぼ100%歌われており、主宰の2人がAとして歌い始める、そして毎回ゲストがBとして助けに来る、というパターンとなっています。また7thではTreasure☆の披露がなかったので、もう今後Treasure☆を周年ライブで歌うことはないだろう、Treasure☆を浅利七海ちゃんに歌ってもらうには「井上ほの花さんがゲストで登場するデレパのイベント」が存在するしかないと思っていたために、このツイートをしました。
これが僕の、浅利七海ちゃんに関わる唯一の願いでした。
2021.11.28
(本編です)
さて、この井上ほの花さんは、ナナシスやハチナイなど、(筆者は詳しくないですが)多くのコンテンツのリアルイベントで場数を踏んでいたとのことなので、私は正直、ライブの振る舞いに関してあまり心配はしていませんでした。
幕張に向かうまで、もうこれまで見た事ないぐらいめちゃくちゃ七海Pを見かけたのでもうその時点で夢なんじゃないかと思いましたが、グッとこらえて会場の中に入りました。
開演しました。ライブレポートとして、以下は浅利七海ちゃんと井上ほの花さんが参加された曲だけ書いていきます。
M1.なんどでも笑おう
浅利七海ちゃん役・井上ほの花さんがほぼセンターで現れました。気がついたら目の前に七海ちゃんの特徴的な輪っかがありました。その曲中、笑顔で歌う井上ほの花さんばかり見ていました。
俺が七海を応援することになったの、なんでだったかなぁ…と述懐する時間が始まりました。
色々あったね
いるねぇ。七海が。奇跡かぁ。
ありがとう。
過去だけじゃなくて、これからも
タカラモノ ですって。
初めて担当がステージで歌った曲が「なんどでも笑おう」。まさかこれが伏線になるとは思いませんでした。
M6.「輝く世界の魔法」 /
五十嵐裕美,井上ほの花
結果が出なくても選挙をやっとる自分の姿と重なってしまい結構しんどかったです。
られにも←かわいい
そうか。。。この魔法、これは現実なんやな。。。
あとは間奏のセリフ五十嵐裕美さんが考えたらしくてそんなことある???ってなってましたがその話は今はいいか。
「七海ちゃん現象」「七海ちゃんになれます‼️」など間のMCを挟んで、普通にライブを楽しんでいた時、奇跡は怒りました。
M18.Treasure☆/ 井上ほの花
は???????
や
1人で出てきてしまいました。
本当に立派なソロアイドルです。
僕の願いがかなってしまいました。
この間声ついたばっかやん。
ここで、助けに来たのが大橋彩香さん・青木瑠璃子さんでした。この構図に関して、APかっしーが語っていてなるほどと思ったので書き殴っておきます。
このコンテンツにおいて「デレラジ」、「デレパ」の貢献度は非常に高い。なぜなら、新しく加入した声優さんたちが既にいる声優さんと話せる場所であり、このラジオがあるからこそシンデレラガールズというファミリーに暖かく迎えられ、その居場所にすんなりと入ることが出来るというものでした。
冒頭にて、シンデレラガールズが10年続いていると言いましたが、ラジオが長年続いているからこそ、キャストが90人以上に増えてもコンテンツの形を保てているのではないか、と改めて思い知らされました。青木瑠璃子さんはデレパのパーソナリティとして、今でも流刑されてくる新人の力を抜いてリラックスさせています。大橋彩香さんはその役割から1歩引いていた、と思いきやLSA!!!の3人の初出演のデレラジに大橋彩香さんがいまして。上手く3人の話を引き出していたので、さすがシンデレラのセンターだなと感じました。おふたりともベテランなのに全力で床に転がっており、シンデレラの雑草魂を感じました。
繰り返しますが、この歌詞は2017年頃、福原綾香さん中心にデレパジが書いています。浅利七海個人のことを考えてはいなかったでしょう。長い時間の中で、色々な人に歌われることで、既存の曲に新たな意味が付与される。これだからアイドルマスターシンデレラガールズは面白いのです。
あと、このTreasure☆に関して
Treasure=宝物とは何だったのか、という話ですが、ガラスの靴=お姫様であることの証明
あざやかな宝石=磨きあった個性 という解釈を私はしております。この世界観は、プロの作詞家の方々が書いているススメ☆オトメ、EVERLASTINGにも通じる、シンデレラの価値観が感じられるところがあるなと感じました。あくまで個人の感想ですが。
M23.Let's Sail Away!!!
もうこの曲はいちいち歌詞に突っ込んどる暇がないくらい歌詞が緻密なので少しだけ。
そうなんだよな〜
なんどでも笑おう
らきしめてくれたのはらぁれ?←かわいい
さすがに決壊しました。昔から、というのはこのコンテンツではご法度な気がしますが、この要素は去年のVIAよりも濃かった気がするので、しっかり拾ってくれて嬉しかったです。
この3人の担当P全てが思っていたこの言葉が、ステージで歌われることによって、アイドルたちも同じ思いであったことが確認できました。
さらに、このCメロの部分は初お披露目であり、「この日」がこの部分を初めて聞けたライブ「この日」という具体的な意味にもなりました。感謝です。
なんかほわほわしてたら終わりました。
M25.EVERLASTING
アイドルマスターシンデレラガールズよ
永遠なれ。
M26.お願い!シンデレラ
お願い しんれれら 夢は夢でおわれない
という部分。今までも言ってますが、ボイスが七海について、既存曲のダ行がラ行になってしまうこれを聞くのがひとつの夢だったので、夢で終わらなかったなぁ、となりました。
ここで、お願い!シンデレラという楽曲が初めて違うふうに聞こえてきました。アイドルと、プロデューサーの願いが繋がって、担当アイドルが成長していく。その過程、景色はこんなに美しいのだと実感しました。お願い!シンデレラって、昔からの名曲だと思ってたんですけど、今聞いても新しい発見がありますね(?)
最後に
井上ほの花さんはライブのMCでもツイートでも、「七海ちゃんに出逢わせてくださったプロデューサーさん!本当にありがとうございました」と仰っていました。
しかし、「ステージで歌って踊る七海ちゃん」に出会わせてくれたのは、井上ほの花さんです。本当にありがとうございます。と、こちらからもお礼を何度したらいいか分かりません。今後も安心して、井上ほの花さんと、浅利七海ちゃんと一緒に、アイドルという海を進んでいきたいと思います。
これから先も、よろしくお願いします。
Treasure☆の話だけするつもりでしたが、なんか気づいたらめちゃくちゃ書いてました。ここまで読んでくださってありがとうございました。