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【2015乳がんの記憶 発見】小豆みたいなしこり
大事にしていることがある。10年前からずっと心の泉の深い深いところにある、秘密の箱がある。それが宝箱か、パンドラの箱なのか、開いてみようかと思ってしまったんだな。これは私の病気の話みたいな感じなんだけど、大切な箱に入っているのはそれじゃない。
私にはその時、些細でとても難しい夢ができた。でもそれを口にしないと決めて、箱にしまって深いところに沈めた。忘れたことはない。思えば10年間、その箱の中にある夢を思い、歩いてきた気がする。だからこれは病気の話ではなくて、その後のことを話そうと思うのだけど、それの前に前提がいるので10年前の乳がんのお話をしようと思う。
しんみりしたいわけじゃないけど、思い出せばちょっとしんみりしてしまう。ごめんね。
私が10年前の話を書く動機↓
2015年の10月のある日の朝、私は天井を向いて寝ていた。隣には3歳の娘が寝ていた。週末にいったマッサージで、「パソコンワークが多い人は前側、胸から首の筋がこってしまうので自分で天井向いて寝て、こうして指で押すといいですよ。」そう言われたのを思い出して、首から胸にぐっぐっと指で押して、確かに効くな、と、そのままあばら骨に沿って指を動かして、見つけてしまった。
胸のしたに潜むなにかを。
それは、とても小さくて、でも違和感は大きくて、自分が感じたままに慌ててスマホで検索した。「胸 小豆 しこり」なんとなく嫌な予感がした。
乳がんだとか乳腺なんとかだとか出てきた。その時点で、どうしてだろう。私は事実に近づいていた、たぶんあるんだ。
のちにそれは乳がんだとわかるが、見つけたその日に感じたことは「やっぱりあった」だった。3か月前に、ちくんちくんとすると気になっていて、ちょうど看護師の友達と旅行だったから触診してみてもらおうと思っていたのだが、忘れてしまった。気になるちくんは続いていたが、会社の健康診断でマンモグラフィーをやって何もなかったので完全に忘れていた。
小豆を胸に見つけた時に、「居た」と思った。ちくんちくんの正体。このちくんちくんが神様がくれる合図だとのちに知る。
そして、隣に寝る娘を見て嫌な汗がでた。そっと起き上がり、婦人科を予約した。のちに知るが、乳がん検査は婦人科ではなく、乳腺外科。このちょっとした違いにその後、苦労をすることになる。
つづく↓
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