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【2015乳がんの記録 母】「なんで?がんになったの?」
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私は東京出身でいまは愛知に暮らしている。当時は芸能人の乳がんから愛知の病院が予約がとれず、東京の同級生医師に診てもらい、そして東京で手術をすることにした。
小さな娘がいるから夫と義父母にはなるべく娘のケアをしてもらい私は都内に実家があり友人もいるから1人で検査に行き来していた。
告知の後、東京の母には電話で伝えた。そりゃ言いたくはない。母だって青天の霹靂だろう。しかし、そのままの言葉に、一回で参ってしまった。
「なんで…なんでガンになったの?」
…んなこと、知らないよ。
この繰り返し。父が白血病になった時も母の方が途方に暮れていた。出産以外に健康を害して入院したことがない母には謎しかない。
全てに原因を作り出してしまう。父は野菜嫌いのせいで白血病になり早くに亡くなってしまったことにされている。
なんで祭りに耐えきれず到底検査にいくから泊めてなんて、針のむしろ。無理だから、私は検査にいくと同級生や親しい友達と会ってビジネスホテルに泊まった。
さすがに入院前には顔を出さねばと、入院前日に昼間に実家に行ったが、母はどうしたわけか同居の甥っ子を階段下からわざわざ呼んだ。もう、いますぐに横になりたいくらいだるいのに。なんでだ!?
1時間が過ぎる頃耐えきれずに、「ありがとうまたね」と実家をでてしまった。
あれから10年私はなんとなく母をどこかで避けていた。行くには行くが、身体の話はあまりしない。
健康は素晴らしい。しかし、手術前でも心はすでに疲れ切っている。
健康一番みたいな考えにアレルギーを感じるようになったのはあの時からのように思う。
でもいつか、娘が重たい病になったら、私はきっと「なんで」と聞きまくり追い回すのだろう。
親孝行でなくて、ごめんなさい。
なんで?って言葉にある信じたくない気持ちはわかってた。
ただ、「大丈夫だよ」って言われたかっただけで…
つづく↓
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