理科の試験で時間が足りない現象を減らすための計算方法

割引あり

こんにちは。missaです。

みなさん、mol計算は全く問題ないでしょうか。意味を追いかけたり、比で解いたりと色々なやり方があると思いますが、自分は脳死で単位変換をするのが良いかと思います。

ここで一つ例題を出します


(1)2時間は何分か

正直言ってこれは120分と即答できるでしょう。ただし、理科の難しそうな計算でも脳死で単位変換をするために大事な考えや、過程をこの例題から学んで欲しいと思います。

ここからは表記がめんどくさいので、ここからは1時間をhour、1分をmin、1秒をsecと表記します。
また、わかりやすさを重視するため、有効数字については考えないこととします。

この問題を解くにあたって前提条件があります。それは、
1[hour]=60[min]です。(単位が違うので勿論厳密には=で結んではいけないですが、同じ意味を表しているとして=で結んでいます。)
この式の両辺を "1[hour]" で割ると、

$$
1=\frac{60[min]}{1[hour]}
$$

ゆえに、どんな値に$${60[min]/1[hour]}$$をかけても1をかけるのと同じ意味になるので、値そのものは変わりません。

今回2[hour]を2時間という意味を変えずに変形したいので、

$$
2[hour]*1
$$

$${1=60[min]/1[hour]}$$ であるから、

$$
=2[hour]\frac{60[min]}{1[hour]}
$$

単位を約分して

$$
=2\frac{60[min]}{1}
$$

$$
=120[min]
$$

あまりにも丁寧に記述したため、少し不自然だったかも知れませんが、全ての工程を厳密にやるとこのようになります。
この解法から、単位を訳文しても良さそうだということがわかったかと思います。

では、次の例題に移ります。


(2)2時間は何秒か

これを即答できる人は少し減るかと思います。
まずは単位変換を使わず、敢えてこの問題を比で解こうと思います。

先ほど確認したように1[hour]=60[min]という関係性を用いて
$${1[hour]: 60[min] = 2[hour] : x[min]}$$
比の左側に$${60[min]/1[hour]}$$をかけたら比の右側が出てくるので、

$$
x[min]=2[hour] * \frac{60[min]}{1[hour]}
$$

$$
x[min]=120[min]
$$

次に、求められた[min]を[sec]に変換します。
1[min]=60[sec]という関係性を用いて
$${1[min] : 60[sec} = 120[min] :  y[sec]}$$ 比の左側に$${60[sec]/1[min]}$$をかけたら比の右側が出てくるので、

$$
y[sec]=120[min] * \frac{60[sec]}{1[min]}
$$

$$
y[sec]=7200[sec]
$$

したがって2時間は7200秒であることがわかりました。
この比のやり方では$${1[hour]=3600[sec]}$$という関係を知っていれば、或いは先に求めておけば、一本の比例式で解けますが、理科の問題を解くときに、あまり上手くいくことはありません。問題によっては4本以上比例式を書かなければならないものもあります。


(2)' 2時間は何秒かを単位を変換するだけで解く

では、ここからは単位変換をして同じ問題を解いてみます。
$${1[hour]=60[min]}$$ , $${1[min]=60[sec]}$$

$$
2[hour] *1 *1
$$

$${1=60[min]/1[hour]}$$,$${1=60[sec]/1[min]}$$であるから、

$$
=2[hour] * \frac{60[min]}{1[hour]} * \frac{60[sec]}{1[min]}
$$

単位を約分して

$$
=2* \frac{60}{1}* \frac{60[sec]}{1}
$$

$$
=7200[sec]
$$

(1)と同じように丁寧に途中式を書きましたが、普通の人が実際にこの問題を解くときは

$$
2[hour] * \frac{60[min]}{1[hour]} * \frac{60[sec]}{1[min]}
$$

単位も数字も一気に計算して

$$
=7200[sec]
$$

と2行で済むでしょう。

このように単位変換をして解くとき、式一本で求めたいものまで辿り着けるのが強みです。
これによって、少しの計算スペースさえあれば良いというメリットと、(使う値を全て書き出せるので、)約分をしきってから掛け算ができるというメリットがあります。
では、最後の例題に移ります。


(3)72000秒は何時間か

しっかり頭を使いながらこのnoteを読んでいる方ならすぐに20時間と答えられるでしょう。
これは誘導に乗れるか、自分が求めたものを使えるかに繋がる話であって、
本題に関係ないのでこれ以上言及はしません。

今までと同じようにやろうとして

$$
72000[sec]*\frac{60[sec]}{1[min]}*\frac{60[min]}{1[hour]}
$$

なんてしようとしていないですよね?
冷静に単位だけ計算をしたら
$${[sec]^2/[hour]}$$と訳のわからない単位が出てきます。
これでは答えに辿り着けないですね。

(1),(2)では$${1=60[min]/1[hour]}$$を用いて変形していました。全く言及していませんでしたが、日本語的には1時間あたり60分を表しています。
メートル毎秒や、100mlあたり30kcalのように、
A[◯◯]毎B[××]、またはB[××]あたりA[◯◯]は

$$
\frac{A[◯◯]}{B[××]}
$$

と同じ意味です。
それと同時に、

$$
\frac{A[◯◯]}{B[××]}=\frac{B[××]}{A[◯◯]}
$$

でもあります。
直感的には受け入れ難いかもしれませんが、これが正しいことを説明します。

$$
1[hour]=60[min]
$$

…①この等式の両辺を1[hour]で割ると、

$$
{1=60[min]/1[hour]}
$$

…②

(1)(2)で使っていた、1時間あたり60分という情報が得られます。
ですが、①の等式を1[hour]で割らずに、60[min]で割った場合

$$
\frac{1[hour]}{60[min]}=1
$$

…③

となり、60分あたり1時間という情報が新たに得られました。
②、③の式より

$$
\frac{60[min]}{1[hour]}=\frac{1[hour]}{60[min]}
$$

もっと言えば、

$$
\frac{60[min]}{1[hour]}=\frac{1[hour]}{60[min]}=1
$$

もしどこか腑に落ちていないのならば、それは数字しか見ていません。確かに

$$
\frac{60}{1}≠\frac{1}{60}
$$

しかし、今回は単位をつけています。単位があることによって、数字だけみれば違うものも、同じ意味にさせることができ、等式で結べるようになります。

ということで、単位変換をするときに頭にいれて置くべき事項としては、
A[◯◯]毎B[××]、またはB[××]あたりA[◯◯]は$${A[◯◯]/B[××]}$$、
単位も含めたら、どちらも1をかけてるのと同じなので、
分数の逆数をかける、または分数で割ってもよい。
ということです。

ただし、元々与えられている単位を、分数で表された関係式を
用いて変換するので、分数で表せないA[◯◯]を、立式するときに分母に持ってきてはいけません。もし1/A[◯◯]という式から始めて単位変換をしても、得られる値は逆数になってしまいます。
これについてはまた言及します。

したがって、72000秒が何時間かの正しい計算は

$$
72000[sec]*\frac{1[min]}{60[sec]}*\frac{1[hour]}{60[min]}
$$

単位、数字を約分して

$$
=20*\frac{1}{1}*\frac{1[hour]}{1}
$$

$$
=20[hour]
$$


ここまで単位をただ変換する計算方法について全て語りました。
計算する上で大事なことを一般化すると、

  1. 前提条件としてA[◯◯]=B[××]という関係がある

  2. 単位をかけたり割ったりして[◯◯]という変換したい単位を[××]という求める単位になるような式を一本立てる

  3. 変換したいものA[◯◯]は分母におかない

  4. 単位の前に数字がなくても、分数の形で記述する


(4)32gの酸素の気体がある。これに含まれる酸素分子の個数は何個か。ただし、酸素原子の原子量を16とする。

解説をする前に、molについてあまり何も知らない人向けに単位変換をするために必要な関係式を抜き出しましょう。

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