見出し画像

冷静沈着な彼女の素顔

今日の一枚:夕日はいつだって希望の光。

今日は私が入院中に会った印象的な人のお話

大部屋でも個人主義な人が多いのか

カーテンの垣根を越えて話すことはないとはいえ

やっぱり声は聞こえてきてしまうもの

私の一人部屋気分を一夜で奪ったその人は看護師さんだった

やはり医療従事者

数々の修羅場を乗り越えてきたのだろう

今はコロナで基本面会禁止となっているのだが

退院時と手術時は短時間ながら家族の面会が許されている

自分も以前入院していて何もできないとはいえ

手術の時に誰かがいてくれるのは心強かったし

同じ妊婦さんということもありきっと旦那さんが付き添うものだと思っていた

ところが、彼女は手術の同伴を聞かれるときっぱり

”来ません”と答えたのだ

え?まじ?すごくない?

事情はわからないけれど

看護師すげぇとカーテン越しに感嘆したものであった

そんな彼女の入院生活は怒涛のもので

二度の手術延期に痺れを切らしてか

もう少し様子を見たそうな医師の判断を振り切り退院となった

ここでもやっぱり彼女の揺るがない意志の強さを垣間見て

やっぱり決めるのは自分なんだなと改めて思った

普通なら泣き出しそうな病状説明にも

麻酔までして手術できなかった時も

何があっても冷静だった彼女

そんな彼女も退院時の家族のお迎えには

普段より高く弾んだ声が聞こえ

あぁ、年相応の普通の女の子なんだなと

なぜか頬がゆるむ私であった(何かと年齢と名前の確認があるのでわかってしまう)

手術はできなかったけど、家に帰って体調整えてねと

下手したらその時にもここにいるかもしれない私は

今日もまた一人退院患者を見送りながら

カーテン越しに彼女にエールを送った

いいなと思ったら応援しよう!