キラキラを分けてもらったお話
2020年末。アニメ&声優の世界、といった特番で、森久保祥太郎さんと梶裕貴さんが出演されていた。そのとき、私は懐かしい声と姿を目の当たりにし、何とも言い表せない衝動に突き動かされた。
『ONLY YOUR STARS!!』、通称『OYS』を聞いた――いや、「観た」。涙が止まらなかった。
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『あんスタ』は、おそらく私が初めて触れた育成ゲームだ。いわゆる『!』の時代に真くんのルックス(当時の私は眼鏡キャラが大好きだった。もっとも、今でもそれは変わらない。)にひとめぼれしてインストール、たしか、同じユニットの真緒くんのカードを引いた覚えがある。それから紆余曲折ありトリスタ箱推しの真緒くん最推しとなり、しばらく楽しくゲームを続けていた。
しかし、私は一度、あんスタから離れている。『!』の『キセキシリーズ』と呼ばれる部分は正直読んだ覚えがない。おそらく、その辺りでフェードアウトしてしまったのだろう。『!!』になってからはスマホの容量の問題でアンストしたことすらある。
私は今、その頃の私の枕元に立ってこう言いたい。
「お願いだからもう一度あんスタプレイして!!」
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そんな、一度あんスタから離れた私がなぜ今あんスタの話をここで書いているのか。ここで、冒頭の話に戻る。
そう、全ては『OYS』のMVを視聴したことから始まるのだ。
2020年末といえば、某ウイルスの影響で我慢を強いられていたり、思うようにやりたいそとができなかったり……もちろん良いこともあったけれど、しんどいことも多い時期だった。そんな時期に、私は大学生になった。
当時私は学内でも1, 2を争う忙しい課程をとっており、大学生ということでバイトも始めていた。ただ……これが、ことごとく自分に合わなかった。この頃はたしか、その合わなかったバイトを辞めた時期だったのだが、辞める直前は駅のホームで線路をボーッと眺めて急に泣き出すという情緒の不安定ぶり。辞めてからも次のバイト先が決まらず、焦りを募らせていた。つまるところ、心も体も疲れていた頃だったのだ。
そんな時期に、『OYS』を聞いた。今はもう違う曲だけれど、懐かしいゲームのOPテーマだった。聞きなれたその曲でひとめぼれした真くん、大好きな真緒くん、推しユニット――『Trickstar』でセンターを張る北斗くんとスバルくんが歌って踊っている。比喩ではなく、そのときの彼らは本当にキラキラしていた。輝いていた。眩しくて眩しくて、気がついたらボロボロに泣いていた。思いっきり泣いたことでこころに溜まっていた悪いものが、全部とは言えずともかなりの量が流れていった感覚があり、そのボロボロびしゃびしゃの顔のまま、あんスタを再インストールした。
引き継ぎコードも何も残していなかったので当然最初からスタートだったけれど、それもそれで楽しかった。この間に私も色々なゲームに手を出していたので、当時は難しくて匙を投げてしまった音ゲーパートも少しずつできるようになり、今では『OYS』のHARDでパフェコン(ノーツを全部PERFECT、かつフルコンボ)一歩手前まで来た。もちろん、むずかしくて全然上手くできない曲もある。けれど、それ楽しめるほどになっていた。
こうしてあんスタに再燃、復帰してから約7ヶ月経った。復帰して初めてのイベントでは、復帰後に推しユニとなった『Eden』のジュンくん☆5をお迎えできず凹んだけれど、茨くん☆4は1枚だけお迎えできて幸せな気持ちになっている。次に推しユニットのイベントがあった際は、楽しみつつももっと効率よくプレイできたらなあ、と思っている。
バイトも模索しながら自分に合った職場を探しているし、進路も半年考えて新しい将来への一歩を踏み出している。それでも気分が落ちることは当然あって、そんなときに聞くのは『Trickstar』の曲なのだ。特に、『OYS』は今でも元気とキラキラをくれる大好きな曲だ。それから、『Break thorough!』も大好きで、とてもかっこいい曲なので気合いを入れたいときに聞いている。他にも、『Eden』や『ALKALOID』の曲もよく聞いていて、『Eden』は全部忘れて音楽に没入したいときに聞くことが多く、『ALKALOID』は「よし、もうちょっと踏ん張るぞ」と頑張りたいときに聞くことが多い。他のユニットの曲も、少しずつ聞いていきたいなあと思っているところだ。
あんスタに復帰してから、日常にキラキラが増えたような気がしている。まるで、すぐそこでスバルくんや北斗くん、真くん、真緒くんがキラキラな笑顔で歌っているかのような。「一緒に笑って!!」と言ってくれているかのような。
だから私は、『Trickstar』を好きになって、あんスタに復帰して、本当に良かったと思うのだ。