ポケモンマルチバース考察⑨
まず、ポケモントレーナーとポケモンバトルの戦術について考えてみたい。いかんせんポケモン世界は広大なので、ゲーム展開、ポケカ展開全てを網羅してというわけにはいかないので、基本、アニポケの歴代ストーリーが基本の話にはなるが。一番光っていると思ったのはサトシのピカチュウのエレキネットだ。もうペカペカに光っていた。あれはエレキボールから変化したもので、かなりいい技といえるのだ。
最初は防御のための檻だったが、攻撃的に使えばエレキネットからのアイアンテールは強力なコンボ技になり、応用が利く。サトシがこういうコンボ技をあと3つ覚えたら、実力的にもマスタークラスの上位常連になる筈だ。実力がポケモンマスターの称号に見合ったものになるだろう。
サトピカはこんなクレバーな技使ってたのに、そのエレキネットをインファイトで破るサイトウのオトスパスもやばい。あの攻防を見る限り、真のエースと言われるカイリキーよりもオトスパスの方が怖い。
自分は室内に侵入したスズメバチやアシナガバチを毎年、10匹ぐらいは獲っているのだが、長年ハチを獲っている内に身に付いた戦法がピカチュウと同じ事に気が付いた。
道具は殺虫剤(普通のハエ用でも使えるが、ハチ用のジェットで遠距離に届くものがあるとなお良い)、ハエ叩き、虫取り網だ。どこでも手に入る道具だ。
①まず、飛び回るハチの動きを鈍くするために広域に殺虫剤をまく。→10万ボルト
②動きの鈍くなったハチを虫取り網で追い詰め捉えて、更に殺虫剤の追い打ちで弱らせる。これは壁でも床でもいい。壁の場合は虫取り網で床に落として床から動けなくする。→エレキネット
③ハエ叩きで叩く。大型のハチはサンダルで網ごと踏み潰す。殺虫剤で弱らせて虫取り網で床に落とされた虫はすぐには飛び立てないので、ハエ叩きは命中する。ハエ叩きの威力を甘く見るな。あの大きさとしなりは昆虫には効果抜群だ。重けりゃいいってものじゃない。バットや木刀や丸めた新聞紙では虫には効かないがハエ叩きは効く。本気で打てばゴキブリ程度なら一発で原型が無くなる程の威力だ。→アイアンテール
これで捕れなかった虫はいない。百発百中の鉄板コンボだ。これをピカチュウは使っているのだ。かわいい姿でピカピカ言いながら、伊達に25年以上もポケモンバトルをやってないよあの電気ネズミ。サトピカが見かけによらない手練れだという事はよくわかった。
これだけ手練れのピカチュウがいてサトシがサイトウになかなか勝てなかった理由は、オトスパスの締め技への対抗手段がなかったからだ。サイトウはガラル空手の使い手だが、一番厄介なのはオトスパスのたこがためだ。サイトウに接近戦に持ち込まれたら、まず勝ち目はない。しかも戦術的連携技を幾つも持っている。これではサトシの実力では勝てない筈だ。
たこがためはエレキネットで閉じ込めてアイアンテールで仕留めるコンボと同じ理屈だ。そもそもダンデなら締め技を喰らう前に圧倒的力量差で潰してしまうだろうが。ダンデやシロナのように、わざわざ、融通が利かないが追い詰められた時の瞬発力が侮れないサトシと、小細工なしに正面から殴り合う戦法は取らないのが普通だ。その普通をしないのが王者ゆえの貫禄なのだろう。
こういうサブミッション系の技はルールのあるバトル内では強い。ゲッコウガがいた忍者の里のような環境、ルール無用の実戦ではあまり使えないが。締め落とされるまで相手が何もしてこないバトルフィールド故の強さだからだ。これを、凶悪犯を追うジュンサーさんが単独でできるかというと実用的でない。
忍者の戦いのように、踵に仕込んだ毒針で後ろから刺してくるとか、小刀で隙だらけの腕を刺してくるとか、顔面に毒を吹き付けるとか、相手が武器を使わず、明確にやりにこないという前提があってこその技だからだ。ポケモンは身体にその武器が半ば一体化しているのだから、いかにバトルの実力があっても、それだけでは勝ち残れない。毒突きや眠りごなを使う相手には簡単に抜けられてしまう。
サイトウが十分な実力を持ちながらマスタークラス入りできない原因は戦略的な詰めの甘さが原因だ。ポケモンバトルはそもそもが殺し合いではないが、格闘技のルール程縛りは強く無い。これだけ多種多様なポケモンの異種格闘技という点でサイトウはまだ視野が狭いのだ。
サイトウのポケモンの締め技は強力だが、小さ過ぎるポケモンや大き過ぎるポケモン、身体がゲル状態や鉱物や金属でできている場合も効かない。実体が消えるゴースト系や念力で浮いたりテレポートするエスパー系には全く意味がない。いかに接近戦に強くてもミカルゲのえげつない攻撃には全く無力だ。
そういう組み合わせをチョイスをしてくる方が普通だろう。単純なバトルの強さを追い求めるサイトウにはそういう意味で、戦略的視点がどうもまだピンときていないようだ。
キャップはサトピカとは違い、かみなりパンチとボルテッカーを多用する。これらは特性ひらいしんとの組み合わせでより強力な技になる。キャップはどちらかといえば地味に強い。すべての技がクレバーなのだ。これはもう、サトシやフリード以上の実力を持ったトレーナーと長年一緒に戦ってきたとしか思えない。だからキャップは元ポケモンマスターの相棒である可能性が高いのだ。
時にキャップはアイアンテールは使わないのだろうか?シッポでイスに常時立っている程だから、やれば間違いなく強力だ。空中から着地の時に使っていた気もするので、使えるのかもしれない。サトピカは電気技の効かない相手にはアイアンテールを使ってきたが、キャップは?アイアンテールは応用の利く使い勝手のいい技でサトシには向いていた。
テラスタルを使えば電気技以外を使えるという新たな選択肢が増えたので必要ないのかもしれないが、ピカチュウの手足はとても短くて、近距離だと捕まる展開が少なくない。アイアンテールの方がまだ距離を取れていただけに心配な要素だ。
あと、引っかかるのはライジングボルテッカーズの女性陣だ。まずモリーがおかしい。モリーがそんなに弱い筈がない。ラッキーの進化系のハピナスは、その界隈ではHPがデタラメに高いためにピンクの悪魔と呼ばれて恐れられているポケモンだ。使い方次第では攻略不可能な強敵ポジションのキャラなのだ。こんなポケモンを選ぶ時点で、したたかさが透けて見える。ラッキーが手持ちの時点で戦闘雑魚キャラの筈がないのだ。攻撃向きではないがラッキーの進化前のピンプクですら見かけによらずタケシを軽く投げ飛ばす怪力のポケモンだ。しかも守備力が反則的に高い。歴代のジョーイさんの隣にラッキーやハピナスがいるのも、職能的適性に加えて、高い守備力で護れるが故だろう。
そしてオリオ、メタグロスは腐っても600族やぞ。そんな素人の持てないようなポケモン持ってる奴、何人もおらん!二人とも戦うのが役目ではないので、フリード任せにしているのかもしれないが。絶対に弱くない手持ちがいるのに、あの二人がやられ役のモブポジションのわけがないのだ。
マードックのイワンコはいずれルガルガンになるので将来的に強くなる筈だが、マードック自身が龍が如くに出ていても違和感のない強面なので、自分で戦った方が強いんじゃ‥おま、生身でエビワラーやサワムラーと戦っても善戦できるだろと誰もが思っている筈だ。このメンツ、もしかしてリコとロイを強く育てるために、弱いふりしてない?疑惑が今後出てくるだろう。厨房にマードックとまよなかの姿のルガルガンがいるのもさすがに怖い‥
今のところ、リコのポケモンが攻撃向きでないものばかりだ。しかもニャオハには進化させない枠の疑いがある。アニポケが他の事業展開と違うのは、進化させない枠のポケモンの見せ場をどう作るかという点が大きい。
進化させないポケモンの全シリーズ中のトップは勿論ピカチュウだ。ライチュウに進化させてはポケモンの顔がいなくなってしまう。ピカチュウの進化は会社と事業の屋台骨に関わる一大事なのでうっかり進化などさせられる筈がない。
SMのサトシのモクローも自ら、かわらずのいしを飲み込んで、お気に入りにしている。これには絶対に進化させないという制作側の強い意思を感じる。フシギダネやゼニガメもこの枠だ。なにしろかわいさで人気が高いのに、進化させた途端に凶悪な姿になるポケモンが少なくない。なにしろ、かわいかったサルノリがゴリランダーになってしまう世界だ、ピカチュウとモクローは絶対進化させたくない気持ちはよくわかる。
逆に、進化させておかないと使えない枠もある。リザードン、ゲッコウガ、ルカリオがそうだ。進化をしない枠にメガシンカではコンセプトが危うくなってしまうので、これらのポケモンはメガシンカ要員に登録されている筈だ。ピカチュウはキョダイマックスとZ技を使えるが、メガシンカだけは避けている。それならライチュウになっちまえよという話になってしまうからだ。
進化を拒否したポケモンをどうやって強くさせるか、ここがアニポケ制作陣の見せ場になる筈だ。ロケット団の役割の半分ぐらいはサトピカをどうやって鍛えて強くするかに費やされてきた。
また、メガシンカとかZ技とか関係無しにデタラメに強い枠というのもある。ミミッキュとキテルグマだ。ミミッキュはおそらくゴースト系が中に入っていて、ピカチュウへの強い恨みから強くなっている。
そういえば、DPで昔、ミカルゲを封印した、ピカチュウを連れた伝説の波動使いの話が語られていた。各地で登場する昔の波動使いは、どうやらサトシの前世を強く匂わせている。しかもピカチュウを連れたって‥。ミカルゲを封印できるぐらいだからゴースト系は扱い慣れているだろう。ピカチュウに恨みを持ったミミッキュってもしかして関係ある?
SMでUBのフェローチェを一方的にボコボコにするキテルグマについては、もう反則級のデタラメな強さだ。進化ってなに?Z技とかダイマックスとか意味あるの?と思わせるこの枠の登場もなかなかに面白い。
このデタラメに強い枠の要素を、進化させない枠に盛り込めるなら、ニャオハはおそらく進化させなくても十分にやっていけるだろう。
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