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ビジュツノゲンバ -梅津庸一個展「遅すぎた青春、版画物語(転写、自己模倣、変奏曲)」、版画工房カワラボ!編 その2
これまで制作したことのない版画作品に取り組み、銀座蔦屋書店で展示を行っている梅津庸一さんの制作現場をお見せするビジュツノゲンバ、その2では版画へ手彩色をしているところを紹介しましょう。
その1
版画工房のカワラボ!は元々の建築を活かした多層構造の中にいくつものスタジオが作られています。
梅津さんは工房で作業するうちに作品が増えて制作領域を拡大、撮影初日は1F奥の部屋と、2階の2部屋も制作スペースとなっていて、そんな忙しい制作の間をぬって現場を色々と案内してくれました。
工房の外観や平面図はこちらを参考にどうぞ(改装前のバージョンのようです)
1F奥
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1F中央
休憩室になっているキッチンです。銅版などを印刷するスタジオからここを通って1F奥のスタジオ、そして2階へ移動します。制作が佳境にはいるとあんどーさんが展示用動画編集したり、デザイナーの阿部宏史さんがポスターデザインしたりしていました。そしてここにも制作された作品が置かれています。
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2F上って左側の部屋
奥であんどーさんが撮影してますね。
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2F中央
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撮影の1日目はまだこの程度でしたが、ここからさらに作品が増えていきます。そして見せてもらった作品はその後随分変化し表情が随分変わっていて、展示された作品は加筆と様々な技法を重ねた複雑なレイヤー構造をもっているというのが分かると思います。
またその1も見てもらうとわかるのですが、同時進行で様々な作品を作っているのも分かりますね。アクリルや油絵の具を塗り、それを乾燥させている間に銅版にとりかかり…というような。それも流れ作業というより創造的作業で、制作していると出てくる新しいアイデアを次々と作品に反映させていました。それができるのも版画に精通するスタッフがいて機材もある工房ならではで、作家がそこで制作しているからこそですね。
カワラボ!は工房の貸出をしており梅津さんの制作中、他の作家も版画制作にいそしんでいました。また2階が改装されレジデンススペースとなっていて泊まり込みで制作をできる環境となっています。
制作の修羅場が加速するにつれ、カワラボ!は梅津版画制作の場として総力戦体制に入りスタッフ総出で制作に関わりスペースが作品で埋めて尽くされていくのですが、それはまた後日に。
ビジュツノゲンバ その1
ビジュツノゲンバ その2
ビジュツノゲンバ その3
梅津庸一作品集『ポリネーター』刊行記念展
「遅すぎた青春、版画物語(転写、自己模倣、変奏曲)」
会期 :2023年4月1日(土)〜4月19日(水)※終了⽇は変更になる場合があります。
時間 :11:00~20:00
会場: 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM(イベントスペース)
主催 :銀座 蔦屋書店
協力: 艸居、Kawara Printmaking Laboratory Inc.、安藤祐美、みそにこみおでん、シエニーチュアン、阿部宏史、美術出版社
お問い合わせ :03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
https://store.tsite.jp/ginza/event/art/32671-1314100327.html
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