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「キャラクター絵画について」パープルームギャラリー
相模原にあるパープルームギャラリーでは「キャラクター絵画について」を開催しています。参加作家は門眞妙さん、川獺すあさん、ペロンミさんです。今週末、2022年9月17日(土)まで。
展示ステイトメント
「キャラクター絵画」というタームは美術の世界で常用されている言葉ではない。けれども「キャラクター絵画」はたんに「キャラクター」をモチーフとした絵画やドローイング全般を指す言葉・概念でないという認識はある程度は共有されているのではないか。もっとも、ちゃんとした定義づけがなされていない以上それはいくらでも訂正ないし修正可能な曖昧なカテゴリーと言える。
荒っぽい説明になってしまうが、90年代半ばに村上隆がマンガ、アニメなどのオタクカルチャーを現代アートに持ち込んで久しい。当初は現代アート陣営とオタク陣営の間で一触即発な状態と言っても過言ではないほど緊張が走っていたが、現在ではその対立自体が忘れ去られようとしている。今ではアート作品にキャラクターのアイコンが登場しても誰も驚かないばかりか、美術大学の卒業制作展でもちらほら見かける程度には市民権を得ている。いや、アートマーケットの拡大によりかつての「現代アート」の価値基準が瓦解した、あるいはオタク自体が変容したのか。
今、目にする多くの「キャラクター絵画」はある特定のマンガやアニメのキャラクターを使った二次創作ではない。かといってアートの領域に戦略的にキャラクターを召喚しているケースも稀である。キャラを使った絵画ないしドローイングを描く作家たちはSNSを駆使し一種のファンダムをつくり上げる。オフ会のように集い展覧会を開催することも珍しくない。この類いの作家たちの間で共有されている価値観や認識は外の観客に向けて開示されないことが多いので、観客は繊細なニュアンスや空気を読みながらこれらの作品を鑑賞し気分を共有するよう努める。また、最近の「キャラクター絵画」は描かれたキャラクターにおける記号性と身体性に加えて、主にSNSを介してつくられる作者自身のキャラクターの記号性と身体性も含めて読み解かなくてはならないケースも少なくない。
本展はそんな「キャラクター」を主題とした作家たちの営みの現在、近過去をリサーチし、狭義の意味での「キャラクター絵画」をアートマーケットの商材としてではなく美術批評の文脈の上でどのように位置付けることができるのかを探る試みである。
それは「美術」や「キャラ」を超えて「人」について考えることでもあるはずだ。
梅津庸一
展示の様子
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パープルームTV
展示開催にあたりパープルームTVでは梅津庸一さんがインタビュアーを務めて参加作家のうち2人から話を聴いています。
ペロンミ
【パープルームTV】第147回 「キャラクター絵画」について ペロンミ・インタビュー Part 1
【パープルームTV】第148回 「キャラクター絵画」について ペロンミ・インタビュー Part 2
川獺すあ
【パープルームTV】第151回 「キャラクター絵画」について 川獺すあ・インタビュー Part 1
【パープルームTV】第152回 「キャラクター絵画」について 川獺すあ・インタビュー Part 2
「キャラクター絵画について」リーフレット
パープルームギャラリーは展示毎にリーフレットを作っています。インスタレーションビュー、個別の作品画像などの展示の記録に加え、批評面を補完するためテキストも掲載する充実の内容で、デザイン、レタリングもかなりのこだわりです。リーフレット自体がパープルームを構成する要素みたいですね。
今回はさらにパープルームTVで公開された川獺さん、ペロンミさんに加え門眞妙さんのインタビューを書き起こし収録しています。
梅津さんが作家から制作や表現について丁寧に解像度の高い話を聞きだし、ゼロ年代、テン年代を振り返りつつ90年代からの接続までも試みる、いまのキャラクター絵画を歴史化させるような重要な記録になっていると思います。必読。パープルームギャラリーリーフレット最大のページ数。
キャラクター絵画について
— あんどー (@yumi_ando_) September 8, 2022
の冊子が届きました!
ペロンミさん、川獺すあさん、門眞妙さんのインタビューが掲載されています。
32ページもある!ぜひお手に取ってご覧ください。 pic.twitter.com/1KaGNN3vel
門眞妙さんについて
参加されている門眞妙さんには月刊美術批評WEBマガジンレビューとレポートで1年間(第23~34号)表紙を担当してもらいました。こちらでみることができます。
本展開催にあたり門眞さんは気合いの入った告知もされています。
パープルームギャラリーで開催される#キャラクター絵画について のまんが①を描きました pic.twitter.com/ugUahSF4jP
— monma_tae (@uresii_kanasii) August 31, 2022
#キャラクター絵画について のまんが②を描きました pic.twitter.com/dYkxo00l1i
— monma_tae (@uresii_kanasii) September 6, 2022
#キャラクター絵画について のまんが③を描きました🦛🐇
— monma_tae (@uresii_kanasii) September 7, 2022
展示は明日から! pic.twitter.com/qHD8vrRpk0
作家のプロフィール
門眞妙
1985年宮城県生まれ。2009年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。現在、宮城県仙台市在住。
ペロンミ
宮城県生まれ。
川獺すあ
1999年山形県生まれ。現在埼玉県を拠点に活動。
概要
会期|2022.9.8(木) - 9.17(土) (水曜日は休廊)
時間|15:00 - 20:00
場所|パープルームギャラリー
企画|パープルーム
協力|パープルーム予備校
https://parplume-gallery.com/
![](https://assets.st-note.com/img/1662889082856-vKPzRVtNll.jpg?width=1200)
ペロンミ 《Haven't we met?》 2022年 410×318mm 紙、鉛筆、水性ペン、オイルパステル
グルメ情報
みどり寿司
パープルームといえばみどり寿司。もはや何も言うことないですが、パープルギャラリーへ行く流れで隣のお店にもぜひ。圧倒的クオリティの寿司を安価で提供する大将の気概に感服です。みどり寿司の休みに合わせてギャラリーも休みにしているので連携も徹底しています。お酒はハイボールがおススメ(濃い)。
水曜休み
営業時間:12:00-14:30、17:00-22:00
連絡先:042-753-3950
https://maps.app.goo.gl/oMwANnnrSjkfSpbR8?g_st=ic
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レビューとレポート