「畠山耕治 青銅を鋳る」 菊池寛実記念 智美術館 レポート
第1室
第2室
第3室
畠山耕治作品は鋳金で作られています。
鋳金は溶かした金属を型へ流し込み形を作り上げるもので、大きく、複雑な造形を可能にしますが、畠山はむしろ「「青銅の存在そのものを鋳込む」という自身の制作欲求と造形感覚を、直線とわずかな曲線で構成したシンプルな造形」を追求します。
箱形の造形は、大小の同じ型をつくりそこへ金属を流し込むことでつくる鋳金のその最も効率がよい形としてそれを選んでおり、また外側から内側を想像させるという意味をもたせ、鑑賞者に造形そのものを注目させます。効率性の追求は、通常分業で行われる作業であるところ一人で全て行うためでもあります。
一方でコミッションワークも多く、モニュメントのみならず建材も作っており、その際は工場や建設現場で多くの人たちと作業をしています。
智美術館の展示室入口壁面にはあたかも建材のようにそのコミッションワーク作品がはめられています。
作品造形に対する追求はコンセプト優先でされているようでありながら、職人の技術追求のようでもあり、一人で制作をするアーティスト像を見せながら大きなプロジェクトにも介入するなど、美術なのか工芸なのか、明確に区分けできないその境界線にあることが面白さなのかもしれません。
参照プレスリリース
会期:2022年9月17日(土)~ 12月11日(日)
休館日:月曜日(ただし9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火)
開館時間:11:00~18:00 ※入館は17:30まで
WEB
https://www.musee-tomo.or.jp/exhibition/
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