しがらきパプ祭り'24 レポート
信楽で梅津庸一主宰のパープルームによる「しがらきパプ祭り'24」が行われている。
会場はカフェ&ギャラリー陶園。会期は2024年8月2日(金)~26日(月)。
パープルームからは安藤裕美 梅津庸一 わきもとさき。ゲストに伊藤昭人、二艘木洋行、藤江愛、MOCKUMENTARO、やとうはるか、笠原郁斗(ex.リスカちゃん)。
陶園1階の喫茶店から2階ギャラリーへ続く階段から展示は始まり、点々とわきもとさきの作品が並ぶ。
東側の壁
ギャラリースペース。階段を上り、入って左側の壁。
わきもとさきと安藤裕美の作品が並ぶ。わきもとの作品、古くは2018年のものでパープルームに来た頃の初期コラージュ作品ではないだろうか。
安藤裕美
本展タイトルが発案された時の模様が描かれている。
安藤による解説、というかメモ書き。
安藤による油彩絵画。本展が信楽で行われていることや、作陶する梅津がテーマのためか、陶磁器の釉薬のような雰囲気の光沢と物質感のある厚塗りをするなど、油彩の特質を活かして仕上げている。パープルームをアーカイブするように制作をする安藤だが、本作は内容だけでなく物質感でも信楽での活動を記録する作品となっている。
北側の壁
入って正面の壁には、藤江愛《信楽の空もつながった!!》と安藤裕美のドローイング群。
藤江愛
安藤裕美
安藤裕美のドローイング。
西側の壁
安藤のドローイング、伊藤昭人と梅津庸一の陶芸が並ぶ。
梅津庸一
伊藤昭人
伊藤昭人は信楽で梅津が出会った河井寬次郎直系弟子筋ともいえる作家。民藝らしく銘も無く、どこか河合らしさもある。
梅津が企画した「窯業と芸術」や、昨年の「民藝プラネット」でも出展、後者は梅津伊藤の二人展でもあった。
伊藤は民藝作家らしく生活に寄り添うというか実際に使えるものを作っており、筆者のおすすめはこのコーヒー椀。
見るからに民藝という造形は重量感を感じるほど粘土を使用し作り出しており、手の中でもその形を感じることができるほど。釉薬の色合いが特に素晴らしい。品質の割に値段がお手頃。出品するとすぐ無くなってしまうので、気になるようなら即買い。
南側の壁
わきもとさき
わきもとさきの新作がぶらさがっている。
信楽で資材を集め、ここで制作したようだ。
わきもとの作品群。
わきもとさきによる解説、というかメモ書き。
わきもとのコラージュは小作でシンプルにみえるものの、一つ一つに多様な素材が使われ表情が豊か。信楽で開催することから陶芸の物質感に負けないよう、わきもとの作品が選ばれたのだろうか。画像をタップかクリックしてもらえば大きく写るので作品の物質感を確認してほしい。
南側の壁
MOCKUMENTARO
ゲスト作家のMOCKUMENTARO。
台座にMOCKUMENTAROのドローイング。
やとうはるか
中央台座にやとうはるかの作品。
《まばたきとステップ(乗ると1段高くなる)》 部分
《まばたきとステップ(乗ると1段高くなる)》 部分
笠原郁斗(ex.リスカちゃん)
中央台座に伊藤昭人と二艘木洋行の作品
二艘木洋行
本展DM
会場全景
陶園全景
しがらきグルメ
カフェ&ギャラリー 陶園
本展が行われている階下の1階はカフェスペース。
信楽の作家によるカップがそろえられており、それで飲むコーヒーはおいしい。近江牛を使った肉丼や焼き肉定食も最高です。
魚仙
接待や仕出しに重宝されそうな信楽でおもてなしするならここというお店。メニューは京都色強いですが赤味噌の味噌汁や、ひつまぶしのようにうなぎが茶漬けで出たりと、中部と近畿が交わる信楽の文化を感じることができる一方で料理長のこだわりも。
おすすめは「一寸(みに)会席」4400円。値段がバグってます。
毎月内容を変えているとのこと。
これでも十分ですが、アラカルトを少し頼んで独特な郷土料理を日本酒で楽しみつつ、その流れで一寸会席でも良いですね。
「しがらきパプ祭り'24」
会場|カフェ&ギャラリー陶園(信楽)
会期|2024年8月2日(金)~26日(月)
※8月7、8、15、22日は休廊
営業時間|9時〜17時
https://www.instagram.com/gallery__toen
参考
【パープルームTV】第206回 しがらきパプ祭り'24
レビューとレポート