クリエイティブであること
こちらデンマーク、だんだんと日が長くなってきました。白夜にはならないけど極端に日の短い冬が、もうすぐ終わろうとしています。
私の留学している Krogerup Højskole は、コペンハーゲンから小一時間のところ(田舎)にある、全寮制の成人教育機関です。日本でも最近注目され始め、フォルケホイスコーレって呼ばれています。デンマークでは高校卒業後に3年くらいギャップイヤーをとる人が多く、その間の選択肢の1つとなっています。
とりわけ私の学校は政治とクリエイティビティを柱にしています。
……ん?
「政治」はわかるけど、「クリエイティビティ」って何 (笑)
って思うじゃないですか?
私もそう思いました〜!
さて、そんなよくわからない学校にきて2ヶ月が経つのですが、だんだんとその意味がわかってきました。
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先日ビンゴ大会がありました。環境保全のために活動してる学生たちが主催したイベントで、蜂🐝が生態系にいい影響を与えるから、蜂を保護する団体に収益を寄付しよう!ということで、BeeNGO! (Bee=蜂 + BINGO)っていう名前でした。素敵。
ちなみに、デンマークのビンゴの紙はこんな感じ。
番号が呼ばれたら、番号の上にビーズをのせていき、横の列が揃ったらビンゴ!です。最初は1列でビンゴなのですが、司会の声かけで2列、3列…って増えていくこともあります。ビーズを取り除くだけで何回でもできるから、とってもエコですね。
このイベントの趣旨が収益の寄付なので、景品にできるだけお金かけたくない…ってことで、景品は全部参加者が持ち寄ったものです。
私も「おもしろアイマスク」を景品として用意しました。
いざイベントが始まるとびっくり、景品たちがすごいのなんの!
覚えてる限り書き出してみます。
・一緒にピクニック行く券
・あなたのためのピアノコンサート券
・謎に調合した魔法の薬(紹介ムービーつき)
・お部屋掃除してあげる券
・スウェーデン人によるスウェーデン語のレッスン券
・写真を勉強してる生徒による写真撮影
・キッチンのシェフからのレシピ本
・手作りのシュシュ
・お部屋への招待券(言わなくてもわかるでしょ…♡って言ってた笑)
などなど。
……えっ、想像力豊かすぎない?
だって、みんな20歳そこそこの大人たちだよ?
心だけ3歳のままなの?遊び心しかないの?
たしかに、思い出してみたらちっちゃい頃は「おてつだい券」とか親にプレゼントしてた記憶がある。でも知らないうちに、頭がかたーくなってたんだなって気づいた。
これを考えた人たちのすごいところは、子どもの頃の頭の柔らかさはそのままに、大人にしかできない強みや技術が加わってるところ。お金一切かけてないのに(むしろ参加費などでお金が生まれてるのに)めちゃくちゃ楽しい!Win-Win!って感動しました。
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私のカッチカチな頭、純日本産なので日本のせいにします(ごめんなさい)。
そもそもデンマークと日本では、教育のあり方や風土が違うと思うのです。
日本には、Be normal(普通が1番)っていう風土がある。学び方は、大人数のクラスで受け身・暗記中心。たしかに「普通でいなきゃ」「周りに合わせなきゃ」っていう環境でクリエイティブであるのって、矛盾してるし難しいと思う。
おもしろいことに、デンマークにも No one is special(特別な人はいない)っていう風土があるそう。でも、日本のそれとは少し意味合いが違って、「他の人を見下さない、誰に対しても対等である」ってことなんだって。
自分と他人が違うことを認める
比べない
相手を尊重する
これらがどれだけ難しいことか。
私もふとした瞬間に自分と他人を比べてしまうことがあります。
しかし、少なくともこの学校にいるデンマーク人たちは何やっても「いいね!」って褒めてくれるし、英語力とかで優劣をつけず、人間同士として向き合ってくれる人が多い気がする(デンマーク語で悪口言われてても気がつかない、というのはあるかも…笑)。
実際に高校を見学しに行ったのですが、デンマークの教育は少人数のグループワークがかなり多く、意見の仕方や相手への配慮を学ぶことができます。そして、こういう教育の下だと独創性=自分だけの視点がとっても大事なのだと思います。
私の学校にはすごく優秀で経験に富んだ人が多いので、そんな人たちが用意した渾身の景品は、本当にもう「宝の山」なんです。
これはお金で買ったモノではなく、彼ら彼女らの「能力」そのものです。
自分ができること、得意なことを見極め
「価値」にする力
が、とてつもない。 一泡吹かされたぜ!っていう話でした。
たぶん、これが本当に「クリエイティブである」ってことだと思います。
(おしまい)
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