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メルスト 動物1st 感想

メルスト感想第4回目。今回は動物1stです!

伝統と革新

今回のテーマは「伝統と革新」でした。

古いジェンダー観やモンスターへの見方は変わるべき。

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だけど、意味がある言い伝えはそのままに。

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「変わる」べき所、「変わらない」でいい所を見極めていこうね、という綺麗な結末でした。

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とりわけ、アルムで伝えられてきたの木の実に関する知識を活かして、花火を作る展開が上手い。伝統と革新の両立を象徴してますよね!

(なのにこのあたり、アニメではウヤムヤになってた記憶があります。ここがミソなのに!と思うけど、30分じゃ尺が足りないのも分かるのよね…花火が映像で見れただけ良しとしなくては)

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そしてただ変わる、変わらないの二項対立じゃなく、変わりつつあるウルカ村でも、未だに偏見が残っている所も印象的です。

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科学2などもそうですが、人の心を変えることの難しさもしっかり描写する所がメルスト節だなあと感じます。

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番犬ベルナー

メイン4人の中で一番「変わり難い人間」を代表していたのがベルナーさん。当初はかなり頑なな態度を取っていました。

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でも心の中では、策略結婚は本当はリイリのためにならないと分かっていたみたい。

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なのに知らないふりをしていたのは、ハーシュ様曰く「リイリの番犬」でありたいから。

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これはつまり身もふたもない言い方すると、リイリを自分の庇護対象と見なしていたい、という意味だったのでしょうか。犬族の伝統を口実にリイリに弱い女性であることを強いて、自分が傍で守れるようにしたかったというか。

でも本当にアルムのためを思うのなら、むしろ伝統を全面的に受け入れるのではなく、外の変化にも対応していくべき。それが出来てこその「アルムの番犬」ということなのかなーと解釈しました。

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こんな感じで、ベルナーは自分がリイリにとって不要になる未来を恐れていたわけだけど、実際はそんな心配いらないのですよね。リイリにとっては、ずっと傍にいて欲しい、大切な人だもの。

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これ言われた時、ベルナー本当に嬉しかっただろうなあ。

国イベの後はリイリを一方的に守るのではなく、対等な相手として本気で手合わせしているようで良かった。

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それはそうと、これは絶対に花火じゃなくリイリのことですよね。

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私主従は基本的に恋愛フィルターを排除して見るタチなんですが、ここの2人(というかベルナー→リイリ)はちょっとラブの要素入ってるんじゃないかな…!とも考えてしまいましたよ。一目ぼれし続けてるみたいだしね!

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為政者としての意識

それから、リイリの心の動きにもグッと来ました!

自分の好きにしてもいいという選択肢を提示されてもなお、アルムを大切だと想うから、自分の気持ちを飲み込んで結婚を受け入れようとする。この強さに胸うたれます。

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そして村を大事に思うからこそ自分の気持ちを抑えるのは、ハーシュ様も同じですね。

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結婚する/しないで行動は真逆ですが、2人とも自分の事情より、村のためになることを選ぶ所がやっぱり統治者の心構えだ…と思いました。

あんまり自己犠牲がすぎると危険ではあるけど、私はこの長の責任感や故郷へを大切に思う所がとても好きです!

それからスティトも。彼は割と自分の好きなことをしていましたが、それでも村なんて大嫌い!捨ててやる!ではなく、ものすごーく負い目を感じていたみたいです。

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そうした村の役に立ちたい心と、自分のしたい事を突き詰めたい心。その両方を尊重した優しい結末も大変メルストらしいなと感じました。

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雑多

・ここにいるよ

人目を気にして隠れていたスティトが、花火を打ち上げて自分の居場所を示した所も印象に残りました。

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花火は変化の象徴であると同時に、スティトの存在証明でもありますよね。こういう、1つの出来事に二重三重の意味を持たせるライターさんの手腕に惚れ惚れしちゃいます。

・逢瀬のベランダ

ラストシーンで主人公とハルシュトが花火を見たのは、このベランダか!

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この伏線回収、再読して初めて気づきました。本当にライターさんの描く物語は無駄な情報開示がなくて巧みです。

・ウルカとアルム

今回の舞台はウルカ村とアルム村。パッと思い付いたのは世界史で習ったウルとアムルだったけど、意味的には全然シックリ来ないから違うかな…

好きな台詞

「癒術を中心にして、モンスターも王国も変わり始めてる。今までの慣習や風習は、みんな変わる前の世界のものだもの。世界が変わるなら、私たちも変わらなきゃ。」

「私が変わるものを見つけて、あなたが変わらないものを見つける。それってとってもいいコンビだと思わない?」

「恋は落ちるものだと、テナーが言っていた。落ちるのは一瞬だろう?そう思えば、全ての恋は一目惚れだ。一瞬一瞬新たな相手に出会っているのだから。」

「時代は変わり始めたばかりだ。いつか先入観や思い込みなしに、人々が触れ合える日が来る。その日が、私の想いを告げる日だ。それを待つのも、そう悪くない。」

「ちゃんと考えなきゃ。慎重に、だけど大胆に。どうしたらアルムがこれからよりよくなるのか。どうしたら、みんなにそれをわかってもらえるのか。」


今まで感想を書いた3本の国イベも好きなのですが、動物1はそれらと比べて特にメルストらしさがギュギュッと詰まっている気がしました。

主題も綺麗にまとまっていて、展開に無駄が無くて大好きな物語です!

以上



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