レジリエンス入門を読んだ
レジリエンス入門 ~折れない心のつくり方~ (著:内田和俊)を読破した。これは本の形をとったカウンセリング本だった。
この本の目的はレジリエンスという、心の弾力性を鍛えるためにはどうすれば良いのか、その方法について述べられた本である…らしいが、内容は大分異なった。その理由は以下のモノで構成される。
①行動についてまとめられていない
②体験談が多くイマイチ信用性が足りなく感じる
③文章からにじみ出る作者のカウンセラーちから
①について、弾力性を鍛えるための手段が細かく記述されていなかった。その手前の、鍛える心構えの部分について多く文章が割かれている。1-7の段落分けされているところで特に見られた。
②体験談が多い…とにかく多い。これも1-7の部分に多く見られる傾向だが、いずれにせよ全体で多い。論文に基づいた客観的なものではなく作者の体験に根付いたものであるため、信用性という点ではとかく薄く感じてしまう。
③ぶっちゃけこれに尽きる。この作者さんめっちゃカウンセラー歴長いことが伝わる。前編通して優しくビミョーに厳しく「自分を見つめ直して♥️あなたはもっと輝けるのよ!」といった優しさを味わうことができる。体験談が多いことで自分以外の存在も悩んでいたり苦しんでいたりすることに気づかされ、少しだけ前向きな気持ちにさせてくれる。そう、これは文章で読者をカウンセリングしているのだ。文章という形を纏い、固形化しているにも関わらずなお我々に語りかけ心を動かしていくという離れ業を見せる作者に脱帽。
とまぁ別な方面で心が動いたカウンセリング入門。文章でカウンセラーと対話したい方にオススメ