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せっかちな夏よ

毎年、夏って終わるの早くないか?


私は生粋の飽き性であるが、夏に対して飽きを感じたことはない。


毎年なんだか物足りないうちに彼は去っていくのである。


引き際、去り際が大事であるとはよく言うが、夏ってやつはそれがうまい。


夏の息が消えかけてくるころ小学校の友達、高校の友達、大学の友達はそれぞれニュージーランド、台湾、オーストラリアに留学へ行ってしまった。


台湾は一年中高温多湿な地域であるし、オーストラリアは我らが日本と気候が正反対な国である。ニュージーランドも南半球だから日本とはほぼ反対の気候である。


そこにはまだ、夏があるのだ!


台湾に行く彼女にこう言われた。


「夏、延長してくるわ~。」


彼女たちは、夏を求め、延長しに逃亡した。国外へ。
extension of summerである。


また来年の初夏、彼女たちは日本に帰国する。


またしてもそれは、extention of summerではないか。二度も。
それって合法なのか?いいのか?そんなにも夏を過ごしても。捕まらないのか?冬をスキップしても。


こんなことを思いながら、秋を向かい入れる準備をした一日。


土曜日ごろから涼しくなるらしい。

夏が去れば、私を温めてくれるものはいないのである。

ただひたすら、

咳をしてもひとり

と一人でクスクス笑いながらクリスマスを迎えるのであろう。


ああ、哀れとは。


この句が好きなので、度々出てくるとは思いますが、ああ、こいつまた言ってるよという目で見てやってください。

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