コタキナバル旅行記③
12日、起きたのは8:30
今日は念願のジョギングを朝からしようと思っていた。
というのも、私のアルバイト先、ホテルでモーニングの準備をしていると、窓の外をジョギングしている海外旅行客を見かけるのだ
もしかしたら普通に日本に住んでいるのかもしれないが。しかしいつもと同じことを旅行先ですることの新鮮さに驚いた。
どうしても旅行となると、観光やら食事やら、普段とは全く異なることをしがちだから。
一昨日買った350円のシューズを履いて、イヤフォンをして街に出た。
しかしやはり歩道が途中で消えるから走りずらい。
I♡KKというシンボルがあるところまで走った。
海が見えるところで、ベンチに寝っ転がってみる。
私はどこでもすぐに寝っ転がりたくなる
地球に全身でちゃんとくつっついている気がして、溶け込めるような感じがする
夢を見ているようだった。
生まれ変わりというか、自分の再認識というか。
少し休憩して戻ろうと歩いていると前方から男性がやってきた。
イヤフォンをしていたけれど、私に話しかけているようで一旦外す。
どうやらここのツアーガイドの人らしい。
海岸から向こう側に見えるのは水上村らしい。そこに船で行って帰れる1時間ほどのツアーをやっているから行かないかと。
午後になるとスコールが来る確率が高くなるからすぐに出発しようと。
確かに水上村が気になっていた私は行くと決めた。一旦ホテルに戻って支度するから待っててと言ったにも関わらず一緒にホテルまで着いていくという。遠いからと断っても行くという意思を絶対に曲げない。
別に逃げたりしないのに。
しかも彼は脚が悪いのか、すこし左脚を引きづって歩いていたから気を遣うのだ。
歩きながら名前は何?と言われ、僕のことはドゥーと呼んで。君のことはミィーと呼ぶねと言われた。
前付き合っていた人にもそんな風に呼ばれていたなとどこか懐かしさを覚えつつ承諾した。
ホテルに戻り本当はシャワーを浴びたかったけれど断念し、着替えてメイクをしてから彼と合流する。
これは断言できる。彼は絶対に私に見惚れていた。一瞬黙りこみ、「you are beautiful.」と第一声。
ハハーン、私の5分メイククオリティーがそんなに高かったか。自分の実力に拍手する。
そしてまた「Do you have a boyfriend?」だと。
Single。言わせるなよ。何歳か聞くと、35歳だと言う。失礼ながら40代だと思っていた。
彼は完全に私の虜になったのか、今日だけ恋人になろうと言い出した。
いくつになっても男性が若い女性を好むのは日本だけではないのか。
西洋では年上の女性のほうが好まれるという話を聞いたことがあるので歳をとったらそちらに移住でもしようかな
ノリと勢いで生きている人間である私は二つ返事でOKした。
しかし、これが仇となった。
彼はそれをいい事に手を繋ごうと言い出した。
ここで私の人間大好きマンが発揮された
まあ手くらいならいいかと。
コミュニケーションのひとつだよね?
しかしここで言っておきたいのは、手を繋ぐという行為、私は好きな人としかしない(日本では)
可愛い35歳だ。街の中にいる友達に声を掛けて私を自慢している。
途中彼の家族にも会ってしまい、ニコニコされた。
何してるんだ私は。という感情を葬りながら歩く
そしてボートの乗り場までやってきて、いざ!水上村へ!
と思ったら彼はそこでさよならだった。
サンキュー!マレーシアの彼氏!
水上村への高速ジェットはだいぶ波に揺られ、落ちるかと思ったほどだ
さすがに村に降りることはできず、船で周りを周遊するだけだった
村には小さな子供たちが多かった
彼らはほとんどみんな私に向かって
Hello!!と元気に挨拶をしてくれたり手を振ってくれたり歓迎してくれている様子だった
色とりどりの海に浮かぶ家は映画に出てきそうなほど色鮮やかだった
あっという間にツアーが終わり、再び島に戻る
海岸を散策しようと歩いていると、最悪だ
ドゥーがこちらに向かって手を振って向かってくる
おいおい勘弁してくれ
もう手を繋ぎたくはないぞ
一人旅を謳歌したいのだ
と思いつつも、彼と、彼の友人二人が座る広場に合流してしまった
同じツアーガイドらしく、これから予約できるよとか言われたけど断った
LINEをくれて、また来る時は僕に直接LINEしてくれと言われ追加しておく。
次かー。
今度は今度。今は今。
映画perfect daysの中のセリフがふと思い出された
次とか、今度とか、またいつか、とかそういう言葉ほど不確実なものはない。
今、会いたい人に会いに行く
その繰り返しなだけであって、
次の約束はあまりしたくないものだ
また来たくなったときはきっと私はここにいるのだろう。
その後ドゥーがお昼ご飯にものすごく美味しいお店がすぐそこにあると言い出すので半ば強制的に連れて行かされた
地元の人が美味しいというならと期待して行ったものの全く美味しいとは言えなかった。
ただ素材の味と、辛さだけが引き立つ料理
なんか彼の分も奢らされたし。
でもドリンクを買ってくれたりツアー紹介してくれたりもあったから仕方ないと思いつつ
その後はすぐに立ち去ろうと思っていたのに、
今度は綺麗な場所が歩いて5分のところにあるからと言われ、迷わず付いていってしまった
私の良くないところはこういうところだ
すぐに人を信用する
歩いて10分くらいたったけれど、着いたのはツアーを予約できるカウンターのような場所
だからツアー予約したんだってと若干怒りを露出させてしまいながらも、彼らの友達は私が日本人だと言うとおおー!と喜んで笑顔を向けてくれたので、はあ、やっぱり可愛いなと怒りも消えてしまう。
いかにもマレーシア人なのに、自分はnakataという名前だと言う人がいた。
またマレーシア人は韓国人が好きなのか、InstagramのIDをhanguk saramiにしている人もいた
記念に写真だけ撮り、やっとここでドゥーともおさらばできた
最後にまた飲み物をプレゼントしてくれたのでもらっておく
気づけばもう13時過ぎだった
天候が悪くなり始め空が暗くなったので急ぎ足でホテルに向かうと、途中で目立った雑貨屋さんを見つける
入ると可愛いポストカードやノートが並んでいた
私には高校のスーパーハイセンスなリンちゃんと言う友達がいる
彼女が海外旅行で集めたオシャレな雑貨を誕生日にプレゼントしてくれた時、とてつもなく嬉しかったのを思い出した。
だから、彼女のイニシャルの入ったポストカードを購入した。
お土産を買う時に思い出す人は本当に大切にしなければならない存在だろうなと思った
試着室で思い出す人と同じように
急に雨の音が激しくなり外はスコールだ
そこで少し収まるのを待つことにした
ちょうど購入した後雨は止んでいた
再びホテルに戻り、着替えてまた近くのカフェにいく
編集の続きをするもパソコンの調子が悪く思うように進まなかった
少し疲れが溜まっていたので、その後はホテルに戻り、雨音を聴きながら夜を迎えた。
明日はツアーを予約している。
ツアー後にパッキングをする力はないと思ったので夜は少し荷物を整理した。
今日も私は生きている。
おやすみなさい。