地球からの報告書
りんちゃんへ
台湾での暮らしはどうですか?
8月の終わり、あなたと日本の喫茶店で10ヶ月後の再会を祝福してから、1週間が経ちました。
あなたは台湾に来て、1週間も経たずに風邪を引いてしまったらしいですね。
周りの人に助けてもらっていますか?
現地の人に、たくさん、お薬をもらったらしいですね。
きっとあなたは、なんだかんだ、人に対して真っ直ぐで、優しい人だから。近くの人に優しさをもらって、元気にやっていることと思います。だから私は、特にあなたを心配する必要はないと思っています。
私はというと、この日本とかいう国で、もがきながら、あがきながら、なんとか人間らしくやっているつもりですが、そろそろ限界を迎えそうです。人間らしく、もなかなか難しいものです。
とても苦しくて、訳がわからなくて、投げやりになりそうなんです。日本でできた友達に今日話を聞いてもらいました。少しだけ落ち着きました。私もどうやら、地球人と同化してきて、時に考えすぎてしまうところがあるようです。違う惑星からきたからでしょうか。考えることに慣れていません。しかし、これを乗り越えることにこそ、私が地球にやってきた意味があると信じています。
とにかく、地球人は頑張りすぎています。
自分の星で生きてきた期間と比較すると、痛感します。
この星では、働くか、愛を行うか、そのどちらかで、自分を懸けることが当たり前のようです。
人間は、生涯働くために生まれるのですか。
人間は、誰かを愛するために産まれるのですか。
働くために、職場を必死に探すのですか?
愛するために、運命の相手を探すのですが?
場所とか、相手とか、そういう「対象」を探すのは地球人が大好きなことですよね。
もう既に、どちらもあるのではないですか?
わざわざ探して、選ぶ必要があるのでしょうか?
なんかもっと、人間は、考えることそれ自体を放棄していいと思うのです。
時に怠ることも重要です。
怠るということは、何か怠惰なようにも感じますが、実はそれは良いことでもあります。
怠ることは、現状に満足している状態です。
だから、何かがないのに満足するのです。
足るを知る
と老子もいっていますが、つまりそういうことではないのでしょうか。
怠ることは、現状に満足しているということ。
それこそ、幸せと言えるのではないでしょうか。
なにもそんなに必死に、頑張らなくてもいいのですよ。
地球人は、言語という特殊なものをもつから、余計に苦しんでいるように見えます。
もっと本能的に、動物的に、自分の頭よりも、心に従って生きた方がいいと思うのです。
彼らは、思考の限界を迎えています。
そう思うのは、私だけなのでしょうか?
もっと、考えないことにこそ、思考を怠り、「今」にしっかりと目を向けることにこそ意義があると思うのです。
りんちゃんはどう思いますか?
あなたに会って話がしたいです。
と思っていたら、00:20、ちょうどあなたからLINEがきました。
自慢師たちのYouTubeのリンクですか。
なかなかりんちゃんからLINEを送ってくることはないのに。
つい最近、Netflixを解約して、そもそも本家を見れてないのです、地面師たち。
でも、私があなたのことをふと考えたこの瞬間に、あなたも私のことを思いついてくれたことが嬉しかったです。
おやすみなさい。