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みんな、砂漠にいるよ
9月6日、公開当日に見に行くことができた。
いつも行く映画館の決まったエグゼクティブシートはすでに予約が埋まっていたので、諦めて久しぶりに一般席で見る。
~以下勝手にプチ宣伝~
109シネマズは年会費無料で、6回見たら1回無料で見れるし、料金変わらずエグゼクティブシート(椅子を倒せてスペースも広い)を予約できる。
さらに今日の映画はU‐NEXTのポイント利用なので実質無料である。
ちなみにいうと、U‐NEXTは月額¥2189で、毎月1200pもらえる。映画の鑑賞チケットは1,800pで交換できるからほぼ毎月1回映画を無料で見れるのである。他のサブスクに無い作品もU‐NEXTには大体ある。加入しない理由がないのである!と、ここで声を大にして言っておく。
思った通り、隣と近いな~と思いながらも、仕方ない。さらに上映中は何度か後ろの席の人に椅子を蹴られ、悲しい気分になった。
が、次回から絶対にいつもの席から変えないと覚悟を決めるきっかけをくれたと思えばまあ、許しておく。
本題に入ると、
そんなことはどうでもいいほど良い映画を見た。
内容を超分かりやすくまとめると、
ヒステリーDVヘビースモーカーの河合優実が、ウサギみたいに暴れる映画
です
これ、主人公が女性だから成り立っているのであって、男性だったらただのクズ男映画っていう低評価になるんだろなーと。
一応、私自身は女性なんですが、同じ人間として、共感する部分が多かったです。
~以下ネタバレ含む~
>他人への関心度合
カナ(河合優実)は、他人そのものへの関心が全くない印象だ。常に相手が自分に対してどういう立場であり、どのくらい自分へ注意を向けてくれるかで判断する。相手の立ち回り次第である。大人だけど、子供、赤ん坊同然なのである。
まあしかし、そういう彼女を追う男性2人の気持ちは痛いほど分かるのだ。大人は子供を育てる。子供も大人を育てる。結局のところ、誰かは誰かの世話をしていたいのだ。人間はそういうものなのだ。
カナが友人に喫茶店に呼び出され、共通の知り合いである同級生が自殺したらしいということを伝えられる場面から始まる。しかし、彼女が自殺前日にテレビ電話をしてきて…と話しつづける友人の声はもう、カナには届いていない。
彼女には、隣の席で繰り広げられるノーパンしゃぶしゃぶの話しか聞こえていない。
私だって、その場にいたら100%ノーパンが気になって仕方ないと思う。
他人への興味・関心を持続させるのは大変難しいように思う。初対面の人であれば、相手がどんな人間で、どれほどの影響を自分が受けるのだろうかという興味が沸く。
だから、親しくなればなるほど、関係値の深度が高まるほど、相手への関心自体は薄れていく。
>友人・恋人の境界
友人と解散しようとしたが「まだ帰りたくない」と言われ、ホストに連れていき、放置して先に帰るカナ。
きっと、カナは同姓に対して完全に心を開ききることができないのだろう。自分が異性に対して全身でぶつかって本音を言えるからこそ、女はそういうものだと信じている。女を癒せるのは結局男なんだという意識が根底にあるように見える。だから友人をホストに連れていき、「男」に託した。
お前ら本当に友達かと。まあでも赤ん坊であるカナにはもっと必要な友人がいるはずだ。最後には唐田えりかのような自分を導いてくれるような友人に出会うからめでたしだったと思いたい。
カナみたいな、いわゆるかっこいいと女友達から言われるようなタイプ、同姓からモテる女性こそ、生粋の「女」である。同姓にはその部分を見せないだけ。同姓の前で男性的な役割を演じる分、男性の前では女性的な面=感情をむき出しにしてしまう。
そもそも、恋人と友人のそれぞれの自分に対しての役割をしっかり認識し、完璧に分ける性格なのだ
カナはどこに行くのかと思いきや、やはり男性の元である。花束をもらったカナはワインボトルを片手にハヤシと夜の公園に行く。その後タクシーを先に降りたハヤシを見送るカナ。悲しげな表情から、恋人なのか、または向こうの浮気相手として割り切っているのか、とか考えて同情していたのに、カナ!!
二股していました。
慣れています。ちょうど個人的に昨夜、吉高由里子が五股しているっていうワンダフルな映画を見てましたから。(婚前特急という映画ですぜひ。)
帰ってきたのはもう一人の恋人ホンダの家でした。
また、、、。彼は純粋で素直で、不動産営業の“良い人”なんですよね。酔っぱらったカナの世話をして、尽くして、真面目に働くホンダ。
一方で、ハヤシはカナにホンダがいるこを承知のうえ付き合っていたが、ある日ホンダと別れてほしいと告げられる。
そして、カナは突然ホンダの家から消える。念願のハヤシとの同棲生活が始まる。
最近こういう突然恋人がいなくなりました系が多い。それをカナが当たり前のように行うから、焦点が当てられていないホンダがいたたまれない。
2時間少々、とくにこれといった事件が起こるもなく、日常が淡々と映されるが、一瞬も目が離せなかった。
カナは道端で側転するし、
ハヤシは「背骨数えまーす」とか言うし。
こういう日常に「?」のある生活、楽しいだろうな
ハヤシもだんだんとカナの扱いに慣れてきている様子が印象的だった。
後半では何度も二人が取っ組み合いの喧嘩をするのだが、
ヒステリーを起こすカナとそれに対応するハヤシは、まるでウサギと獣医師のようだった。
ウサギはどうやら脚力が凄まじいらしい。それでウサギ自身が腰骨を折ったりしてしまうこともある。だから獣医さんは診察に連れてこられたウサギが大暴れすると、力いっぱい抱きかかえて落ち着かせるらしい。
まさにそれだった。かわいい。
>心の中では何を思ってもいい
こうあるべき、こうするべきという意識が無意識に存在しているのでは、と心理カウンセラーに言われるカナ。
それが現実にうまく反映されないと、感情が爆発してしまうのだ。
こういった状況で苦しむ人はカナ以外にも、というかみんながもつ意識である。その度合いが強くなると、現実とのジレンマにもがき苦しむことになってしまう。
公開初日、周りは若者だけでなく、年齢層高めの方もなかなか多かった。
映画は誘われない限り一人がモットーなので、すぐに誰かと感想を言い合えないのが何とももどかしいのはわかりきったことであるが、ああ、むずがゆい。
一体カナという存在は私たちZ世代だけでなく、それ以前の人にも理解してもらえるのだろうか。
時代を反映する若者の生き方について、ご年配の方の意見も気になる映画でした。
ちなみに河合優実は12月19日生まれらしいです。誕生日が一緒で最近の中でダントツにハッピーでした。という余談を置いておきます。祝ってね♡