SKE48 菅原茉椰 かく語りき

2022年9月8日は、SKE48菅原茉椰ちゃんとファン達が幸せを共有した良き日となりました。

絶対インスピレーション選抜衣装


「新曲だぁぁぁ!
MV出だしでまーやん降臨だぁぁぁ!
まーやんとうとうここまで来たね。フロントポジションおめでとう㊗
朝から感無量」
朝から高まりまくりの私のTwitterです。
そして程なく・・・
 
「SKE48 30thシングル
『#絶対インスピレーション』
MVが公開されました!
久しぶりのMV
そして、シングルでは初めてのフロント。
緊張しまくりのMVとなりました。
みんなのおかげでここまで来れました。
ありがとうございます!
たくさんMV見てね。」

絶対インスピレーションMV解禁を告知した茉椰ちゃんのツイートです。
 
「ここ(フロント)まで来られた」というキーワードで多くの菅原推しが歓喜しました。この言葉こそ、茉椰ちゃん本人と菅原ファンの想いが凝縮され、共有されたものです。これは、SKE48において最も高低差の激しい道のりを歩んだが故と思います。
 
その菅原茉椰ちゃんのアイドル人生を、周りのメンバーたちを交え軌跡を語ります。ヲタクのブログ感覚で読んでいただければ幸いです。
 
菅原茉椰ちゃんは2015年5月10日、第2回AKB48グループドラフト会議を経てSKE48チームEドラフト研究生としてSKE48に加入しました。アイドルとしての出だしはいわゆる後列組でした。ドラフト合宿ではパフォーマンスの出来で、1軍、2軍、3軍と組分けされていましたが、茉椰ちゃんは3軍出身でした。しかし3軍というポジでありながらもチームEに指名されたのは、須田亜香里さんに見つけてもらったことが大きな要因のようです。須田さんがドラフト合宿5日目の昼食休憩時に声をかけていた2名のドラフト候補メンバーの一人が茉椰ちゃんであったし、ドラフト会議の茉椰ちゃんの指名理由として「優しい子だと気にかけていた。それから今日にかけて可愛さがぐっとアップしていた。あと、丁寧な振りの動きに惚れました。」とコメントしています。その優しさとは自分自身が大変で余裕のない中で、年少の参加者を気遣える子だった。そういうところを見ていたようです。パフォーマンスのスキルレベルより、茉椰ちゃんの「人間性」「パフォーマンスの将来性」を評価しての指名であったと思われます。須田さんのこの発見は伏線として、数年を経て須田さん自身に回収されることとなります。


茉椰ちゃん達ドラフト2期生は2か月前の3月に加入した7期生と共に研究生として活動することとなります。その最初の階段が7期研究生とドラフト2期研究生(いわゆる7D2)の「PARTYが始まるよ」公演でした。7D2は20名であり初日には4人が出演できない現実。茉椰ちゃんは出演できず、研究生公演としてのオリジナルポジションがなく最初の試練となりました。ダンスパフォーマンスで最初は遅れていたものの、「キャラ」の立ち方は早く、松井玲奈さんをして「こんな子を指名した覚えはない!」と言わしめた「前髪切りすぎ」の子や、市野成美さんのブログに紹介された「菅原は 菅原はどうですか?のTシャツ」など、研究生としては目立っていたと思います(前髪はひょんな事故でしたが)。

前髪切りすぎオン眉の子


3列目端っこどころか公演ポジションがないスタートの茉椰ちゃんでしたが、キャラを武器にアイドルとして徐々に成長。松井さんの卒業公演(チームE公演)でバックダンサーデビュー、松井さんの卒業パートではその隣のポジションで大先輩を見送ることができました。これも後日伏線として回収されることとなります。
 
そのほぼ1月後の10月5日SKE48 7周年記念公演にて、シングル表題曲ユニット「ラブ・クレッシェンド」(7人)のメンバーとして抜擢され、それは茉椰ちゃんファンがあっけにとられるほどのビッグサプライズでした。そして翌月11月28日のコンサートでチームEへの正規メンバーへ昇格、翌年3月30日発売「チキンLINE」でシングル初選抜と駆け上っていきました。

加入1年で高みに上った茉椰ちゃんでたが次作の「金の愛、銀の愛」で選抜落ち。その2016年夏から茉椰ちゃんもファンも選抜復帰に向けもがくこととなります。この非選抜期間が1年半ほど続くこととなります。初選抜に向けて頑張るのと違い、選抜落ちしてから復帰を目指すのは、コンサートでかつて立っていたセンターステージに、自分の推しのいた場所に他のメンバーがいる口惜しさなど、負の感情を乗り越えながらなので本当にきついです。茉椰ちゃん本人は尚更でしょう。
 
その中で茉椰ちゃんが反撃の狼煙を上げます。
「菅原茉椰、もうサイリウムの色変えません!!!!
菅原茉椰のサイリウムの色は『みどり1本』です。」

2016年11月16日のオフィシャルブログで発表しました。

SKE48において「推しサイ」はメンバーのアイデンティティーともいえる大切な旗印です。アイドル菅原茉椰生みの親の一人であるレジェンド、松井玲奈さんの了承を得たサイリウム「緑1本」の継承。ここで、松井さんの卒業公演の伏線の一つが回収されました。この緑サイの継承は、菅原ファンのテンションを爆上げし、選抜復帰への大きな力となりました。
 
その後、2017年2月発売アルバム表題曲「夏よ、急げ!」、2017年7月発売シングル「意外にマンゴー」で2回跳ね返されましたが、諦めず頑張り続けた結果、徐々に陽が差してきます。2017年11月発売AKB48シングル「11月のアンクレット」のカップリング曲「法定速度と優越感」で48グループのU17選抜として選出されます。ここで選出されたメンバーは48Gの各々のグループで柱となるメンバーに成長しており茉椰ちゃんもその一人です(小栗有以、松岡はな、矢吹奈子、田中美久、倉野尾成美、千葉恵里、山内瑞葵 など現48グループの蒼々たるメンバー達)。そしてついに2018年1月発売「無意識の色」でSKEのシングル選抜として復帰を果たし、耐え忍んだ1年半の間に力をつけた茉椰ちゃんの怒涛の進撃が始まります。


松井玲奈さんの伏線回収がこの2018年でなされます。4月のSKE48春のファン祭り夜公演で、松井さんに当て込まれた公演曲「枯葉のステーション」のソロ歌唱者に抜擢、11月のSKE48 リクエストアワー2018では、再び「枯葉のステーション」、そして松井さんの卒業シングル曲「前のめり」のセンターを任されます。ガイシホールが徐々に緑のサイリウム一色となる様や、リクアワ「前のめり」の「まーやん」コールの怒涛は圧巻でした。
 
松井さんの伏線回収を挟んで、6月のAKB48 53rdシングル世界選抜総選挙では29位で初ランクインし、アンダーガールズに名を連ねます。7月発売「いきなりパンチライン」、同年12月発売の「Stand by you」とSKEのシングル3作連続の選抜メンバーとなります。加えて11月発売のAKB48シングル「NO WAY MAN」、2019年3月発売の指原梨乃さんの卒業シングルとなった「ジワるDAYS」と2作連続でAKB48のシングル選抜にも選出され、ミュージックフェア、Mステをはじめ最高峰の歌番組にも出演を果たします。ここまで来たら。SKEシングルではフロントが見えてきます。いや行ける!


そう期待した最中、4月に茉椰ちゃんは突然の「休養」とういうアイドル生命も危ぶまれる状態に陥ります。これほどの滑落があるとは(絶句)。ファンとしてもとても厳しい時が始まります。山高ければ谷深し・・・山が高く輝きに満ちていたのでその谷はあまりにも暗く深すぎました。ファンは復帰を信じ待つしかない。そして待つことほぼ3か月の8月18日に、テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り「SUMMER STATION 音楽LIVE」で復活します。予定では8月15日の劇場公演での復帰予定でしたが、台風で公演中止というここでも一波乱ありました。
 
復帰を果たしたもののファンの多くは去ってはいないのか?そんな不安が茉椰ちゃんと待ち続けたフャンによぎりますが、急遽設定されたシングル封入のイベント参加券での握手会の列に並ぶ人数は大盛況でした。休養を機に去ったファンもいたと思いますが、多くのファンが茉椰ちゃんを信じ待っていました。

そのエピソードの一つ。モバイルメールについては休養前にモバメ運営より解除を促す案内があったのですが、かなりのファンがそのまま契約を続けていたようです。私もその一人でした。なぜそれが分かったかというと。茉椰ちゃんの復帰最初のメール発信が、未解除のファンには先行して送られ、結果として2回同じメールが来ることとなった様です。モバメ運営からの案内で「尊き方には2回送られています」と案内があったほどで、相当数のファンが復帰を信じて待ちモバメを未解除のままにしていたことがわかりました。
 
そんな茉椰ちゃんの人気の源はどのようなものでしょうか。休養前とその後はかなり違ってきたと思います。休養前はファンの声に耳を傾け期待値以上の活躍を見せることで楽しませ、運営から推されれば、総選挙然り、握手会売り上げ然りと、結果を数字で返すという強メンそのものでした。また、風景の中で人の顔を認知する能力があるようで、多くのファンがその記憶力に驚かされています。ピンポイントのレスで釣るのではなく、会場全体をスキャンして記憶、後日アウトプットして驚かせるといった具合です(私は菅原スキャンと言っています)。しかし、期待に沿うために自分を抑制した無理が限界を超えて休養に至ったのかもしれません。その後の進化した茉椰ちゃんの魅力は最後にお話しします。
 
復帰後のアイドル活動は最初手探りの状態でした。ステージパフォーマンスは体力低下が見て取れ、FRUSTRATIONの劇場公演での披露は大変そうでした。握手会対応も以前のようにはいかず、うまくファンに接することができない自分に耐えて頑張っているようでした。ゼロどころかマイナスからの再出発です。次作、2020年1月発売シングル「ソーユートコあるよね?」では選抜復帰できませんでしたが、選抜落ちして復帰を果たした経験があるので、ファンも茉椰ちゃんも前を向いてやるべきことを重ねていきました。無論、コンサートではかつての光がさす場所には立てません。最高峰からの景色を経験している故に悔しさ、焦りはかつての選抜落ち以上でしたが、その1月での茉椰ちゃんの生誕祭での名スピーチが支えとなりました。

「選抜に戻ります、入りたいじゃなくて戻ります。絶対に。」
「皆さんとならまた選抜に戻れると思ったので、皆さんと一緒に選抜に戻りたいと思います。」


新型コロナウイルスの蔓延で、2020年は「ソーユートコあるよね?」のみのリリースとなり、雌伏の時期が再び1年半ほどの期間に及びます。2021年2月発売の「恋落ちフラグ」は全員がMV参加で歌唱選抜メンバー不在という異例な扱いとなりますが、劇場披露、メディア露出は通常のシングルに準じた形だったので、実態として茉椰ちゃんは選抜復帰だったと思います。しかし茉椰ちゃん本人は選抜メンバーとして運営より公式にアナウンスがあるまでは、選抜復帰を遂げたとは考えていなかったようです。私は「TSUTAYA on IDOL」のポスターに茉椰ちゃんがいるのを見て歓喜し、オンラインのトーク会で茉椰ちゃんにそのポスターを勇んで披露していました(笑)
 
そしてとうとう「絶対に選抜に戻る」が現実となる日が訪れます。2021年9月発売「あの頃の君を見つけた」で念願の2回目となる選抜復帰を立ち位置3列目で果たしました。選抜メンバー発表の日のモバメでは、選抜を維持することよりもさらに難しい「選抜に戻る」について、「(選抜の)壁」という言葉を使いファンへの熱い感謝の想いを伝えていました。茉椰ちゃんもファンも長き雌伏の時は終わり喜びを共にしました。

次作2022年3月発売「心にFlower」では2列目の好ポジションまで上げて、休養前のシングル「Stand by you」のポジションのレベルまで戻してきます。しかしここでも一波乱ありました。1月に予定されていた舞台の稽古中に、ダブルキャストの佐藤佳穂さんと共に、新型コロナウイルスに感染。これがMV撮影機関と重なり「心にFlower」のMVは佐藤さんと共に不参加となってしまいましたが、Dance Practiceでは元気なパフォーマンスを見せてくれています。

2列目好位置に立ち位置も復帰!


「心にFlower」では悔しい思いがあった茉椰ちゃんでしたが、須田さんの卒業シングルとなった2022年10月発売「絶対インスピレーション」では初のプロントポジションに立つこととなります。7年という長い道のりを踏破して、とうとうシングル選抜としての立ち位置のピーク越えを果たすこととなりました。 

絶対インスピレーション」のポジションは、フロントの価値に加え、卒業する須田さんとのシンメであることが私としては心に刺さる感動でした。須田さんに見いだされ、育てられた茉椰ちゃんの7年越しとなる伏線回収がここでなされMV映像に刻まれました。須田さんにとっては最大の恩返しとなったと思います。 

ここまで茉椰ちゃんの奇跡ともいえる、高低差の激しい軌跡をたどってきました。ファンの一部は入れ替わった感がありますが、茉椰ちゃんは根強い人気を維持しています。だからこそ大変困難な選抜復帰を、2回目果たすことができました。その根底を支えているのは、茉椰ちゃんの自然体の「人柄」と思います。ドラフト会議で須田さんが気に留めた、茉椰ちゃんの「人柄」や、勢いではなく丁寧なパフォーマンスでファンを魅了するまでの成長が、結果としてアイドル菅原茉椰の大復活を遂げる源となったと思います。

 耳キーンとなりそうな、本人も自覚する浮き沈みの激しいアイドル人生の茉椰ちゃんの今を書いて終わりにしたいと思います。 

菅原スキャンの能力は今の健在で、他メンヲタさんがふらっと茉椰ちゃんレーンに来た時に、「〇〇の時来てくれましたよね!」と驚かせたりしているレポを目にします。休養を機に変わったところは、自分自身を偽らない自然な姿のアイドルをファンに楽しんでもらうスタイルに変わりました。ファンを人一倍気づかい感謝を忘れませんが、自分を偽ってまでファンに追随することはありません。彼女のSHOW ROOMのスタイルは、無告知で突然始まったり、遅刻があったり、壇上順位の発表は常になくブッチッと切れるといった自由人を謳歌するものです。義務的に推すのではなく、ありのままのアイドル菅原茉椰を楽しんで推してほしい。出入りはファンの自主性に任せオープン(本当は出るのは嫌なのでしょうが)。そんな考えのように私は理解しています。 

絶対インスピレーションでフロントになって、茉椰ちゃんもファンも充実感はありますが、センター目指してガツガツ頑張るという雰囲気は感じられません。素直に今を楽しんで、茉椰ちゃんのセンターパフォーマンスが来ればファンは大喜び、茉椰ちゃんも目前のセンターにふさわしいように努力するという自然体です。茉椰ちゃんは2回も試練を乗り越え、ファンも推し歴にかかわらず茉椰ちゃんを支えて今がある。だから今その時を楽しむ。私はそれでいいと思います。お互い支えあってここまで来られたのだから。

今アイドルを続けていること自体が当たり前ではない、休養という試練をファンと分かちあい、2度にわたって選抜復帰を果たした茉椰ちゃのアイドル人生に触れれば、万感の想いで心に響くのではないのでしょうか。

 「みんなのおかげでここまで来れました。ありがとうございます。」

アイドル菅原茉椰 かく語りき。

ここまで来れました







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