「THE MANZAI2024」スマドリキャンペーンに思う「多様性コト」の難しさと「スマドリ株式会社」について
今年も「THE MANZAI2024」(フジテレビ系)楽しかったですね。(2024年12月8日放送)
メインスポンサーはアサヒ飲料さん。
正式名称は「アサヒビール スマドリ THE MANZAI 2024マスターズ」なんですね。
打ち出されたのは「スマドリ」キャンペーンでした。漫才によるインフォマーシャルも面白かったです。個人的には紅しょうがさんがツボでした。
(「スマドリ」TVCMは2024年3月12日から放送開始)
ところで、この「スマドリ」というキャンペーンフレーズなのですが、盛んに地上波で拝見しています。
しかし、私にはその意味が良く分かりませんでした。
「多様性コト」キャンペーンの難しさ
地上波CMで出演されている浜田雅功さんの「飲めなくってもええねん!」、3時のヒロイン・福田真紀さんの「なにを飲んでもええねん!」、「飲めない自分のままでいい」という亜生さんのセリフから、
「ああ、飲みの場でノンアルを飲んでもいいよね、という意味かな?」と察しました。
アサヒ飲料さんの公式サイトを拝見してその本義を知りました。
なるほど!
「飲み方の多様性」の提案、素晴らしい!
個人的に下戸(げこ=酒が飲めない)の自分にとっても嬉しいキャンペーンです。
しかし、このCM中に「スマドリ」が「スマートドリンク」の略であることは、一言も発せられていないんです。
CMの内容からして「アルコールを飲めない人がいてもいい」「なにを飲もうが自由でいい」というキャンペーン趣旨は理解しやすいのですが、私には
「スマドリ」というワードの意味が、スッと入ってこなかったのです。
もちろん、昨今、長いネーミングを付けても、どうせ略されるよね、という制作スタンスはとても良く分かります。
ただ、その「略する前の元々のネーミング」は何だったのか。それはCM内で一度でいいから触れてくれると分かりやすかったかな、と思いました。
特に「ドリ」というワードからは、いくつかの意味が読み取れてしまいます。
なかでも「ドリ=取ること」(ゲット)は一番、想起しやすく、モヤってしまいました。
「キャンペーンネーミング」はプロモーションを行う上で、最も重要な要素といえるでしょう。
一視聴者としては「略さないVer.」のネーミングも知りたかったかな、と思いました。
「多様性の提案」という「コト」キャンペーンだが
「モノ」にも使えるワードでもあるという難解さ
「社会の実現を目指します」というアルコール飲料業界のリーディングカンパニーとしての「コト」キャンペーンを打つ、という英断。
でも、実は、よく確認すると、「商品」(モノ)にも使ってもいいワードでもあるんですね。
よく見ると分かるのですが、ちょっと一回、考える感じです。
「スマドリ」という商品セットが常時、売られているのかな?
「スマドリはこの6種だけなの?」
「ネーミングの持つ範疇」も重要ですね。
プロモーションキャスティングを考える。1社キャスティングの危うさ
今回の「THE MANZAI2024」へのメインスポンサーという点からも、アサヒ飲料さんとよしもとさんとの繋がりを感じさせます。
このCMに出演しているのも、浜田さん、福田さん、ミキの亜生さん、ブラマヨ・小杉竜一さんと、全員がよしもとさんの所属芸人さんですね。
どなたも人気のある芸人さんです。
このなかで敢えて感じ入った点を述べるならば福田さんのキャスティングが際立ちます。
良く聴くと分かるのですが、福田さんは音程をまったく外しておらず、つまり、歌がかなりお上手のようです。
多くのよしもと所属の女性芸人さんの中でオーディションなどされ起用を決められたのでしょうか。
福田さんは「にしたんクリニック」でもキレのある「真顔ダンス」を見せており、音感の良い方なのでしょうね!
私自身、かなり以前ですが、編集プロダクション経営時代に「マンスリーよしもと」という広報誌の編集の一部をやっていたこともあり、よしもとさんには大変、お世話になりました。
しかし、今、1社にキャスティングを寄せる、という選択は、必ずしも「吉」(きち)」とはいかない時代なんじゃないかな、と思ってしまいます。
進行中の看板芸人さんの事案もありますね。
こういう議論は、どれが正しい、とか、間違っている、ということ以前に「SNSで盛んに議論されている」という状態自体がキャスティングのリスクだと思います。
個々の芸人さんは全員、お茶の間の人気者で、言うことなしの実力派ですし、タレントパワーもかなり上位の方々だと思いますが、「THE MANZAI」のメインスポンサーを含め、なぜ、よしもとさんと、丸っとコラボしているのかな?と、少し、考えてしまいます。
「SDGs関連キャンペーン」には透明性の担保がなにより重要
旧ジャニーズ事務所・ジャニー喜多川氏の性加害問題を出すまでもなく、昨今は、芸能プロダクションの在り方が問われており、それを起用する側のスポンサー、起用・報道するテレビ局への責任を問う問題はまだ解決したとは言えず、視聴者の「腹落ち」はしていないのが2024年現在の状況でしょう。
今回のような「多様性」を謡うなどの企業キャンペーンは、「SDGsゴール2030」に向け、今後も増加せざるを得ない状況下です。
「SDGs関連」のキャンペーンを打つ際に重要なのは「クリーンさ」「透明性」にほかなりません。私はそう思いますがどうでしょう。
「スマドリ」のロゴがカラフルに一文字ずつ異なっているのも、もしかすると、「飲み方の多様性」という面でSDGsに関連しているからなのかもしれませんね。
今回はよしもとさんとのコラボでしたが、これはよしもとさんだから、ではなく、どのプロダクションであれ、
「1社だけ」とが深い繋がりを持つことにリスクや、不思議さを感じてしまう人がいるかもしれない、ということです。
「スマドリ株式会社」は
電通デジタルとアサヒ飲料との合弁会社
よく調べてみると、今回の「スマドリ」は単なるキャンペーンではなく、継続性のある活動のようで、その為に電通デジタルとアサヒ飲料との合弁会社「スマドリ株式会社」が設立されたようですね。
「SHIBUYA SMART DRINKING PROJECT」として産学官連携も行っているようです。
(渋谷区民になって20年以上ですが、全然、知りませんでした(*_*)
ここまで辿っていって、電通デジタルさんとアサヒ飲料さんの広範囲に及ぶ一大プロジェクトが、この「スマドリ」の本質で、目指すゴールなのだと分かりました。
正直、驚きました。
「社会課題」の解決のために、アサヒ飲料さんが中心的な役割を担うという電通デジタルさんとの長期的なプロジェクトなのですね。
ここまで確認して、「スマドリ」プロジェクトは、単なる1タームのキャンペーンではなく、かなり長期的なキャンペーンであることが分かりました。
おまけ。「スマドリ」は商標登録?
ちなみに「特許庁」の公開している商標登録サイトでは、「スマドリ」の、ほとんどの商標を「アサヒグループホールディングス株式会社」が取得しています。
ちなみに、ショップチャンネルさんに「スマドリ」という便利そうなバッグがありました。「スマホ」と「ドリンク」が入れられるバッグだそうです。ランチに良さそう。
まとめ。「スマドリ」は単なるCMや一時的キャンペーンではなく電通デジタルとアサヒ飲料の合弁会社「スマドリ株式会社」の官民一体のプロジェクト
今後、まだまだいろいろなキャンペーンなどがありそうですね。
注目です。
(記事内に誤りがありましたらお知らせください。修正致します)
by : 山崎みしえる
ღ✻渋谷区在住・人生に引っ越しが多過ぎた¿ღエシカル消費とプロモーションを考えるひとღ「エシカルカレンダー」主宰。*0→1でファッションブランド一応成功させたひと*ロックと韓ドラとお笑いでその日が終われば満点♬リクルート→東証スタンダード子会社社長→パソナღ都バスが好き過ぎ✰
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