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食べる事の集大成②

 前回まで、大腸の内、結腸の解剖と機能の話をしました。

 今回は最後の、直腸と肛門です。

 右から左へ横向きに進んでいた横行結腸は、脾臓の下、脾湾曲部で、曲がり、横行から下降して下行結腸になり、ちょうど腰骨(腸骨稜)あたりからS状に曲がってS状結腸になります。その先、Sの字が終わったあたりから、直腸と呼ばれる部分になります。

 S状結腸と直腸は、走行方向は変わるけれども、構造的には大きな変化はありません。

 凄いのは、その先にある肛門管です。

 肛門管は、便を出すか出さないかを調節するところです。
 構造としては、直腸から続く、自動的に動く平滑筋が太くなった、内肛門括約筋。その周りを、自分の意思で動かすことのできる随意筋の、外肛門括約筋が巻いている、3-4cmの管になります。
 通常は、肛門管の二つの括約筋は締まっていて、内容物(便)が出ないようになっています。そして、その先の直腸は括約筋が無いので筒です。
 なので、直腸診とかで肛門から指を入れると、肛門管の間は抵抗があり、その先の直腸に指の先が入ると、抵抗が無くなります。

 そんな直腸と肛門管は、排便コントロールをかなり巧みに行っています

 まず、S状結腸から便が直腸に降りてくると、直腸内の圧力が上がります。
 そうすると、圧の上昇を神経が感知して、刺激を脳に送り、脳の排便中枢が働き、排便したいという意識を起こします。同時に、副交感神経を通じて、内肛門括約筋を弛緩させます。
 一方、外肛門括約筋は随意筋で、意識的に動かす事が出来るので、排便しても良い状況になるまで緊張して肛門管を閉め続けます。
 排便して良い状況になったら、外肛門括約筋を緩めて、腹圧をかけて排便します。
 そして、もっと凄いのが、これがガス(おなら)だとすると、出しても良い状況がまた変わってくるので、ガスと固形物(便)を分けて出すことができます。
 これは、かなり凄い事なので、肛門は大事にした方が良いと思います。

ひとまず、口から食べて、栄養を吸収して、肛門から出すまでの話が終わりました。

次回から、それらが出来なくなる状態の話をします。

排便のもう少し、詳しい説明です。
https://www.kango-roo.com/learning/3099/

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